衝撃的にカッコいいNokia Lumia 1020のカメラ機能には心を奪われたことだろう。Moto X phoneに搭載されたGoogle Nowのクールさに圧倒されたことだろう。Samsung Galaxy S4の鮮やかな大スクリーンにもきっと感動したはずだ。

にもかかわらず、これらの製品を買ってはいないのではないだろうか?その代わりに次世代のiPhoneが発売されるのを心待ちにしているのでは?

それはきっとあなただけではない。

問題はマーケットシェアだけではない

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Androidが着実にマーケットシェアを伸ばし約80%を占めるようになったとはいえ、すぐにアップルのiPhoneに取って代わるとは限らない。Asymcoが提供するcomScoreのデータが示すように、むしろアップルはAndroidとの共通のライバルを蹴散らして、少なくとも米国では復活を果たしつつあるのだ。

もちろんこのようなマーケットシェアのデータがそのままマーケットにおける利益配分を示すわけではない。調査会社IDCによるとアップルはiPhoneで33%の利鞘を稼いでおり(サムスンの利鞘は19%)、1500億円を超える預金残高の一助となっている。とはいえ、一年前にはアップルはスマートフォン市場の71%を獲得し、サムスンはその残りに甘んじていたのだが、現在ではサムスンの利益配分がアップルを上回りそうだ

しかし、アップルファンにとっては利益配分が全てではない。何だかんだ言っても結局iPhoneからAndroidスマートフォンに乗り換えた人はほとんどいなかった。iPhoneはやはり魅力的なのだ。Androidスマートフォンはどうか?それほどではなかろう。

iPhoneは今でも上り調子

スマートフォンユーザーが移り気であればこうはならなかったかもしれない。そう、我々は移り気ではないのだ。米国では3億2600万人のワイヤレス加入者のうち、解約もしくはキャリア変更を行うユーザーは年に1900万人しかいない。AT&TやVerizonのような大手キャリアから離れる人はそのうちわずか1%に過ぎない。

アップルブランドのユーザーであればキャリア変更の可能性はさらに低くなるだろう。Retrevoの調査によれば、81%のiPhoneユーザーが次回の機種変更時にも再度iPhoneを購入する予定であり、Android端末に乗り換えようと考えているユーザーはわずか4%だという。対してAndroidユーザーの忠誠心は低く、引き続きAndroid端末の使用を予定しているのは63%に過ぎない上、12%はiPhoneに乗り換えたいと思っているようだ。

AsymcoのHorace Dediu氏曰く米国のようないわゆる”飽和”市場ではさらなる消費が見込みにくいため、AndroidとiPhoneは均衡状態であるという。

最も、これは既存のスマートフォンユーザーや市場に関する話だ。Androidが力を発揮するのはスマートフォンを初めて使用するユーザーに対してであり、特に新興市場においてはコスト面での検討が購入を左右することが多い。

つまりAndroidはスマートフォンの入門用であり、iPhoneは最終目標だと言える。

App Storeによる囲い込み

どちらのプラットフォームも、一度使い始めたら抜けるのはなかなか難しい。ユーザーはプラットフォーム固有のApp Storeに囲い込まれてしまうからだ。特に、(私のように)家族でアカウントを共有している場合はなおさらだろう。一旦App Storeから一通りのアプリを購入してしまったら、別のプラットフォームでまたそれらを買い直すという行為を正当化するのは困難だ。App Storeがアプリ開発者から売り上げの30%しか請求しないのはそれ故である。代わりにApp Storeはエンドユーザーの100%の忠誠を要求するのだ。

この囲い込みを破るのは確かに難しいが、アップルは他のプラットフォームに比べ、乗り換えの煩わしさを超えてユーザーを惹き付けているように思える。Androidは端末では優勢だが、アプリではアップルの方が数も質も上回っている。アップルのApp Storeは囲い込みにおいてもそれに続くクラウドサービスの収益においてもAndroidより勝っているのだ。

Yankee Groupが調査報告書の中で述べた通り、「アップルの『ブラックホールのような』エコシステムに取り込まれたユーザーは二度と逃れられない」のである。

死が二人を分かつまで

つまり、アップルはAndroidにマーケットシェアを奪われてもそれほどピンチではないということだ。アップルがこれまで通りスマートフォンのスターの座を維持する限り、短期的にマーケットシェアを奪われたのは今後のための準備期間であると捉えることもできよう。

スマートフォンを初めて使うユーザーに、わざわざ低価格のモデルを購入する必要はないと言いたい訳ではない。それはむしろすべきである。アップルはゆっくりと時間をかけてAndroidユーザーを掬い取っていくのだから、最初の時点でAndroidに人を集めておいた方が効率的なのである。

※写真はRanpictより

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