Google+を避けて通る道はあるのか
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誰もが予想した展開だとは思うが、先週木曜日にGoogle+はGmailとの結合を強化し、Google+ユーザなら誰でも互いにGmailを送り合えるようになった。

グーグルはどうやらGoogle+を、自社のサービスを取りまとめる接着剤のようなものだと考えているようだ。昨年、YouTubeのユーザーは動画にコメントを残すためにGoogle+のアカウントが必須となってしまった。そして最近ではGoogle+関連のリマインドメールがユーザーのGmailにバンバン送られてくる。

グーグルがこれまでは独立していた同社の各サービスを一つのパッケージにまとめようとする中、ユーザは同社の要求に対してプレッシャーを感じるようになってきている。どうやらユーザーはグーグルの戦略を歓迎してはいないようだ。

しかしグーグルも、決して強引に自社サービスの仕様を変更しようとしている訳ではない。新しいサービスを発表する際にはユーザーの反発を見越し、必ず大方の予想よりも控えめな内容にしているのだ。例えばGoogle+とGmailの連携機能はデフォルトで有効となるが、どのGoogle+ユーザーからの連絡を受け付けるかはコントロールすることが可能だ。さらに誰からも受信しないという選択肢もあり、実質的にこの機能を無効化することができる(ただし設定は自分で行う必要がある)。

グーグルの各サービスがGoogle+に集約されるにつれて、ユーザーの自由度は失われてゆく。最初は誰でも匿名でYouTubeにコメントを残すことができたのに、いつの間にかGoogle+のアカウントと紐づけられ、とうとうアカウントがなければコメントできなくなってしまった。ユーザが激怒したのも無理はないだろう。

Google+の最大の問題点

google-Minus-icon仕事でGoogle+を使う人にとっては、Gmailとの連携は便利なのかもしれない。ただしGoogle+には根本的な問題が存在する。多くのユーザが複数のアカウント持っているという点だ。私はプライベートでもGmailを使っているが、仕事で使うGmailはプライベート用とは別のGoogle+アカウントに紐づいている。

Google+はただのソーシャルネットワークではない。我々のコミュニケーション手段(電子メール)、個人的な人間関係(Google+)、メディア消費(YouTube)の全てを司るソーシャル・レイヤーなのである。

このソーシャル・レイヤーを確固たるものにするには、グーグルはオンラインの世界における自らのアイデンティティを整理する必要がありそうだ。大抵の人々はFacebook、Twitter、LinkedInといった複数のアカウントを持っており、各アカウント毎に友達や同僚、フォロワーたちとの繋がりを持っている。これら複数のアカウントが同時に成り立つのは、各サービスがそれぞれ明確なアイデンティティを持っており、ユーザーに独自のサービスを提供しているからである。

こういった様々なサービスを駆使することで、我々は互いに繋がっていられるのだ。

Facebookではソーシャルネットワーク上の誰からでもメッセージを受け取ることができるようになり、ユーザーもこの仕様を受け入れている。2012年にFacebookは全ユーザーに「@facebook」というメールアドレスを与えており、Gmailのような一般的な電子メール・システムからでもFacebookメッセージを送ることが可能になった。

Twitterも昨年似たような機能を発表している。互いにフォローしていないTwitterユーザーからもダイレクト・メッセージを受け取ることができるようになったのだ。ただ一ヶ月もしないうちにこの機能は廃止された。廃止の理由は明確にされず、ユーザーには同社の実験に関するポリシーが記載されたブログ記事へのリンクが提供されただけであった。このサービスの開始当初はスパムの増加が危惧されたものだが、少なくとも私は一ヶ月の間、信用できるTwitterユーザ以外からの怪しいメッセージを受け取ったことはなかった。

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Google+にもテキストや動画でのチャットができるサービス「Hangouts」がある。これまでもユーザー同士のやり取りは可能だったが、チャットを開始する際には相手にチャットのリクエストを送り、承諾を得る必要があった。今ではこの機能もGmailの受信トレイに統合されている。

Emailはメッセージの墓場となる

google-email昨年の5月にグーグルは受信トレイのカテゴリーを増やし、メールのスパムフィルター機能を強化した。DMやクーポン、ニュースレターといったメールはすべて新しい「プロモーション」と題するカテゴリーに集約され、受信トレイには重要なメッセージだけが届くようになっている。

また、各ソーシャルメディアから送られてくるメッセージはすべて「ソーシャル」カテゴリーに分類される。つま り、受信トレイに届けるほど重要ではないという扱いを受けるわけだ。ユーザーがこの「ソーシャル」カテゴリーに届くメールをスパムだと思ってしまう可能性も十分 に考えられる。

これらのカテゴリー機能を無効にして自分でメールの整理を行うユーザーも中にはいるのかもしれない。ただユーザーの元には、何年も前に登録したニュースレータから送られてくる、ダウンロードしたことすら覚えていないようなアプリに関するスパムまがいのメールが大量に送られてくるのだ。Google+の仕様変更を伝えるメッセージもこうしたスパムメールに紛れてしまい、ユーザーに読まれない可能性は大きい。

今のところグーグルは、Gmailの機能をコントロールする自由を我々ユーザーに与えてくれている。しかしYouTubeの例からも分かるように、この自由はいつ奪われるか分からないのだ。Google+を避けて通ることは日増しに難しくなっている。

画像提供
トップ画像:meneame comunicacions(Flickrより), CC 2.0;
Google−(マイナス)画像:Madeleine Weiss

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