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ブライアン・ソリスはデジタルアナリストであり文化人類学者、未来主義者であり、X、What’s the Future of Business (WTF)、Engage! and The End of Business As Usualといった著作がある。

多くの企業はマーケティングが顧客の獲得において重要だと考えている。しかし同時に多くの顧客はマーケティングがそのブランドに愛着をもち、固い客になる為の役目を果たせていないと非難している。人材、ツール、習慣他、企業が顧客をつかむ方法を見直さない限り、彼らはいずれ去っていくことになる。

これは私が今日顧客関係で頭を悩ませている点だ。顧客はどのような企業においても不可欠なものだが、eメールマーケティング、SNS,、プリインストールされた製品登録プログラム、やらせのランキングなどの、どうしようもない戦略を取る部門のせいで顧客の気持ちはますます離れていく。そして企業が顧客の求めにきっちりと応じられるようになるために、技術やイニシアチブを生み出すための時間やリソースを投じることはまず無い。

これは変わらなければならない。

製品こそが顧客へのメッセージだ

まず初めに、私は「製品に込められたコミュニケーション」というものを新たな顧客獲得のチャンネルとして提唱した。そこで私はモノのインターネットの一環としてますます多くの製品(ウェアラブル、スマートデバイス/家電など)がネットに繋がるなかで、企業がユーザーに製品を通して直接コミュニケーションを図る機会は増えている。

また製品が使われるコンテキストを理解出来る事で顧客のニーズを先読みし、より良いサポートを提供し、顧客にもっとパーソナライズされたサービスを提供する事が出来る。

カスタマーエクスペリエンスというものが、企業が顧客に提供したもの全ての集積であるのだとしたら、満足度を上げるということは企業にとって大きな競争力の糧となる。

マーケティングからメッセージング、サービスやサポートの提供、顧客の定着率向上、顧客の意見のくみ上げにいたるまで、顧客との関係の確立、カスタマーエクスペリエンスの向上の為に、モノのインターネットを活用する企業は、ビジネスに新たなスタンダードをもたらす事になる。

しかし2013年にEconsultancyが報じたところによると、カスタマーエクスペリエンスの向上を図っていると答えた企業は89%に昇るが、「非常に統合的なカスタマーエクスペリエンス」を提供できていると答えた企業は8%にすぎない。

顧客と付き合う

以上が私が製品を通じて顧客をつかむことが、カスタマーエクスペリエンスにおける次なる重大なことだと考える理由だ。これまでの取り組みには限界がある。これらにはコアな顧客との対話や関係構築を行う上での制限がある。

例えば小売業者を通して販売を行う業者は、最終の顧客がサポート登録やアカウント登録してくれない限り彼らの一覧を得ることはない。eメールマーケティングにおいても、コンタクトを取れるのはメールアドレスを提供してくれた顧客だけだ。

今日のスマートデバイスによって可能になりつつある事を利用し、企業はオンラインのデバイスを使っている顧客と、デバイスIDやシリアルナンバーを通じてコミュニケーションを図ることが出来るようになる。

今の所、デバイスの登録を行う顧客は全体の15%に過ぎない。これはネットにつながった未来に対する世間の反応を表しているわけだ。eメールマーケティングはどうしようも無い。メーリングリストに登録したうちのたった20%が届いたメールを確認し、5%がリンクを踏み、ようやくその1%から望ましい反応が得られる可能性があるといった有様だ。

長期の顧客を獲得するためのプラットフォームも、製品のライフサイクルの後半において重要になってくる。修理や交換と言った問題だ。製品マネージャーはよく、カスタマーサポートから挙げられる問題のうち、どの顧客層は製品のアップデートで解決できるか、そしてより価値ある機能によって他社との差別化を図るかについて悩むことがある。

話すべきは顧客であり販売チャンネルでは無い

製品を通じたコミュニケーションから新しい展開が見えてくる。シリアルナンバーやロット、地域などで分類したコンテキストベースの調査はこれまで見えてこなかったものを明らかにしてくれるかもしれない。デバイスを通じた調査の回答率は電話やDM、メールなどと比べてずっと高くなるだろう。

私がこれを書いている最中、アップルがオーナー向けてiPhone6 Plusのハード修理の通知を出した。私が所有するのも含めて端末の初期バージョンにはカメラに潜在的な不具合があり、画像がぼやけるという事がわかったからだ。

もしユーザーがこのニュースを知らなければ、問題の解決法は分からなかっただろう。iPhoneにはプッシュ通知がある。なぜ私がこの方法で知らせを受け取らなかったのだろうか?

アップルがユーザー一人一人に直接、非常に丁寧な態度でこのような通知を送った理由として、

  1. 問題を直接的かつ効率的に解消する。
  2. この問題において報道陣の対処は避けられないが、仕方がないことだったという方向に話を持っていく。

が考えられる。

現在アップルは、その商品の殆どが小売店を通して売られていることから、全ての顧客とのリレーションシップを管理できているわけではない。しかしクラウドベースのサービスやiPhoneアップグレードプログラムなどが加わることにより、顧客とより直接的に働きかけることが出来、同時に問題が起こった場合にだんまりを決め込む事もやりにくくなる。

まだ概念としては新しいが、製品を通じたコミュニケーションは顧客獲得の機会と、ゆくゆくは新しいジャンルのエクスペリエンスを切り開くものとなる。新しいものであるがゆえに、我々はそれを効率的に管理するには何が必要なのかをよく考えなおす必要がある。全く新しい顧客リレーション管理を古いやり方と同じように使うのであれば、可能性のうちの50%程度しか叶わないだろう。

我々がいかに新しく素晴らしいテクノロジーを手に入れようとも、それはあまり関係がないことだ。自身が顧客に関わることでやろうとしている、より大きな考えやビジョンが伴わなければ、顧客とのコミニュケーションは何も変わらないのであり、新しい方向へ向かっていることにはならない。

モノのインターネットがよく話に上がるが、本当に大事なのはあなたの商品にお金を出すユーザーのネットワークだ。新しい方向へ動き出す時だろう。顧客のエクスペリエンスのためのリレーションシップの向上、ファンの獲得の為に投資し、今日のコネクテッドな世界の利点を活用すべき時だ。

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