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優先するのは機能かデザインか?

2015.12.1 16:47 | Scott Sundvor | ReadWrite Japan編集部

製品のデザインは機能のためにあるべきだ。製品のデザインの評価は顧客がそれを使ってどう感じるかによる。製品の外観もさることながら、それらの評価の多くは以下に製品が便利で、スムーズなエクスペリエンスを提供できるかに依存する。

工業的デザインにおいて、どのような考え方が優れているかという議論はこれまで多く繰り広げられてきた。あなたはまずデザインありきで、それに適合するようにエンジニアリングを行うだろうか。それとも機能的な部分を先に作り、それに適合するようにデザインを行うだろうか?

デザイン第一という考え方

この考え方の古典的な例はアップルだ。アップルがデザインを重視していることはよく知られており、デザイン部門が開発要件を大きく左右するという話は数多くある。その結果ゴージャスな製品が生まれ、アップルは(ほぼ独力で)優れたデザインを好む消費者を多く生み出した。

この考えと逆を行くのが機能第一の考え方であり、製品はまず機能ありきで開発されるべきで、デザインはそれからだというものだ。エンジニアリング部門はデザイン部門がサイズや形、その他の制約と格闘しなければならないブラックボックスを作り出す。

大きな資金を持たない企業の場合、機能ありきの考え方の方が成功する確率は高い。製品の利便性がその理由だ。どのようなデザインであれ、第一の目的は利便性であり、使いやすく機能的でスムーズな製品を作ることだ。もし世界一美しい製品をつくったとしてもそれが使い物にならないのであれば誰も買いはしない。

例を挙げるとすると最初のJamboxだろう。当時もっとも美しく滑らかなデザインのBluetoothスピーカーだった。しかしハウジングが金属製だったためBluetoothのシグナルが通らず、結局は携帯をスピーカーのすぐそばに置かないと使えないものだった。

ハードウェアのスタートアップ企業はデザイン重視に走り、Kickstarterで大量にモノを売る。そして1-3年後にはかつて売っていたものとは似ても似つかないものを出荷している事がある。多くの場合これはハードやエンジニアリングの部分がきちんとしないままにデザインが出来てしまったことが原因だ。またもともとのアイデアではコストがかかりすぎるためにデザインが変更になることもある。アップルがやっているようにスタートアップ企業が製品を作れるわけではない。

しかしこのような問題は、まず使い物になる製品を作ったうえでデザインを決定することで回避できる。機能とデザインとの健康的なバランスを保つことがキーポイントになる。優れたデザイン会社はエンジニアのブラックボックスについて何か意見を述べ、製品を良くするために彼らが調整できることは無いかを考える。

またよくできたエンジニア部門はデザイン会社が考える理想的な製品のビジョンを受け入れ、それにまつわる制約や製造上の限界、コストといった情報を提供し、最終的に素晴らしい製品ができるまでバランスを取り続ける事を続けるべきだ。

基本的なことの共有

デザイン会社と仕事を進める前に、まずどのような製品にするかについてのビジョンを内部で共有することは大事なことだ。まず自分たち自身で「製品をいい表す3つの言葉とは何だろう」といった問いを立てることができる。(エレガント、魔法のような、なめらかなといった言葉とエネルギッシュ、丈夫、実用的などの言葉では出来上がるデザインは大きく異なってくるだろう) あるいは「ものすごい自動車があるとしたらそれはどのようなものだろう?」といった問いもあり得る。(Tesla ModelS、Audi A4、Subal Imprezaではデザイン部門の判断は大きく変わる)

チームがどのように判断を下すのか、最終判断を下すのは誰なのかを決めておくことも大事だ。デザインをみんなで決めるやり方は機能しない。みんなの意見を取り入れ、ユーザーの観点と製造上の制約を考え、チームに信頼された誰かがデザインの責任を持たなければならない。

適切なデザインを適切な会社と考える

適切なデザイン会社を見つけることは困難な事かもしれない。繰り返しになるが、これも特定の製品やチームにとって適切なものとは何かを選ぶ作業だ。あるデザイン会社は非常にリサーチに力をおき、ユーザーへの聞き取りに何週間も費やし、顧客やマーケットの要求についてのドキュメントを作成し、ユーザーが欲しているものは何かということをきちんと理解する。また別のデザイン会社の場合、ユーザーへのリサーチは行うものの、彼らは結局の所、ユーザー自身が本当に欲しい物がなにか分かっていないという観点から、それを教えてやろうとする(ヘンリー・フォードが言った「もし人々に何が欲しいか尋ねたら、彼らは早い馬が欲しいと答えるだろう」というような考え方だ)。これらは両極端な例だが、その中間に位置づけられるデザイン企業も存在する。自分の会社にとってどれと手を組むかを決めるのはマネジメント次第だ。

候補となるデザイン会社のリストが出揃ったら、彼らを口説き落とさなければならない。一流のデザイン会社と契約するのは、投資者に対してアピールするのと似ている。彼らに自分たちのビジョンを売り込ま無ければならない。また製品を市場で売っていくのだから、それを現実のものに出来ると信じさせなければならない。彼らの時間や人員は限られているのだから、手がける製品が市場で勝ち組になり、自分たちのブランドの為にもなる事を望んでいるわけだ。

デザインのための予算

投資を募る初期段階において、投資家たちが製品の最終的なビジョンはどのようなものかを知りたがることは多い。その為の手段として、見た目のいい「こうなる予定のもの」(機能こそしないが外観としては正確なプロトタイプ)を提示するのは最もいい方法だ。そのプロトタイプを作るのにデザイン料で25,000〜100,000ドル、さらに製作料で2,000〜10,000ドルほどはかかるだろう。

優れたデザインは高く付く。スタートアップ企業は大事な過程での出費に備えなければならない。デザインはその大事な過程だ。デザイン会社との契約を通じてコンセプトづくりから製造での外見チェックまで行う場合、200,000〜500,000ドル位はかかる。

そこで資金を節約するためにスタートアップ企業が取れるある方法がある。エクイティだ。料金の何%かをエクイティで受け取ることを承諾するデザイン会社やデザイナーは多い。そうでない業者もいるが、別に聞いて悪いことではない。またエクイティにはインセンティブを生むという利点もある。契約デザイナー会社が出資者でもある場合、彼らはあなたの会社や製品を成功に導こうと、より頑張ることになる。

結局の所、機能とデザインのどちらをありきで考えるかはあなた次第だ。だが以上のことから、製品を見た目がいいだけでなく、使いやすく機能的なものにすることは可能だ。

画像提供:Neptune

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