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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、アップルの「驚くべき成長の原動力」が、さほど目立たない(どうやらポストPC時代の到来を遅らせている)Macにあると断言した。Macが成長の原動力であることは確かだが、それは別段驚く事ではない。

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驚くのはiPadが、それほど需要が高くはないにも関わらず、これほども長い間クパティーノ(アップル本社所在地)にある会社の収入源第2位に留まっていることだ。そして、Macの陰に隠れてしまっているこのiPadの現状は、Apple Watchにとっての警告かもしれないのだ。

iPadなんて必要なのか?

iPadの最大の問題点は、得意とする事が何も無い、ということだ。iPadでしたいと思う事は、ほとんどMacかiPhoneで簡単にできるのだ。ハイキングにiPadを抱えていって写真を撮る人や、携帯型キーボードでブログを投稿している人々を見た事があるので、iPadが便利だと考える人もいる事はわかる。

だが待ってほしい。そういった事は、アップルの他のハードでもっと上手くできる。WSJのクリストファー・ミムズは、この想いをこう表現している。

「私たちはタブレットが実は『3Gを欠いた電話』でしかないと、心の奥底で密かに知っている」

旅行中の読書にiPadを使ってみた(実は2つ所有している)が、Kindle Paperwhiteには遠く及ばなかった。 結局、私のiPadが活躍するのは週に一度だけ、それも、よりによって教会に行く時だけだ(聖書を読んでいるフリをしてアーセナルの結果をチェックするのに最適なのだ)。

これは私だけに限った事ではない。IDCによると、タブレットの市場需要は減速していて、アップルが一番打撃を受けている。消費者がタブレットを購入する理由をあれこれ考えるとき、コストパフォーマンスがブランド信仰を上回り、アップルのプレミアム販売戦略にダメージを与えるのだ。

一方でMacは…

他のアップル製品はそのようなリスクをはらんでいない。少なくとも、今現在入手可能な製品は。

タブレットがいくらデスクトップやラップトップに取って代わると脅かしてみても、まだその地位に傷一つつけてはいないのだ。実用性がその理由だ。WSJは、Windows PCが低迷する時代にも関わらず、Macが安定して成長を続ける理由をいくつか指摘している。

Macの過去8年に渡る安定的成長にはいくつかの要因があります。iPhoneやiPadといった人気のあるアップル製品が与えるハロー効果、Mac OSアップデートを無償化する決断、自社小売店鋪の高い可視性、それにMacBook Airのような革新的デザインを自社既存製品と比べて安価で発売した事、などです。

そうこうしている間に、携帯電話は本当にタブレットの地位を脅かすまでになった。クリストファー・ミムズは、スマートフォンに置き代わった事を長いリストに列挙した。私のKindle Paperwhiteは本物の本の代わりになり得たが、タブレットの方が良かった事と言えばそれだけだ。そしてそれは読書専用のタブレットであって、iPadのようにアプリをふんだんに取り入れるアプローチは取っていない。

そして、あのApple Watchについて

そこで、もうすぐ発売されるApple Watchについてだ。タブレットと同様、Apple Watchは「必須」アイテムではなく「持っていてもいい」アイテムになってしまうリスクを持つ。GPSが付加されさえすれば、運動中のiPod/iPhone(音楽用)やGarmin(GPS/心拍計)の素晴らしい代替品になると予想できるが、それはアップルにとって充分な大きさを持つ市場だろうか?

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結局のところ、エクササイズ管理で移動距離やカロリーを全て記録したいと思う人々というのは多くはないのだ。Apple TVの市場よりは確実に大きいだろうが、iPhone並みの売上を1、2年以上維持できるとは思えない。やがて熱狂は冷め、人々はiPhoneがあれば時刻がわかるという理由で腕時計を捨てた時の事を思い出すだろう。

アップルのiPhoneは電話の概念に革命を起こした。コミュニケーションの取り方、旅行中の道案内、レストランの予約方法などを変えてしまった。Macはこの30年間、つまらないPC体験以外には革新を起こしてはいない。

iPadともうすぐ発売のApple Watchが、アップルの口座にお金をつぎ込みたくなるほど、生活に必須となれるかどうか、今のところ不明である。

トップ画像提供:Apple

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