ソーシャル・ネットワークのユーザーはこの数年、ForesquareへのチェックインやInstagramでの位置情報の有効化といった方法で、友達や家族に自分の位置情報を公開してきた。ツイッターでさえ、ユーザーに自分のロケーションやメタデータの共有を促すようなアップデートを最近行った。しかしこれまでソーシャル・ネットワークが、この共有された位置情報を何に使っているのかは分からなかった。それが今明らかになってきている。

ユーザーのチェックインをベースに個人情報や嗜好性のようなデータを収集することで、アプリケーションはユーザーに合わせた提案をすることが可能になる。ユーザーの判断や決断に影響を与えることができるのだ。

スマートフォンから指示を受ける時代が来る

ForesquareのiOS向け最新アップデートからわかるように、企業はユーザーに「今どこにいるか」だけでなく「次にどこに行くべきか」を教えようとし始めている。

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Foresquareはプッシュ通知でのレコメンド(おすすめ)機能と、現在周辺で何が起きているかを分かりやすく表示する修正をした、新しいデザインの公開を開始した。同社はこの秋からこの予測機能をiOSとAndroidの両方でテストしており、今回このサービスが全てのiOSユーザーに公開されたことになる。

ユーザーがこのリアルタイム通知機能を利用すると、レストランで何を頼むかや、新しく訪れた場所で何をしたら良いか等のおすすめ情報が、iOS端末に送られてくるようになる。
この機能はバックグラウンドで実行されるためバッテリーの消費が気になるところだが、Foursquareのチームはその心配はないと保証している。

Foursquareは様々な種類の通知機能のテストを実施してきており、その中でテスター達に好評だったものしか公開していない、とFoursquareの副社長でプロダクト・エクスペリエンス事業担当のジョン・スタインバックはReadWriteとのインタビューで語っている。

「我々はユーザーの生活に役立つ情報しか送信しない。」とスタインバックは語る。「我々は、レストランで席に着いた時や新しい場所を訪れた時のような、ユーザーが自分で判断するような場面を選んで情報を送信してきた。」

Foursquareはユーザー個人に関係する情報のみを通知する。アプリケーションが過去のチェックインやレコメンド情報をベースに、ユーザーの行動を学習するのだ。どこに行っても通知を受けるわけではなく、例えばレストランにいる場合にユーザーの過去の行動を調べて、関連性がありそうな情報だけを通知する。

加えてアプリケーションのホーム画面の上部にスワイプ可能なギャラリーが搭載され、そこにはロケーション・ベースの提案が並ぶようになった。近くの店の特売品や、TODOリストに保存された予定などが表示されるのだ。

Circleを使ってみよう

Circle」は周辺のコミュニティーで何が起きているかを見せてくれるアプリケーションだ。最近のアップデートでは「proximity popularity algorith」が搭載されたとアナウンスされている。

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このアプリはまずユーザーの行動をチェックして、そのユーザーの好きなものや嫌いなものを学習する。そしてユーザーがいる特定の位置をベースに、ユーザー毎に違う情報を提供する。例えばユーザーが地元のニュースを好むとわかれば、近くで開催されている人気のイベントの情報を提供してくれるのだ。

ユーザーはCircleによって、ニュースやイベントの共有や発見が可能となる。またユーザーは、自分が興味を持っている様々なカテゴリーを選択すると、Circleが「バーチャル新聞」となって、選択されたカテゴリーに合わせて最新のローカル情報のみを表示してくれる。

「Circleは小さな町のツイッターだ。我々が目指しているのは、誰もが周りで起きていることをもっと簡単に発見したり、話し合ったりできるようになることだ。」とCircleの創業者でCEOのエヴァン・リアスは述べている。「我々は、今までとは違った形でモバイル・ウェブと実世界をつなげたいと思っている。Circleのコミュニティーは、ユーザーがどこにいても、自分にとって大切な情報を発見し共有できる場所なのだ。」

Circleまだ比較的小さなソーシャル・ネットワークだが、1000万人のユーザーがいる。またFoursquareは現在4000万人のユーザーがおり、ロケーション・ベースの情報提供や提案を武器に、毎月100万人のペースでユーザーが増えているという。

ビジネス・チャンスにチェックイン

ReadWrite編集長のオーウェン・トーマスは、Foursquareが最初にプッシュ通知でのレコメンド機能を披露したとき、利用者のロケーションをベースにした広告を掲載すれば、ユーザーの判断や決断の助けになるだろうと指摘した

ユーザーは既に、ソーシャル・ネットワークに対して自分の情報を開示している。それならソーシャル・ネットワークが我々に、世の中で何が起きているかを教えてくれてもいいではないか。ユーザーがどこでどのようにお金を使うかを提案することで、ロケーション・ベースのソーシャル・サービスは地域の広告主にとって、絶好のプラットフォームになり得るだろう。

大企業もまた、ユーザーのロケーション・ベースの情報を取得したいと考えている。ReadWrite編集部は以前、PayPalがFoursquareを買収すべきだと提案したことがあるが、これはユーザーのロケーション・ベースの情報の取り込みによって、地域のビジネスや企業が活性化され、結果的にPayPalでの支払いを増やすことができると考えたからだ。

ユーザーがこの種のロケーション・ベースの広告を魅力的と感じるか、押しつけがましいと感じるか・・・。今のところ、それはまだわからない。

ユーザーはまだ、フェイスブックやツイッターのようなその他のソーシャル・ネットワークが、ユーザーのチェックインで得る位置情報をどう活用していくのか、知る由もない。しかしこのFoursquareのアップデートが何かの兆候なら、ユーザーが自分で「いいね!」をする前に、アプリケーションの方から「いいね!」するよう、指示される日がやってくるかもしれない。

トップ画像提供:Memotions(Flickより)

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