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ゲスト執筆者のスコット・アミックスはウェアラブルデバイスとモノのインターネット(IoT)の戦略立案及びそれを実行するエージェンシー、Amyx+McKinseyの設立者してCEOである。

テクノロジー業界は既に挑戦することは珍しい事では無くなっているが、IoTによってもたらされるデータは業界に新しいレベルの変化をもたらす – スフォルツァンド

先月催されたIBMのInsightカンファレンスで、IBM Analyticsの上級副社長ボブ・ピッカーノは「コグニティブなビジネス」が高まりを見せており、企業はアナリティクスを活用することで顧客とのリレーションシップ、ビジネスプロセス、
そして意思決定の改善を図れるという点について語った。

IoTがどれほど普遍的なものになるかについて様々な予想があるが、市場は2020年までに500-750億台のコネクテッドデバイスが存在するようになる、というのが多くの見方であり、ハードウェアの開発・製造において多くの挑戦が課せられる事が予測されている。

ソフトウェアエンジニアたちにとっても同様で、押し寄せるデータをよりよく活用するためのプログラムの作りなおし対応を迫られることになるだろうし、イノベーター達はアナリティクスがもたらす変化と格闘しなければならなくなる。

こういった変化の波が押し寄せる中、IBMのInsightイベントは開催された。そして一連のプレゼンテータ達の意見はある一点に集約した。それはアナリティクスは全ての人たちのものであり、同時にあなたが市場で生き残れるかどうかを左右するものだということだ。

以下の6つは今年のカンファレンスで得られた点だ。

設計のやり方が変わってくる

イタレーション、テスト、そしてそれを繰り返すというのは、問題を解く古い方法だ。無くなることはないだろうが、今後これは大量のデータを利用することで補われるようになる。様々な情報源から集められたデータの集合は、デバイスの試作・製造からIT部門のセキュリティ対策に至るまであらゆるものの基礎を形成する。

データがデータを連れてくる

例えば表は雪が降ってるとして、顧客が新しい映画を観ようとしてる時、わざわざ映画館に足を運ばせずにストリーミングで見られるものを紹介した方が良くはないだろうか? 新しく得られた情報によって既存の情報が紹介されるというわけだ。

企業達が(政府やソーシャル、メディアなどから自由に得られるものも含めて)手持ちのデータをシェアし、その時々のニーズや相関、トレンドを捉えようとする動きはますます広がっているInsightイベントでIBMはThe Weather Company、そしてTwitterと、より総合的に顧客を理解するための協定を結び、また近日中にThe Weather Companyのデジタル資産(TWCが持つITプラットフォームとそのビジネス)を買収すると発表した。

人工知能とのやり取りを通じて個人情報が活用される

最も貴重なデータは往々にして自分の頭の中だけに留めておかれるものだ。人工知能の対話的機能の向上により、顧客・従業員・住民などからそういったデータを引き出す主要な方法が検証される事になるだろう。InsiteイベントでIBMはWatsonを披露したが、他の多くの企業も幅広い問題に取り組むための人工知能の開発に躍起になっている。メッセージアプリを通じて様々なリクエストに反応するFBのMなどはいい例だ。自然言語技術は人工知能にとって、人が話す言葉を理解しまともな応答を返すための肝要なテクノロジーだ。

「壊れた後の修理」から「壊れる前の修理」へ

IoTでのデバイスやセンサーは、家電や家屋の危機的状態に問題になる前に警告することが出来る。Whirlpoolのローラン・ボーンは家電にIoTセンサーが搭載されることで顧客満足度は大きく変わると述べる。ホースに水漏れがあれば即座にメッセージが飛び、家が水浸しになる前に問題を解決するよう呼びかけると言った具合だ。

冷蔵庫から取り出した牛乳パックが空だったことは無いだろうか?IoTセンサーを使えば残量が減ってきたら自動的に再発注をかけることが出来るため、この様なミスも過去のものになる。

日々の問題解決のための莫大な処理能力が得られる

ENIAC(Electronic Numerical Integrator and Computerの略だ)の事を覚えているだろうか? 1940年に登場したこの機械は正確に弾道計算表(Firing Table)を算出する人の負担を軽減するために作られたものだった。

いつの時代でも最先端のシステムは難問を解決するために使われ、それへのアクセスは限られてきたが、そういう時代は終わった。Go MomentのCEO ラージ・シンは、今では2000万人以上に使われているアプリ、Ivyを紹介した。Ivyは顧客がどこにいようとも早急に望むものを提供するバーチャルコンシェルジュサービスアプリであり、Watsonの自然言語APIを活用している。

コグニティブシステムが”ダークデータ”に光を当てる

企業が膨大なデータを入手し、それを活用する機会に恵まれることはよくある事だが、それが形にならない事には様々な理由がある。まずそういったデータは管理もされないままでいる。例えば企業がコールセンターのログや営業メールを何年も日の目を見ない状態で放置しているような状態だ。これがいわゆる”ダークデータ”と言われるもので、データはその活用の機会を得ないというだけではなく、その内容によっては不利益すらもたらす。コグニティブシステムが開発されることによって、これらのデータは拾い上げられ、役立てられていく。

2015年のIBM Insightカンファレンスは、データの活用・管理の最も重要なトレンドに大きな波紋を投げかけた。またこれは開発者やエンジニア、技術における先駆者達に対する始まりの合図だ。IoTがアナリティクス、ハードウェアデザインに変革を迫っている中、ソフトウェア開発には革新的なアプローチが求められている。そしてマネジメント層たちは、データがもつ最大の価値を形にするため、より俊敏な対応が求められる。

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