DJであり、テクノロジー企業家であり、ファッション・パーティーの常連でもあるハンナ・ブロンフマンは、彼女の Samsung Galaxy Note 3 をかなり気に入っている。彼女はまた Galaxy Gear スマートウォッチも同じく愛用している。

「私は、スパイウェアのコンセプトが大好きです。忍者になれたらいいのにと思っています」と、CFDA と Editorialist が共同主催した先週のディナー・イベントでブロンフマンは冗談交じりに話していた。「誰にも気付かれずに面白いビデオを作ることだってできるんです」。

Galaxy Gear スマートウォッチとシームレスに連携できるという点以上に、彼女は Note の大きな 5.7 インチ・ディスプレイを気に入っている。「Instagram は画面が大きいほど見栄えがいいです」と彼女は言う。「ブロガーやライター達はみんな Galaxy を使っています」。

確かにサムスンは 3 年ほど前からファッション業界へと侵攻し、同社の製品をアピールするためにかなり力を入れている。サムスンはこの一ヶ月ほど、アカデミー賞ホワイトハウスでの半分意図的とみられるマーケティング活動によって自分撮り(Selfie)の話題を集めていたが、同様に New York Fashion Weekでの存在感も圧倒的だった。

リンカーン・センターに設置されたテントのロビーには Galaxy で撮影された大量のストリート・スナップが展示された。5番街にあるスワロフスキーの店舗では、スワロフスキーとのコラボレーションで作られた限定のクリスタル・カバーがショーの開催に合わせて発売された(ちなみにサムスンはリンカーン・センターに設置された VIP ラウンジのスポンサーでもある)。しかしこういった PR 活動を越えて、今回のイベントではかなりの数のエディターやバイヤーが実際に Galaxy Note を使っている光景を我々は目の当たりにした。それはサムスンが無料で配った訳ではなく(あるいはキャンペーンの一環として彼らがお金をもらって持ち歩いている訳でもなく)、自ら気に入って使っているのだ。Note のファンとして知られるブロガーやライターは少なくない。ブロンフマンが話していた Style Bubble のスージー・ロウや Bryanboy もこれに含まれている。

実は、昨年全世界での携帯電話の出荷台数でアップルを追い越したという事実にも関わらず、サムスンのセールスはそれほど順調ではなかった。ファッション業界はテクノロジー製品に関して、古風でエリート気取りなところがある。未だに Blackberry を愛用しているエディターもいるぐらいで、彼らは同社の Blackberry Bold スマートフォンの復活を喜んでいる。また Mac の信者も多く、彼らはアップルのデザイン部門シニア・ヴァイスプレジデント、バーバリーを身にまとったジョナサン・アイブを崇拝している(また、未だにテクノロジーに馴染めないエディターも多く存在する。ある雑誌の編集長などは助手の手伝いなしでは電子メールを送ったことがないと噂されているぐらいだ)。この3年間サムスンはファッション愛好家へのアピールや、イベントのスポンサー活動、ブロガーと協力したネイティブ広告などに積極的に取り組んできた。また、アレキサンダー・ワンFallon の ダナ・ローレンツ、ジョルジオ・アルマーニなどのデザイナーと限定版プロダクトにおいてコラボレーションも行っている。

「サムスンは Note を万能な商品としてではなく、ファッションデザイナーが仕事で使えるデバイスとして効果的に位置づけています。これは非常に賢いやり方で、実際うまくいっているようです」マーケティングの専門家で「Brandscaping: Unleashing the Power of Partnerships」の著者であるアンドリュー・デイビスは語っている。

確かに、ファッション業界への投資はサムスンの130億ドルにも及ぶ年間マーケティング予算からすればほんの一部に過ぎない。しかしこのファッション業界には大勢の「インフルエンサー(他の消費者に対して影響力のある人)」がいて、このポテンシャルは非常に大きい。「サムスンはインフルエンサーからの本物の支持と、人為的な宣伝の両方をうまく使い分けています」とデイビスは話している。「本物の支持をもっと得られるようにすれば、さらなる成功が見込めるでしょう」。

この著しい変化には、サムスン製品をいち早く使い始めたエヴァ・チェンの貢献が大きかった。チェンは現職である Lucky の編集長を務めるかなり前から、Galaxy Note を使い始めていた。「私は大きなスクリーンに当惑もしましたが、魅了されました」と彼女は語っている(彼女が普段使っている他の2つのデバイスはアップル製品、Macbook AirとiPadだ)。チェンは、その大きなスクリーン(現在は5.7インチ)を気に入って、現在は第三世代の Galaxy を使っている。

「Note を使い始めて最初の一年は、周りから変な目で見られました。それが PalmPilot かとよく人に聞かれたものです」と彼女は語った。「3台目になると、彼らは手にとって使い方を聞いてくるようになりました」。ジャーナリストであるチェンはスタイラスを気に入っている。「少しオタクっぽいかもしれませんが、手書きで物事を書くと忘れにくいのです」。またポップカルチャーにも熱心な彼女は、大画面でテレビ番組を見るのも大好きだ(彼女はテレビ・シリーズ全巻を自分のスマートフォンで見たことすらあるという)。

しかし、チェンがこの Note を特に便利に感じたのはファッション・ウィークのイベント期間中だ。毎日数百枚もの写真を撮影する彼女は、写真のクオリティーこそiPhoneに勝るとは思ってはいないが、「撮影後のエクスペリエンスが本当に素晴らしい」と話している。「スクリーンは非常に大きくて、編集ツールは素晴らしく、また内蔵フィルターも便利なのです」。

確かにサムスンは、New York Fashion Weekのスポンサー広告を独占することはできた。しかし、その観客席を自社のユーザーで埋めるまでの道のりはまだ長い。我々が話したファッション業界のパーソナリティの中には、一時は Galaxy を公に売り込んでいたが、その後 iPhone へと流れていった者もいた。しかし、ファッション界の争奪戦にまだ決着は着いていない。サムスンの本当の脅威は、より大きなスクリーンを持つと噂される iPhone6 の存在となるだろう。その発売は9月ごろとされているため、秋のファッションショーにはぴったりのタイミングだ。ファッション業界は今後どう動くのだろうか。

トップ画像提供:Reuters

編集者注:この記事は ReadWrite のパートナー Fashionista によって公開されたものです。

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