Google、Tesla、トヨタの3社は、自動運転車を近々販売できるようになると謳っている。自動車はクラウドに繋がり、人々は目的地まで安全にたどり着けるようになるということだ。

だが、これらの自動運転車が一般的なものになったとしても既存の車が無くなるわけではない。Thejo Kote氏は、「コネクテッドカーの将来を見据えてAutomatic Labs社を設立した時にもそのことは頭にあった」という。彼は、メーカーやモデル、年式を問わず、ほとんどの車をインターネットやサービスにつなげようと考えている。

この試みにより、ドライバーを手助けするための様々なデータが行き来することになるだろう。たとえば、燃費を抑えたり、駐車場を探したり、エンジンの問題を解決したりといったことが可能になる。

そして、そのためのオンボードデバイス(自動車業界風にいうとOBD)は、過去20年間に販売された様々な車にすでに備わっているOBD-IIポートに接続でき、デバイスはそこからあらゆるデータを拾うことが可能だ。その時その時のマイレージやエンジンの回転数、油圧、その他多くのデータを入手できる。さらに、車のデータをやり取りするためのAPIも備わっている。

「自分の車は手持ちの中で一番高価なコンピュータである。人々は、まだその事実に気づいていないだけだ」とはAutomatic Labsのディレクター Michael DeJesus氏の言葉である。恐らくは、手持ちのコンピュータの中で”一番活用されていなかったもの”になるだろうが、それもこれまでの話だろう。

Automatic OBD adapter
Automatic OBD adapter

Automaticが戦う場はブルーオーシャンではないが、アプリを通じたコネクテッドなものを提供することで他社との差別化を図っている。2014年から小売を始めていることから、TargetやBest Buy、Amazonで見かけたこともあるのではないだろうか。同社は保険業でも成功を収めている。

日々、多くの走行データの解析を重ねることにより、Automaticが保有するプラットフォームの認知度は自動車業界で高まっている。

このプラットフォームでは、Automaticのアダプターとアプリが活用されている。そこでのやり取りはBluetoothで行われ、運転のデータはクラウドに保管される。アプリもしくはAutomaticのWebダッシュボードから、エンジン不調の予兆や運転の改善点、燃費の向上についての情報を得られるようにする、というのが同社の狙いだ。「アプリを使うことで、燃費を30%向上することは実現可能」とDeJesus氏は語る。

だが、コネクテッドカーであることの本当の価値は、同社Webサイトの次の一文によく現れている。

「我々はあなたの車とあなたのあらゆるデジタルライフを繋げる存在になる」

そのようなビジョンを掲げるAutomaticのプラットフォームは、人々が毎日使うようなアプリを車に繋げることができる。もし、この記事を読んでいるあなたが携帯と車との接続に興味があるのであれば、まずAutomatic App Galleryに乗っているアプリを見てみるといいだろう。

Nest : 家に付く前に暖房を入れてくれるアプリ

Concur : 運転中の燃費計算レポートを出力するアプリ
ExpansifyやFreshBooksとの連携も可能で、Excel形式の出力もできる。

SpotAngels : 駐禁を切られないようリマインダーを設定するアプリ
  Pebbleと連携して追加料金が発生する時間が来たら通知するように設定することもできる。

License+ : ティーンエイジャーに安全運転を指導するアプリ

IFTTT : IFTTT (If this, then that) を使って自分だけのサービスを構築できるアプリ

これらの様々な機能を見ると、Automaticが何やら複雑な会社に思えてくるが、肝心のデバイスの設定はいたって単純なものだ。機械的な可動部分を持たず、また、車のバッテリーを使うため自前のバッテリーもない。そして、デバイスの充電は不要だ。Automatic Labsの賢明な選択と言えるだろう。

デバイスを手にとって見れば、それが複雑なものではないことがわかる。その他多くのハードウェア製品同様、機能の多くはファームウェアに内蔵されている。だが、ハードとソフトの組み合わせは、製造プロセスの複雑さを思わせる。提携する保険業者が増えたことから、パッケージやファームウェアで扱う保険も増え、他にも原材料の高騰、最小在庫管理単位の問題などは物流における悪夢だ。

ビジネスの拡大のためには信頼できる製造プロセスが鍵となり、この鍵はまさにAutomaticが最近リリースした第二世代のデバイスが持っている。第一世代のデバイスはスマートフォンに頼っていたが、第二世代のものはスマートフォンがなくとも走行中のログが取れるGPSが組み込んであるのだ。GPSチップは、GNSSエンジンで動くようになっている。

「この第二世代のデバイスのおかげで、Automaticは今年の半ばには世界の市場に打って出ることができるだろう」とDeJesus氏は言う。さらにその先のことを言うと、今後Automaticのデバイスは走行中のデータを溜め込み、そのデータを手持ちのスマートフォンと同期するようになる。これにより、車内で電話を携帯する必要が無くなり、Automaticにとってはさらなる挑戦の機会が訪れることになる。

多くの専門家が言うように、自動運転車は未来の話だ。だが、コネクテッドカーについて言えば、それを人が運転するものであるか否かに関係なく、提供できる情報の多さからより重要なものになるだろう。

ビッグデータの活用が一般的に行われるようになってきている今、有用な情報をすぐに使える状態で取り出したいと考えるドライバーは今後さらに多くなるだろう。自動運転車のメーカーは、いずれこの点に対して何かしらの施策を提示するだろうと思われているものの、まずは何よりプラットフォームが必要だということを忘れてはいけない。

そして、Automatic Labsの製品は”すでに現実の路上で使われている”ということも。

(ReadWrite Japan編集部)
※このコンテンツはAutodeskとのパートナーシップで執筆されたものです。
※この文章はAutodeskの刊行物Line//Shape//Spaceですでに公表されています。

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