WWDC大予想:iOS8, Beats, MacOSX

アップルは、サンフランシスコで開催されるデベロッパー向けカンファレンス、WWDC2014でリリースする新商品の発表内容を着々と準備している。iPad、iPhone用iOSアプリの開発方法から進化したMacOSXやiCloudの最新情報などが、6月2日にデベロッパー達に向けて明かされるだろう。

もし運が良ければ、音楽の未来に対するアップルの考え方も知ることができるかもしれない。また、スマートホームやスマート自動車、フィットネスに関する新商品も披露されるかもしれない。

tim_cook_finger_iphone5sいつものように、アップルは発表内容を厳重に伏せている。ただし、アップルの上級副社長エディー・キューは今週開かれたCodeカンファレンスで、「今年の商品ライナップは私がアップルにいた25年の中で最も素晴らしい」と話していた。それらの新商品が来週発表されるかどうかは分からないが、WWDCはアップルが各年の商品ライナップの基礎、基盤を発表する場所ではある。

来週、アップルはWWDCで一体何を発表するのだろうか?はっきりしたことは分からないが、この数週間の間に漏れ伝えられた情報によって、少しずつ概要が見えてきている。

おそらくアップルは、今年もお決まりの台本に従ってイベントを進行するだろう。最初にアップルらしいお洒落なビデオが流れて同社の功績をたたえた後、CEOのティム・クックが登場して基調講演が始まり、成長する数字を示してアップルの輝かしい未来を宣伝する(この部分はオンラインで見ることができる)。その後幹部が次々と登場し新商品やサービスを紹介する。ソフトウェア・エンジニアリング担当の上級副社長クレイグ・フェテドリッヒや、ワールドワイド・マーケティング担当の上級副社長フィル・シラー(おそらく彼はマイクロソフトやグーグルを相手取って攻撃的な態度を示すだろう)、最後にはインターネット・ソフトウェア・サービス担当の上級副社長であるキューが登場する。

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一部のファンはアップルが来週iWatchを発表すると期待しているようだが、Apple TVやiPhone 6をはじめとする新ハードウェアは、おそらく後日別のイベントで取り上げられるだろう。

iOS8:マップス、ヘルスブック、iTunes

アップルは毎年WWDCで最新のiOSを発表し、デベロッパーに開示する。デベロッパー達は夏の間にアプリを新OSに準拠させ、秋にリリースされる最新iPhoneと合わせて世の中に送り出される。今年はアップルからiOS8が登場すると予想されており、健康管理、スマートホームへの対応、iBeaconサポート等の新たな機能が注目されている。

2013年に発表されたiOS7は、モバイル開発者達にとってはその年を代表する一大イベントとなった。刷新されたデザインと機能(そして大量のバグ)は、夏の間さかんに話題に上った。おそらくiOS8では、iOS7のような極端な変更は行われないだろう。ReadWriteは今年の始めに、アップルは地図アプリを刷新するだろうと予測した。iTunesにも小規模な変更が施され、Shazamのような音楽を認識、特定する機能が追加される可能性が高い。また、iTunes Radioは別アプリとして独立すると思われるが、Beats社の買収によって状況が変わるかもしれない。

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iOS8の最も大きな変更点は、3月に9to5Macがリークした、健康とフィットネスを管理する「ヘルスブック」アプリかもしれない。このアプリは今世の中に出回っている健康管理アプリと同様に、ユーザの行動、体重、睡眠、脈拍、血圧等を管理するもので、新規に登場するアップル製品と密接に連動すると考えられている。

ヘルスブック、地図アプリ、iTunesのような大きな変更に加えて、iMessage、Game Center、Text Editアプリもそれぞれ改良されるとみられている。さらに、アップルはiOS8でVoice over LTE (VoLTE)をサポートすると噂されており、キャリアーがどこまで対応するかも気になるところだ。

