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先週からKickstarterでの立ち上げが始ったBlocksは、拡張可能なモジュールにより自分だけのスマートウォッチを作ることのできるウェアラブル・デバイスである。ユーザーがカスタマイズできるのを売りとするデバイスにどれほどの需要があるのか、このプロジェクトを通して見えてくるはずだ。

Blocksのデバイスは、Android Lollipopの縮小版を搭載した盤面ユニットの本体を中心に構成されている。Bluetooth、Wi-Fi、モーション・センサー、マイクだけでなく、Qualcommプロセッサも搭載している。これにより、スマートな通知表示を行ったり、アクティビティをトラッキングしたりすることが可能だ。

他にどんな機能を追加するかはユーザー次第であり、追加モジュールがストラップを構成することになる。発売時点で使用できるモジュールは、追加バッテリー・ブロック、心拍センサー・ブロック、位置情報(GPS)ブロック、非接触型決済(NFC)ブロックである。Blocksのチーム自身と、そのプロジェクトに関わる「民間企業や研究者、開発者のコミュニティ」の双方により、その他のモジュールがまもなく追加されるだろうと同社は述べている。

そして、そういった開発者らこそがBlocksの鍵となる可能性があるのだ。ハードウェアやソフトウェアのメーカーは、Blocksウォッチにリソースを投入する前に、ユーザーの需要が大きいということを確かめたいと考えている。ユーザーの側は、魅力的なモジュールが手に入るのであればこそ、購入してみようかと考えるものだろう。ロンドンに本社を置くBlocksによれば、SIMカード・モジュールも開発中のコンポーネントだという。

この面白いアイディアがPebble自身か、あるいは別の会社によるものかは分からないが、追加の機能を付加する方法として時計バンドを利用するというのは、Pebbleのsmartstrapと同様の戦略だ。

PebbleのCEO、エリック・ミギコフスキーは、第1弾のsmartstrapsが販売されるのは来年になるだろうと認めた。Bluetoothによるジェスチャー・コントロール機能を追加したDeus Ex Aria(デウス・エクス・アリア)は今年7月にKickstarterで目標金額を達成したが、2016年5月まで日の目を見ないことが予想されている。

Blocksの構築

既存のBlocksモジュールの内部
既存のBlocksモジュールの内部

Blocksは、Kickstarterのキャンペーンが終了するまで、モジュールを作成する開発者を募る予定はないが、アップデートの通知用に関係者が登録できるページは既に存在している。

そのページ上でBlocksは「このスマートウォッチのコアはAndroid Lollipopの修正版を実行し、Blocks用アプリを作成するために、お手持ちの既存のツールを活用できるようになっています」と解説している。「弊社はAndroid APIにも取り組み、皆様が各々のモジュールを管理し、モジュール同士の交信ができるようにしております」ともしている。

アドオンには意味があるか?

デスクトップPC用の拡張カードでかつて栄えた市場は別として、ハードウェア用アドオンの市場を作りだした成功例はほとんど存在しない。個人向け機器の市場では、旧型パーソナル・デジタル・アシスタント、Palmの拡張可能なバージョンとしてHandspring社のVisorがあった。 PalmはHandspringを買収したものの、スマートフォン事業に進出した際、拡張スロット「Springboard」からは撤退することとなった。

だが、ウェアラブル市場は多分それとは違う。ウィジェット全体を考え出さなければならないという責任がないのならばなおさら、昨今のようなハードウェアを作成するよりも、遥かに安価で容易だ。

Blocksがオープン・プラットフォームというアプローチを用いているということは、個々のスタートアップ企業や開発者がゼロから新しいスマートウォッチを生み出す手間をかけることなく、ウェアラブルの新しいアイディアを探求できるということだ。ウェアラブルのストラップ・モジュールを作るのは決して手ごわい仕事ではない。

またこれによって、ニッチな要件にも応じることが可能なはずだとBlocksは述べている。Apple Watchほど人気がなさそうな機能は、ベルトというコンポーネントになることで、少人数ながら熱心なユーザーの支持を得ることになるだろう。

モジュラーというアプローチは、アップグレードをあまり頻繁に必要としないということである。スマートウォッチのバンドでリンクをやり取りすることにより、ユーザーには最新のGPSやNFCのテクノロジーが手に入る。それは、この小さなガジェットが世界という大きな市場に立ち向かえるということだ。

消費者向け市場以外では、企業や組織がBlocksをカスタマイズし、特定の目的を持ったスタッフを監視するのにも利用できるだろう。例えば、遠隔地で働く医師のための高度なヘルス・センサーや、忙しい現場で働く建設労働者のためのトラッキング・タグなどだ。

これまでスマートウォッチは、驚異的に、というよりも着実に売上を積み重ねてきたが、おそらくウェアラブルを敬遠している人々は、本当に自分のためにカスタマイズし、自分だけのものだと言えるようなデバイスが現れるのを待っているのだろう。BlocksのKickstarterは先週から始まっている。どうなるか、注目していこう。

画像提供:Blocks

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