Pocket

We Heart It」という名前をご存知の方は少ないだろう。しかしすぐに耳にするようになるはずだ。

Pinterestのような画像共有プラットフォームとTumblrのような若者への訴求力を併せ持つ「We Heart It」は、その組み合わせの妙によって人気を集めつつある。ユーザー数は2000万人に達したが、まだまだ増えそうな勢いだ。ユーザーの平均アクセス数は一月あたり25回以上で、アクセス時の平均滞在時間は16.5分である。

ユーザーはWe Heart Itにどんな画像でも投稿することができる。風景写真や面白画像、ディズニー映画のスチール画、洋服の写真等、何でもいい。簡単な登録作業を済ませた後は、心行くまで画面をスクロールして万華鏡のように美しい画面を楽しんでもいいし、気に入った画像があればクリックして「ハート」を付け、セーブしておくことも可能だ。タグ付け機能以外で言葉を入力することはできない。ユーザーは純粋に画像でのみコミュニケーションを行うのだ。

若者の安息地

GigaOMはWe Heart Itの成功を「青天の霹靂」と表現しているが、このサイトは実は2007年から存在していた。これまでテクノロジー界の関心を引かなかったのは、ユーザーの大半がいわゆるアーリーアダプターではなく10代の少女たちだったからだ。

「我々の主なユーザー層は24歳以下であり、そのうちの70%が女性です」とWe Heart ItのCEOであるRanah Edelin氏は言っている。「私は心理学者ではありませんが、視覚的サイトにおける表現の仕方には『男は火星から、女は金星からやってきた』(※1)という考え方との類似点があると確信しています」

※1「men are from Mars women are from Venus」 John Gray著

一昔前であれば、このように女性ユーザーの人気を集めても対して注目はされなかったことだろう。Pinterestがサービスを開始した当初、テクノロジー系ブロガー達はその良さを理解せず、サイトはほとんど無視されていた。Pinterestが他のソーシャルメディアを超える存在になって初めて、今日知られているようなキープレイヤーになったのである。

関連記事:Mindboggling Facts That Will Make You Care About Pinterest

Pinterestにまつわる過ちは、We Heart Itにとってプラスに働いている。女性ユーザーはもはや「ニッチ」だと思われてはいない。技術的革命だと認識されているのだ。We Heart Itが6月下旬に最初の資金調達を行った際には、800万ドルを即座に集めることができた

We Heart ItはPinterestの若者向けバージョンというわけではない。Pinterestが願望充足の場であるとするならば、We Heart Itは自己表現の場なのだ。Pinterestが商業的であるのに比べ、We Heart Itは感覚的である。一例だが、Edelin氏は今年の初めにロンドンで起きた爆破事件に関するユーザーの投稿をコレクションした一連の画像をシェアした。ユーザーは「私は今このような気持ちです」ということを伝えるために画像を選択しているのだと彼は述べている。

weheartit7万6千件もの「ハート」を付けられた一枚の画像を見てみよう。そこには、「本当の私を知りたいなら、Facebookじゃなくて私のWe Heart Itを見てね」と書かれている。

「誰もがアーティストや写真家になれるわけではありませんが、一枚の画像が人々を感動させることもあるのです」とEdelin氏は語っている。

モバイル端末:視覚的サイト向けの媒体

今年の8月に、We Heart Itはユーザーから最もリクエストの多かった機能を追加した。個人の携帯電話から写真をサイトにアップロードできるようにしたのだ。We Heart Itのトラフィックの2/3はモバイル端末からのアクセスであり、Edelin氏曰く、これは偶然ではないという。「テキストと画像と動画の中で、モバイル端末上で最も生成されやすく、また消費されやすいのは画像なのです」とEdelin氏は言う。「100件のツイートを読むより100枚の画像を眺める方が断然早いでしょう」

実際、We Heart Itのモバイルサイトはデスクトップ用のサイトよりもはるかに洗練されている。Tumblrだと写真や画像のクレジット取得に失敗したという通知(「#weheartit is not a source」といった決まり文句でタグ付されたもの)を受け取ることがあるが、We Heart Itの画像は全て元URLにリンクを返している。モバイル版を使ってみれば明白だ。モバイル版では、すぐに画像の出所を確認することができる。デスクトップ版の場合は、クレジットを確認するために数回クリックする必要があった。

「モバイル端末は、視覚的サイトの最大のトレンドです」とEdelin氏は語っている。「世の中には50億台の携帯電話が存在し、その数は増え続けると予想されているのです」

Edelin氏は、We Heart Itは他の視覚的サイトと共存可能だと考えている。We Heart Itでユーザーが行った何らかの表現に関して、Tumblrの投稿やPinterestのピンが発生してもおかしくはない。ネットワークというものが自然発生的なものから強制出力的なものへと変化した今、これはほんの始まりに過ぎないとEdelin氏は思っているようだ。

Pocket