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連邦航空局(FAA)がドローン操縦者に対して10,000ドルの罰金を科した件に関し、国家輸送安全委員会と行政法判事は先週木曜日、現在はドローンの商業利用を禁止する法律がないとしてその罰金刑を覆した。

この件を担当したパトリック・G・ジェラティ判事は、FAA は商用ドローンの使用を規制する明確な権限を持っておらず、同局によるこれまでの告示(これが基本的に商業利用禁止の根拠となっている)には実際的な法的拘束力がないと裁決した。

今回の連邦裁判の原告であるスイスのドローン開発者ラファエル・ピアカーは、バージニア大学のメディカル・スクール用にコマーシャル映像を撮影する際、不法にドローンを操作したとしてFAAに10,000ドルの罰金を科されていた。

FAAはドローンを規制できるか?

商用ドローンは世界中の公空で許可されており、配達、作物の測量やメンテナンス、捜索救助その他の目的で使用されている。

これまでのところアメリカでは、 FAA が商用ドローンを規制するための妥当な計画を策定するまでの間、その利用が禁止されていた。 策定期限は2015年9月までとなっている。

しかし今回の裁決によって、商用ドローンを自由に(文字通り FAA の真上でも)飛ばすことができるようになったと考えられる。農場主や写真家、起業家などは、Amazon Prime Air のような新たな空中開拓の草分けとして、400フィート未満の領空をドローンで占領することもできるだろう。

この判決は商用ドローン運営側の勝利のように見えるが、実は商用ドローン使用に関する明確な政策策定を目指す FAA のゴールをかえって複雑化する結果ともなる。

まずこの裁決によって FAA は、模型飛行機(Model Aircraft)と無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle)を法的に区別しなくてはならなくなる。これらは現在はどちらも「ドローン」と呼ばれている(ピアカーの場合、法律上は前者を操作していたと判断された)。これらの区別についての討議は、FAA による政策の完成をさらに長引かせるかもしれない。

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判事は FAA が商用ドローンを規制する明確な権限を持っていないと裁決したが、FAA が米国の領空に対する監視・管理方法の規則を策定する権限を持っていることに関しては誰も反論していない。したがって、保護された領空や飛行機の航路からドローンを遠ざけるため、FAA は引き続きこの安全規則を作成する必要があるのだ。

しかし FAA の規制策定が長引けば、その間に革新的な企業はドローンの新たな利用法を見つけてしまうだろうし、規制の意味は損なわれてしまうだろう。

最近の映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」では、ドローンによる撮影が行われた。またミネソタ州のビール会社は、ドローンを使って氷上のワカサギ釣り客にビールを配達する動画を公開し、口コミで話題となった(FAAはもちろんこの会社をブラックリストに載せた)。

先週木曜の裁定の後、少なくとも正式の政策が確立されるまで、FAA はケースバイケースで特認を出すことを検討している。言いかえれば、この問題の解決には相当時間がかかるということだ。

トップ画像提供: Michael Khor

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