世の中の包装製品の数を考えてみよう。それらがサプライチェーンや小売業者-消費者間でインタラクティブ性を持つようになればどういうことが起こり得るだろうか。

現在、IoTは急速に大きく成長し、パッケージングの方法もより多くのものが出てきたものの、未だUPSやFedExは”紙”で不在通知を残している状況だ。

そんな中、フィンランドのMagic Addは、パッケージでコミュニケーションが図れるよう製品を設計している。CEOのサムリ・マンニネン氏は、RWに次のように語った。

「Magic Addは2011年設立された頃、缶のコストを回収する狙いのもと自己冷却するソーダ缶にQRコードなどのデジタル体験を付加していた。技術的な問題によりソーダ缶の方はうまくいかなかったが、スマートパッケージングへの試みは継続された。今やMagic Addはあらゆるパッケージで情報のやり取りを可能にしている。」

包装業界の大手、Huhtamakiとのコラボで生まれたコップのラベルはその一例だ。このコップは、フィンランドのABCサービスステーションで流通しており、ラベルは独自の技術によりデジタルコンテンツに接続できるようになっている。飲み物を買った消費者は、携帯を通じてネットに接続し、Nelonenメディアのオンデマンドビデオサービス Ruutu+ を二か月間お試しで利用することができた。

このおかげで視聴者は放送前に人気シリーズ Vain Elamaaのエピソードを観ることができ、Nelonen Mediaにとってはより幅広い顧客の開拓と、Ruutu+サービスのフィンランドにおける認知度の向上という結果につながった。また、同時にABCのコーヒーカップを顧客にアピールすることもできた。

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しかし、QRコードは世界中で広まったものとは言えない。たとえば、東南アジアでは広く使われているものの、オーストラリアではそうでもないといった具合だ。マンニネン氏は、小売業者やマーケッターのコンテンツについての考慮が足りないことが原因だと考えている。QRコードで開かれるWebサイトはうまく設計されていないものが多く、消費者にとって有益なものがない場合がほとんどなのである。これは技術ではなくコンテンツの問題だ。

Magic Addが業績を伸ばしている分野は、梱包された商品のサプライチェーンプロセスであり、商品それぞれに拡張可能な固有のコードが割り振られる。「これは、ひとつのコードで物流チェーンでの追跡、および消費者マーケティングの両方を賄おうという考えである」とマンニネン氏は語る。

そして、このトラッキング機能は、物流環境が全てである物流チェーンにおいて経費削減につながる。Magic Addの技術は、製品の温度やその他の環境面が決められた範囲を超えないように追跡する。さらには時間も計測し、規定の範囲を超えた日時を知らせてくれる。

無駄を減らすスマートパッケージング

食品のパッケージに固有のコードが埋め込まれていることにより、消費者に賞味期限や特別割引を知らせ、食品廃棄の軽減につながる。また、小売業者が棚卸を行うのもかなり早くできるようになり、マーケッターはレシピや原材料、製造業者などの情報の提供も行えるようになる。パーソナライズされた買い物履歴と組み合わせれば、その製品が自分の健康や食事制限などの面で問題ないかを確認することができ、賞味期限が近づいているものが無いかどうかを確認できるスマート冷蔵庫のようなことを考えることも可能だ。

マンニネン氏は、5~10年の間にスマートキッチンは実現し、それが本当に役立つものになるためのロジックが求められることになると予想する。「中に何が入っているか分からない冷蔵庫など、賢くないのだ」と彼は言う。

これらIoTの活用例は増え続けるにつれ、生産者、マーケッター、消費者に多大なる可能性を提供することになる。「梱包のインターネット」は確かに存在していて、それは我々が意識しないうちに生活の一部になっていくだろう。

(ReadWrite Japan編集部)

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