ビデオゲームが子供たちに与える影響については、ネガティブな報道がなされることが多い。しかし、悪い面ばかりではないのだ。教育ツールとして活用することで、優れたスキルを授けたり彼らの人生を変えたりすることもできるのである。

若者が銃を所持したり、さらには発砲事件の加害者となるような事件が起きると、世間の目は彼がどんなメディアを購入したかという点に注がれる。「その子が直前にプレイしていたビデオゲームは何か?」という具合に。「グランド・セフト・オート」や「コール・オブ・デューティ」等のゲームタイトルはもはや有害カルチャーの代名詞となり、若者の銃による殺人やバイオレンスを増加させたとして非難の的になっている。

しかし子供たちはビデオゲームの作成や操作を通じて学ぶこともまた可能なのだ。これによってビデオゲームの不名誉な固定観念を一掃し、教育システムに革命をもたらすこともできるだろう。いわゆる「ゲーミフィケーション」である。

call-of-duty-black-ops-2-attacking-enemy-on-the-bridgeビデオゲームを教育ツールとして使うと極めて有益な効果が得られる。このことを明確に表す二つの例を見てみよう。

「STEMビデオゲーム·チャレンジ」という高校生を対象とした大会がある。当大会は年に1度参加者を募集しており、参加者は自分で設計したビデオゲームを提出し、同年代の子供たちと全国レベルで作品を競う。自分自身でゲームを設計することによってコーディングの入出力や戦略、デジタルコンテンツの制作について学ぶことができるのだ。

MRI(Mind Research Institute)という機関が提供している「ST Math」というビデオゲームが、教育的ゲーミフィケーションのもう一つの例だ。ST Mathは、全く新しい方法で数学を概念化することを学生に教えるための媒体としてビデオゲームを利用している。画面内の動きによって子供たちは数学の問題を視覚的な表現で見ることができるのだ。これまでは教科書に書かれた平坦な数字に過ぎなかったものが、ST Mathの中では生き生きと踊りだし、デジタルのコンパニオンと一緒に解法を見つける手助けをしてくれるのである。

教育におけるゲーミフィケーションは非常に効果的だ。今日の教育システムに代わるべき手法として、注目する価値がある。

2013年のSTEMビデオゲーム·チャレンジは、若者たちにオリジナルのビデオゲームを提出して科学や技術について学ぼうと呼びかけている。この大会は2010年に、ホワイトハウスがSTEM(Science、Technology、Engineering、Math)教育を推奨したことに応えて始められたものだ。目的はいたってシンプルである。若者に独自のビデオゲームを作成させることで、技術や工学に対する興味を植え付けようというのだ。

brickgamestar-600x401問題は、学生が本当に自分たちだけでプラットフォームを構築できるのかという点だ。別段驚くにはあたらないが、できるのである。2013年のビデオゲーム·チャレンジ優勝者の作品は、そのゲームデザインにおいてコミュニティ、リテラシー、数学、化学、そして健康といった分野を全て網羅している。

作品作りを通じて子供たちはありとあらゆることを学び、会得する。問題の解決方法、システムやコンピュータの概念、コミュニケーションやコラボレーション等、学習内容は多岐に渡る。こうした教育的な大会に提出される作品の多さは若者たちの興味を引き、ビデオゲームを学術的な枠組みとして捉えさせようとしている。ゲームという若者に馴染みのある媒体を利用し、学校での成績向上にも役立つ方法でゲームの開発を行えるのである。

icon-jijiMRIの一員であるMatthew Peterson氏は、ゲームを通じた学習は教育の機会を増やす鍵になると論じている。MRIは数学教育に重点を置き、学生が数学で成功を収めるための手法を完全に変えてしまおうとしているのだ。

例えばMRIのソフトウェア「ST Math」は数学の問題を表現したビデオゲームであり、プレイヤーは各レベルをプレイしながら問題を解く。各問題は言葉を一切使用せずに提示され、画像や数字を通じて推論するようになっている。アニメーションのペンギンが各レベルのガイド役として登場し、プレイヤーはペンギンを前に進ませるために数学の問題を解くのだ。

Peterson氏はTEDカンファレンスでのプレゼンテーションにおいて、ビデオゲームを通じて数学を教えることは、テストの成績を上げ、教育の機会を増やし、将来の成功を勝ち取るための鍵なのだと述べている。

若者たちは、自分で自分を教育する方法を身に着けつつある。数学に取り組む学生にとって、教科書やノートでの勉強法はあくまでも一方通行だ。子供たちの多様な勉強方法に対応しているとは言い難い。

ペンギンというアバタ―の使用や画面上の動き、インタラクティブな問題の解き方は、ST Mathのプレイヤーに数学のスキルを高めたいと思わせる効果がある。MRIのデータが示すところによれば、アメリカ全土の学校において、ST Mathを1~2年プレイした学生は数学の成績が向上しているという。

子供とビデオゲームにまつわる話題は、ビデオゲームは教育システムにとって非常に有用であるということを明らかにする方向に、今すぐにでも移行していいと思う。使い方さえ正しければ、子供たちの世話はスクリーンに任せておいても良いのだ。スクリーンは子供たちに、科学、技術、数学といった分野での著しい進歩をもたらしてくれるだろう。

画像・動画提供:gamerenthusiastNational STEM Video Game ChallengeMind Research InstituteTedxTalksELineMedia

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