アップルが今年のWWDCでウェアラブル端末をリリースする予定があるかどうか、世間の噂には上っていない。もし本当にアップルがiWatchを作っているのだとすれば、それはiPhoneとiOSに深く関係しているはずだ。だとしたら、iOS8の新機能から同社のウェアラブル戦略を垣間見ることができるはずである。

iPhoneについてはサプライチェーンの専門家たちが、アップルはWWDCで8GBのストレージを搭載したiPhone5Sの廉価盤を発表するだろうと予想している。しかしアップルを長年追い続ける記者、ジム・ダリンプルはこの噂を「それはない」と一蹴している。

OSX: Syrahと大幅なデザイン変更

今年のWWDCの主役はiOS8ではなくて最新Mac OSかもしれない。「Syrah」のコードネームで知られるMac OS X 10.10betaは、噂によれば完全なデザイン変更が施されており、まるで昨年のiOS7のようだという。

アップルはWWDCで最新のPCハードウェアを発表することが多い。昨年もMacProと数種類のMacBookを発表し、どちらもその年の末にリリースされた。今年どのようなPCハードウェアが発表されるかは分かっていない。WWDCではこうした製品はiOS 8やMac OS Xといった主要ニュースの脇役扱いで、情報のリークも少ないからだ。

iHomeは現れるか

iPhoneやiPadなどのデバイスから操作できるスマートホーム製品が、近いうちに公開されるかもしれない。フィナンシャル・タイムズ紙によれば、アップルは来週、サーモスタット、電気、ドアロック等の、スマートフォンからコントロール可能な製品を披露するという。iPhoneがユニバーサルのリモートコントローラとなり、iCloudと連携した家中のあらゆるデバイスを操作できるようになるわけである。

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スマートホームはもはや遠い未来の夢物語ではなく、(技術者だけではない)多くの人が待ち望む現実的な技術である。最近、猫が子供を助ける瞬間を捉えた防犯カメラの映像が話題になっているが、スマートホームが実現すればこういう映像も撮ることができるだろう。

スマートホームの需要が拡大する中、アップルはスマートホーム用デバイスメーカーとの連携を図っている。例えばiPhoneを使って、外出する際に自宅のドアや窓を自動的にロックしたり、リビングルームからベッドルームへと移動すると再生中の音楽がそのまま移動先でも再生されるといったことが可能となる。

アップルは来週のWWDCでAppleTVの改良版を発表する可能性もあるが、この製品はこれまでWWDCのようなイベントではあまりスポットライトを浴びたことがないため、可能性は高くないだろう。

Beatsとアップル

アップルは正式にBeatsを買収することになった。よって、新たにアップル社員となるBeatsの共同創業者、ジミー・アイヴォンがWWDCのステージに登場する可能性もある。しかし買収取引が完結するまでは正社員にならないため、これは定かではない。同時に、もう一人の創業者であるドクター・ドレの登場も未定だ。

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当然かもしれないが、クックは基調講演の中で何度かBeatsについて触れるだろう。しかしWWDCは開発者向けイベントだということもあり、買収が生む新たな音楽商品やサービスの発表はまだ見られないかもしれない。

iCloud

WWDCで実施される個別セッションはまだ未公開だが、セッションページを見る限りではiCloudサービスとアプリ連携についての記載が目立つ。

アップルは、マイクロソフトのAzureやアマゾンのWeb Servicesとは違い、iCloudをデベロッパーに強要するようなことはなさそうだ。ただし、iOSやMacOSXに向けた開発を行う上でiCloudは、アプリやサービスのデバイス間連携を実現するための中枢となりつつある。例えばiCloudストレージの拡充により、アップルのiWorkやGame Centerはより多くの機能を得ることになるだろう。また、iCloudの存在によってMac OSXとiOSの連携が親密になり、両プラットフォームで実装されるアプリやサービスの使い勝手は間違いなく向上する。もしiCloudの新しい機能が発表されるとしたら、WWDCほど相応しい場所は他にないだろう。

画像提供:Daniel Spiess(Flickrより)

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