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現在、アップルの「iWatch」―名前がどうなるかはともかくまもなく登場するスマートウォッチ・デバイス―は、皆をあっと言わせるようなかなりの出来栄えに仕上がっているらしい。アップルがそれを意図しているかどうかは別として、このデバイスに関する周囲の期待や噂も最高潮に達している状態だ。

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最新の情報がニューヨークタイムズのリポーター、ニック・ビルトンによって報告された。それによると、長く噂されていたアップルのウェアラブル・デバイスはいよいよ来週火曜日に披露されるという。ビルトンはさらに、匿名のアップルのデザイナーの語ったニュースとして、アップルのデザイン主任であるジョニー・アイブがこの新しいデバイスがいかにクールであるかについて「自信満々」に話していると伝えている。

アイブは、(このデバイスの登場によって)スイスは問題を抱えることになるだろう、と陽気に語っているという。アップル製の時計が発売されることで、時計作りが有名なスイスは困ってしまうだろうという意味だが、この彼の強気な『問題を抱える』という言葉の選択に、彼の自信のほどがうかがえる。

「サー」ジョナサンにとって、沈着冷静な中立国スイスに対するこの発言は何か大きな意味があるのだろうか?過去にスイスの連邦鉄道とのちょっとしたいさかいがあったことは確かだが、これとは無関係だろう。スイス連邦鉄道は2年ほど前、同社の1940年代の鉄道時計のデザインをアップルがiPadのアイコンにおいて盗用したと訴え、これによって結局アップルは2100万ドルを支払うことになったと報じられている。

いずれにせよ、アイブの発言を立ち聞きしたと主張する匿名の情報を引用したこのニュースレポートだけでは、アップルのデザイナーがスイスが大きな打撃を受けると本当に思っているという証拠にはならない。しかしこのアイブの発言が事実であるなら、アップルは彼の感傷を慰めるためにもこの商品をリリースしたほうがいいかもしれない。彼はいまのところ、iOS 7のデザイン・リニューアルでは画面遷移のズームアニメーションが一部のユーザーに「酔う」と不評であったりと、必ずしも華々しいデビューを飾ったと言える状態ではないからだ。

一方で、もちろん、アップルはスイスをしっかりと評価しているようだ。例えば、アップルはスイスの高級時計タグ・ホイヤーの役員を先月採用している。恐らく彼はスマートウォッチの流行を軽蔑しない、スイスにおいてはレアな時計制作者の一人だったのだろう。

iWatch
iWatch concept

iWatchが来週登場すれば、アップルは今年6月に開催された同社のWorldwide Developer Conference(WWDC)のタイミングでこのデバイスを投入していたよりも、より混雑したスマートウォッチ市場に参入することになる。

あれ以来、グーグルはAndroid Wearと呼ばれる新しいウェアラブル・プラットフォームを発表し、丸いLGの時計LG GやサムスンのGear Live、Gear S、Moto 360、カラーバリエーション豊富なPebble、Sony Smartwatch 3など、数多くのスマートウォッチが次々と発表されている。これらはまだ主要なハイテク企業によるものだけであり、Meta M1やBurg 16A、アナログ時計ブランドのSwatchのような、あまり知られていない企業のものも含めると膨大な数のライバルがひしめいている状態だ。

これらライバル達はいまのところ、発生期の市場の足がかり以上のものをどれも獲得できていない。アップルは明らかに彼らの新商品によって多くの注目を集めようとしており、それが成功することもほとんど間違いないだろう。

しかし、アップルにとっても相当な賭けであることは確かだ。このスマートウォッチが成功しなかった場合、誰にそれが可能なのかは現時点では全く分からない状態だ。

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