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アップルによる年に一度のWorldwide Developer Conference(WWDC)も終わって少し時間が経った今頃になると、その熱気と興奮が収まり、今回の発表に関して期待外れだったという声も聞こえるようになる。

確かに今年のカンファレンスでアップルは、開発者と消費者の両方にとって喜ばしい、新しい機能やサービスを大量に披露してくれた。iOS 8には4,000を超える新しいAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が用意され、「Yosemite」と名付けられたMac OS Xの新バージョンでは、クールで面白そうな新機能が多く搭載されている。また同社は初めて独自開発のプログラミング言語「Swift」をiOS 8開発者用にリリースした。今年後半に予想されるiPhone 6の発売に向け、アプリ開発者にとってはこれから忙しい夏となるだろう。

しかしアップルの発表となると、我々の期待もどうしても大きく膨らんでしまう。ここでは何人かの専門家や消費者、開発者たちの期待にも関わらず、今年のカンファレンスで発表に至らなかった7つの噂を紹介しよう。

1. iWatchなどのウェアラブル端末とフレームワーク

アップルからのiWatch発売については、2年近くも噂されてきた。ライバル達が最近ウェアラブル・テクノロジーに大きく投資しているのを見れば、さすがにアップルもウェアラブル端末に向けた開発キットやフレームワークを用意してもおかしくはない。しかしWWDCの基調講演では、新しいハードウェアの発表どころかアップル社員は皆一度も「ウォッチ」という言葉すら口にしなかった。

だが今回のカンファレンスでアップルは、将来スマートウォッチを利用するための土台を用意した。新しいHealthアプリとHealthKitフレームワークは、今年後半発売される(かもしれない)iWatch用のフィットネス関連のアプリ開発を簡単にしてくれるはずだ。

2. 新型MacとMacBook

アップルがWWDCの場で新しいハードウェアを発表することは過去にもあった。去年はMac ProとMacBookの最新バージョンが発表されている。しかし今年のWWDC 2014ではハードウェアの発表は全くなく、あくまでiOS 8とMac OSX Yosemiteに焦点が当てられた。

現時点で、アップルがどのタイミングでPCのラインアップを更新するかを予測するのは難しい。iPadやiPhoneの発表と同時に行う可能性も考えられるが、ある時点で簡単なプレスリリースと共に突然発表される可能性もありそうだ。

3. Mapsの新機能

多くの人々が、アップルはiOS 8で自社の地図アプリを大きく改良しリリースすると予測していた。しかし今回のカンファレンスでMapsアプリについて言及されることはほとんどなかった。WWDC 2014で唯一紹介されたのは、中国向けに新しいベクトル地図がリリースされ、いくつか中国関連の地図機能が追加されたことぐらいだ。

振り返ってみると、アップルは今年リリースされたiOS7.1でMapsに機能を追加して大幅に改良を加えているため、今回のWWDCでMaps関連の発表がなかったのは当然なのかもしれない(しかし、Mapsにはまだ公共交通機関の乗り換え機能が搭載されていない)。

4. iBeacon

今年のWWDCに関する有力な噂の一つにiBeaconの存在があった。iBeaconは昨年発表されたアップルの近接センサーで、小売店舗のような場所におけるロケーション・ベースのサービスの新たな利用に期待が集まっている。

しかしアップルは、WWDCの基調講演で一度もiBeaconを取り上げていない。

もちろん、これはアップルがiBeaconプロジェクトを見離したということにはならないし、今週のWWDCのセッションで開発者達がiBeaconに関する開発に取り組まないわけでもない。今わかっていることは、ただ今年アップルはiBeaconのサポートに関して何も発表しなかったということだけだ。

5. iTunes、Beats、音楽

アップルの上級副社長クレイグ・フェデリギは、今年のWWDCの主役だったともいえる。彼は全ての新機能(新しいプログラミング言語「Swift」を除く)を発表し、自らそれらを披露した。Mac OSXとiOSで音声通話をシェアできる機能を実演する際には、彼が檀上からDr. Dreに電話をかけるパフォーマンスがあったほどだ。ただ、Dr. Dreとの多少無愛想なこの会話以外、今年のWWDC基調講演に音楽関連の発表は見当たらなかった。

基調講演中、Beatsに関するニュースは何もなく、iTunesやその他の音楽関連の新機能はiOS 8とMac OS X Yosemiteのどちらにも紹介されていない。つい先週アップルの幹部が「音楽は死にかけている」と話しただけに、少し驚きである。

6. Apple TV

アップルのイベントで、同社のセットトップ・ボックスApple TVはこれまで大きく取り上げられたことがない。コンテンツのダウンロード数はめったに公表されず、そのソフトウェアの更新もあまり頻繁には行われない。

今年こそは違うかもしれないと期待されていた。なぜならアップルはこのデバイスに力を入れており、ウェブサイトでも以前より目立って紹介されているからだ。だがWWDC 2014でのApple TVの存在は皆無だった。しかし、いつの日か、ひょっとすると今年の年末商戦近くに、お目にかかれるかもしれない。

7. iPadのデュアル・スクリーン対応

この数年に渡ってiPad関連で最も議論されている問題の1つは、2つのアプリケーションを同時に使うことが困難だということだ。サムスンは同社の大きなタブレットやスマートフォン向けにデュアル・スクリーンのアプリ・サポートとアプリ切り替えの機能を提供している。マイクロソフトは1つのスクリーンで複数のアプリを利用できることを、Windows 8における中枢的な機能として大きく取り上げている。

噂では、今回のWWDCでアップルもこのデュアル・スクリーン対応を発表するだろうとされていた。しかし、同社は恐らくこの機能を開発していると思われるが、まだ準備が整っていなかったのだろう。

皆さんは今年のWWDC 2014で何を期待していただろうか?

トップ画像提供:z287marc(Flickrより), CC 2.0

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