二つの技術会社が次の結論に達した。世界がロボットに求めているのはビールを運んでくれることではなく、テレコミュート(遠隔通信)だったと。

Suitable Technologies社は今週水曜に、別のロボット工学企業であるWillow Garageの従業員の大半を雇用すると発表した。Suitable Technologies社のロボット工学研究にはさらなる人員が投入されることになるだろう。一方で、Willow Garage社のメイン製品であるPR2ロボットの開発は基本的に終了することになりそうだ。

Suitable Technologies社とWillow Garage社はどちらもScott Hassan氏によって設立された。Suitable Technologies社はリモート・プレゼンス・ロボットの「Beam」によって名を馳せている。Beamは元々Willow Garage社の「Texai」というプロジェクトとしてスタートしたのだが、非常に有力なプロジェクトだったために別会社として独立することになったのだ。Beamの競合相手は、従業員が自宅に居ながらにして会社のイベントに「出席」するための各種ロボット製品である。

Willow Garage社の方は、高機能パーソナル・ロボットのPR2で有名だ。オープンソースのロボット技術で動作するPR2は、パンケーキをひっくり返したりビールを持ってきてくれたりする上に、バッテリー残量が少なくなったら自分で充電まで行う。

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Willow Garage社の従業員がSuitable Technologies社の傘下に入った今、PR2にはこれ以上の開発は期待できないだろう。PR2は複雑でかさばる上に40万ドルの高額商品だ。高機能ではあるが、画期的とは言い難い。

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PR2の遺産はそのハードウェアではなく、ソフトウェアにあると言えるだろう。DARPA(米国の国防高等研究計画局)がロボットコンテストの基準を決める際、参考にしたのはWillow Garage社がPR2のために開発したROS(ロボット・オペレーティング・システム)だった。PR2本体ではなかったのでる。PR2に代わって本体部分のモデルに選ばれたのはBoston Dynamics社のロボットAtlasだった。

Beamの価格は1万6000ドルであり、PR2よりも安い(2000ドルで販売されているリモート・プレゼンス・ロボットも存在することを思えば法外な値段ではあるが)。なおかつPR2は実際に使う上で大がかりなプログラムが要求される。
言い換えれば、PR2はBeamに比べてまだ製品化の準備が整っていないのだ。Hassan氏がBeamの方に注力するのも当然なのである。

会社のプレスリリースによればPR2のカスタマーサポートは継続されるようだ。しかし、Willow Garage社がPR2モデルの「残った在庫」は引き続き販売すると言っていることから、新しいモデルはもう作らないという意味に受け取れる。

Suitable Technologies社には、Beamに今後どのような革新を期待できるのかさらなる情報を求むとの問い合わせを出しておいた。

※写真提供:Suitable Technologies社

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