iPhone 5Cが消えれば新興市場はFirefox OSとAndroidの一騎打ちに

モバイル市場が面白いことになってきた。モバイルの市場と利益は何年もアップルに支配されてきたが、最近はグーグルのAndroidが一層激しくアップルのマーケット・シェアと利益を食い荒らしている。

この混乱のなかでほとんどその存在を忘れられているのが、Mozillaのブラウザ主体のモバイルOS、Firefox OSである。実は最近、この製品が地道な利益をあげ続けている。利益率の低いマーケットに本気で参戦する気がアップルにないのだとすれば、FirefoxとAndroidの二者がモバイル・コンピューティングの未来を巡って激しい争いを繰り広げることになるだろう。

アップルはモバイルの未来を放棄するつもりなのだろうか?

モバイル界はスマートフォンの出現によって大きな変革を遂げた。しかしそれは、富裕な西欧諸国に限った話だ。世界中の至る所では未だに伝統的な携帯電話が主流となっている。だが調査会社NPDが示すように、この状況は変わりつつあるのだ。

Smart vs Feature

今後数年間におけるスマートフォン採用率の増加は、その大半が北アメリカや西ヨーロッパからもたらされるものではないだろう。それらは、フィーチャー・フォンがスマートフォンに置き換わっていく新興市場において起こるはずである。

この市場にアップルは存在しない。これはアップル自身の決断によるものだ。同社のCEOであるティム・クックは、Businessweekで次のように語っている。「市場には『二流』という大きな領域がつきものだ。我々はこういった二流のビジネスに関わる気はない。」クックは、Androidとその他がロー・エンドなスマートフォンの世界で支配権を争っている間に、残りのリッチな市場を独占できると信じているのである。

事はそう簡単には運ばないだろう。アップルにはおそらくそれほど選択の余地はないはずだ。

最近になってアップルは「美しく、堂々としたプラスチック」のiPhone 5Cで、ロー・エンドの分野に着手した。 しかし新興市場の消費者はまだ手が届かず、裕福な西欧の消費者は興味を示さなかった。結果はMixpanelのデータが示す通りである。

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ご覧の通り、iPhone5Sの売上はiPhone5Cの3倍である。これはアップルが高級層以外の市場で競争力を発揮するのが難しいことを示している。高級層は利益率は非常に高いが、それほど大きな市場ではない。それを維持することも恐らくは難しいだろう。アップルはロー・エンドのデバイスによって利益を妨害され、「二流」と呼んだ市場に対抗するために利益率の低い製品をリリースせざるを得なくなったのだから。

新興市場の事情

「二流」市場の利益率は決して高くない。 しかしFidelity Investmentsが指摘したように、世界の人口の約85%は新興市場に属しており、彼らは世界のGDP成長率のほぼ四分の三を担っている。国際通貨基金の記録を見ると、新興市場はスタートの規模が小さいので既存の市場と比べて成長速度も速い。

一方で調査会社のOvumによると、2012年に9億6800万ドルだったモバイル・サービスの売上高は、2018年までに1兆1000億ドルにまで膨れ上がると予想されている。しかし2018年になるとグローバルサービス部門の売上はモバイル工業史上初めて縮小に転じ、2017年に比べて1%(78億ドル)減少する。そのため、モバイル通信企業はサービス、関税、ビジネスモデル、ネットワークオペレーション、そしてパートナーシップにおけるイノベーションを推進する道を模索するため奔走することになるのだ。

このようなイノベーションは、通信企業各社に新興市場から現金を絞り出す新たな方法を示すと同時に、競争が激化する既存の市場への道を切り開くことにも繋がるだろう。

Firefox OSは順調に発展しているか?

Androidはまだこの分野でのリードを保っているかもしれないが、Firefox OSもかなりの影響力を持ち始めている。 IDCのアナリスト、ジョン・ジャクソンは次のように書いている

Firefox OSが展開しつつある新しい市場の多くは非常に大きな可能性を持っており、ウェブ・エコシステムの利益に貢献している。この発展は、プラットフォームに対するオペレーターたちの戦略的なコミットメントと、それに伴う消費者獲得の成功を物語っている。これはFirefox OSの拡大が次のフェーズに移ったことを意味しており、他の野心的なスマートフォン・プラットフォームがこの競争の激しい市場で地位と規模と継続性を獲得するには、引き続き苦労を強いられることになるだろう。

(Firefox OSの)プラットフォームは、消費者に与える価値と手頃な価格の間でバランスを保ち続けるため、自身がターゲットとする市場に最適化された新機能を追加し続けている。また、こちらの方がより重要かもしれないが、Firefox OSは新しいアプリやコンテンツのパートナーシップも誘致し続けている。これらはプラットフォームにとって生命線のようなものであり、さらなる消費者の獲得を促し、Web周りの開発者コミュニティのイノベーションにも拍車をかけることになるだろう。

あるいは、ReadWriteが以前仮定したように、「Firefox OSは今のところまだ全世界のマーケット・シェアにはほとんど影響を与えていない。しかしTelefónicaやDeutsche Telekomが投資を続けているということは、このモバイル・プラットフォームが確実に何がしかの成功を収めていることを意味する」のだろう。

今後どれほど成功の余地が残されているのかは分からない。Firefox OSはその品質とは関係なく、「確実な成功」と呼べるものとはほど遠いからだ。だが、最終的にモバイル・テクノロジーの未来において最も重要になるかもしれない市場において、Androidの競合となる製品が現れたのは歓迎すべきことである。

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