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世界の製造業におけるロボットの使用状況は、2009年以来一定の上昇を見せている、とマサチューセッツ工科大(MIT)のテクノロジー・レビューは報告している。

World Roboticsや合衆国労働統計局、それにOECDのデータから、MITはロボット購入費用が毎年増加していることを発見した。しかし、それらの数字をよく見ると、ロボットが直接人間の雇用を奪っているわけではないということが分かる。

ヨーロッパ(ドイツを除く)では、ロボットの使用数が上昇し、人間の雇用が減っている。しかしアメリカとドイツ、韓国では、ロボット使用数と人間の雇用、両方が上昇している。これはロボットが人間の職を奪っているというよりは、ドイツ車、アメリカ車、韓国車の需要が高まっているという証拠である。結局のところ、MITの調査が示すものは、自動車産業が他の産業分野よりもロボットを取り入れている、ということなのだ。

わかりにくいかもしれないが、1つの理論がある。経済が悪化して売上が落ちると、ロボットによる効率上昇によって自動車産業は生き延びることができる。経済が好転して売上が上昇すると、ロボットと人間両方の数が増えて需要に応える。ロボットにはメンテナンスと人間による監督が必要だからだ。ロボットを増やすということは、すなわち好況時に人間の雇用をも増やすということなのだ。

シンシア・ブリジール、元MIT Media Labの研究者でパーソナル・ロボット・アシスタントであるJiboの製作者は、ロボットが人間の仕事を奪うというのは時代遅れな考えだと言う。

「昔から、ロボットが人間の代わりになって仕事を奪おうとしている、というお決まりの反応がありました。でもそれは現実に起きることとは違うのです」と彼女は言う。「新技術を手にするロボットは、人間がやりたがらない仕事を引き受け、新たな仕事を作り出すのです。そのおかげで人間はもっと興味深い仕事に取り組むことができるのです」。

ブリジールは、いかにロボットが人間の雇用を変化させていくかについて述べた学術書、「Race Against the Machine(機械との競争)」を引用した。我々は、ロボットを魂の無い簒奪者としてではなく、人間が人間のより良い生活と、そして仕事のためにデザインしたツールとして見るべきだ、と。

私はこの正しい認識に基づく新しい哲学を広める必要があると思う。ロボットは人間がすることを補足してくれる。彼らは我々を支え、創造力のある人間が、より興味とやりがいを見いだせる仕事をすることを可能にしてくれる。そして人間は、ロボットができないことをする。これこそがチームワークなのだ。

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