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センサーやウェアラブル、VRなどといったIoTテクノロジーは、空港の将来にとって大きな役割を担おうとしており、世界中の空港の1/4近くがすでにそうした動きを始めている。

旅行者の多くは、ゆっくりながら進歩を続けるテクノロジーの影響に慣れ親しんでいる。電子チェックインのおかげでカウンター前に行列を作る必要がなくなった。また、乗客がチェックポイントを通る際はTSAによりボディスキャナーやその他のテクノロジーが使われるようになった。

ゲートに到着すればスマートフォンを使って飛行機の状況をリアルタイムで知ることができる。旅慣れた人ならこれらを使って機内の席まで、10年前の何分の1かの時間でたどり着けるようにもなった。

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その一方、空港自体については少々事情が異なってくる。人で混み合い、忙しく行き交う人の流れはスムーズにいっていたかと思うと、次の瞬間には詰まったりする。旅行カバンの行き先間違いや紛失が発生することもあり、迷路のような建物の中で行き先を見つけるのはあらゆる点でややこしいままだ。

そこで、IoTセンサーなどを空港内の要所に配置することで便利さが生まれてくる。通行量や荷物の場所をさまざまな地点で計測するセンサー、そしてバイオメトリクス認証やスタッフ用のウェアラブルにセキュリティ機能などを導入することによって、スタッフや旅行者の効率を上げ体験価値の向上が図れる。

航空業界の組合であるSITAによる最新の調査で、IoTテクノロジーが未来の空港において果たす役割に光が当てられた。

その調査では、すでに1/3近くの空港で主要なところにセンサーを導入しており、IoTの恩恵を受けていることがわかった。向こう3年で、この割合は43%になると予測されている。

センサーはIoTの中核を担うものだ。通行のフローや混雑、パフォーマンスをトラッキングすることにより、貴重な知見をもたらしてくれる。以下は、世界中225の空港が3年のうちにセンサーの導入を考えている場所の大まかな内訳だ。

66% — セキュリティチェックポイント
61% — 荷物を預けるところ
60% — 売店
54% — 搭乗口
52% — 手荷物受取所

これらセンサーにより空港を管理する側は改善が必要なところについてリアルタイムで知ることが可能だ。それがチェックインカウンターの増員なのか、チェックポイントの回転率の向上なのか、データがもたらす知見は空港のあらゆることの速度を間違いなく上げるだろう。

センサーだけがすべてではない

空港での応用が進められているIoT技術は、「センサー」だけではない。たとえば、目的のゲートまで案内してくれるなど、スマートフォンアプリを活用することで、旅行者はより快適に空港を利用することができるようになる。回答者の71%は、ナビゲーション(屋内測位技術)の導入に向けて動いているという。

旅行者(36%)およびスタッフ(41%)向けのウェアラブルデバイスの導入も「IoT技術導入リスト」の上位に上がっている。これらウェアラブルにより、スタッフが内部者限定の区画へより早くたどり着き、周りのセンサーが集めたデータに基づく判断をおこなえるようになる。

VRサービス(41%)およびAI(33%)もリストに登っている。スタッフにとって、AIはリアルタイムで集められたデータの迅速な分析を可能にするだけでなく、旅行者により正確な発着時間を知らせ、空港の場所やサービスで滞りそうなところも予測してくれる。

もちろん、IoTがあらゆることすべてを解決するわけではないだろう。飛行機旅行は、いまだ多くの旅行者にとって負担をさまざまな形で提供し続けている。だが、今現在もどこかで進歩を続けている技術を世界中の空港が導入することで、日本以外でもより快適な旅行を楽しむことができるようになるだろう。

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