ゲスト執筆者のデイビッド・フリードマンはAyla Networksの共同設立者であり、CEOだ。

ビッグデータは我々の時代において、最も大きなビジネスチャンスの一つだ。

しかし非常に意味があいまいなものでもある。あなたも経験があるだろうが、人々がビッグデータについて、以下の異なる観点で話をしているのを見たことは無いだろうか。

a)単に大量のデータについて

b)従来のDBのキャパシティーを超えるデータセット

c)aおよびbのデータセットを扱うためのソフトウェア

モノのインターネット(IoT)の大きな利点の一つに、現実に起きていることのモニタリング、計測の能力が大きく向上することがある。店舗のフロアマネージャはモーターのかすかな雑音がトラブルの兆しであることをしっている。また普通の家主であれば、乾燥機の排気口にたまる埃が災害を引き起こすであろう事も知っている。データシステムはこれらの事を高い精度で教えてくれるようになるのだ。

しかしながらそのようなシステムおよび、情報が価値あるものとなるビジネスモデルを作り出すことは課題だ。例えばスマート温度計などを考えた場合、電力消費がピークを迎える頃には毎分あたりの消費量を知りたいと思うだろう。電力を細かく調整し節電効果を最大化するのも、真夏と過ごしやすい時期とでは異なってくるだろう。しかし真夜中から朝の4時といった時間帯では、そういった情報の緊急性はぐっと落ちる。データが重要になってくるのは長期的傾向をつかむ時だ。

消費者の観点からも考えてみよう。データのアップデートが15分ごとだったとしても、それはオーバーロードになる。またあまり意味が無いどころか無用な厄介ごとを生む。それよりもむしろ全体の傾向をつかめる月イチベースのサマリーのほうを望むのではないだろうか。

私はいつも「データの価値」ににまつわる課題について語っている。以下は一般的なデータのカテゴリーと、製造業者やサービスプロバイダたちの取り組みの一覧になる。

4種類のビッグデータ

ステータスデータ

冷蔵庫のコンプレッサーは稼動しているだろうか? 性能が突然落ちたりしていないだろうか? ステータスデータとは要は世にあるものの状況を確認するためのものだ。

ステータスデータはIoTのデータで最も用いられており基本的なものだ。ほとんどあらゆるものがこの手のデータを生成する。多くの市場でステータスデータの上に複雑な分析が成されているが、これ自体にも重要な価値がある。

Streetlineが駐車場でやったことを見てみよう。この企業は契約者に駐車場の空きを通知するシステムを構築した。確かに長期間に渡るデータは都市計画を立てる人の役には立つが、ほとんどの消費者にとっては今現在のステータスデータが最も重要なものだ。

ロケーションデータ

うちの商品は今どこだろうか? もう送り先に着いただろうか? ロケーションはGPSの延長だ。GPSは素晴らしいが屋内や人ごみの中、変化が急な環境ではうまく働かない。パレットやロボティックフォークリフトを追跡しようとしている人たちにはリアルタイムな情報が必要だ。

IoT市場の走りとなった農業では、オーナーが広大な土地で設備をトラッキングするためにロケーションデータを活用している。既に鍵の場所を特定できるコンシューマー製品はあるが、リアルタイムで多くの資産を管理する必要があるが社員の数が足りていない企業を対象とした商業向けの市場も存在する。金物屋向けのFoursquareの開発も大きな可能性を含んでいる。

オートメーションデータ

コンシューマーはオートメーションについては若干懐疑的だ。大した額でもないお金を節約するためだけにオフィスの照明やホテルの空調をケチられるのはいやなものだろう。オートメーションはセキュリティーの問題も生んでいる。

だがしかしオートメーションを避けて通ることは出来ない。4.75ドルを節約するためだけにサーモスタットを手で暖め続けたりするわけには行かない。電灯システムについても同様だ(ちなみにスマートライティングの製造業者の中にはセンサーからのデータを使ってスーパーのレジ待ちがひどくなったら開いてるレジの数を増やすようマネージャに連絡するということを考えているところもある)。

アクショナブルデータ

これはフォローアッププランつきのステータスデータだと考えれば良い。EPAによればビルは国中の電気使用量の73%を占めており、30%は無駄になっているという。なぜだろうか? エネルギーはビルのオーナーについては二の次の事だからだ。どうにかしたいとは思っているがその為にコストや時間は割けない。

この問題を解決するのに二種類の方法がある。ひとつは上述のオートメーションによりシステムの状態を変えてしまうことだ。もう一つは人々に説得を行い浪費に対する認識を改めてもらい、改善のための長期的な投資を促すことだ。Opowerはコンシューマ及び企業向けに、改善を行うことで隣と比べてどれほど変わるかを比較するという事をデータを用いて説得する為の支援を行っている。彼らによるとこれらのデータによる説得によって、エネルギーの2-3%が節約されるという。

IoTデータのフィードバックの循環を作り上げる

顧客が何を思っているかを理解しているだろうか? 自分ではそう思っていても実は間違いかもしれない。近い将来、製造業者は彼らの製品から送られてくるデータを通じてそれらがどの様に使われているかをより深く理解できるようになる。現在多くの企業は自分たちの製品がどの様に使われているのかを理解していない。物流を通じて小売店に届けられ、購入されて家やオフィスに持ち込まれる。この間、ユーザーと製造業者がコミュニケーションをとる事はほぼ無い。

IoTは顧客から製造業者へのフィードバックを作り上げ、適切なプライバシー、セキュリティー、匿名性を保った上で商品の使われ方を把握し、継続的な改善やイノベーションに繋げることができる。

画像提供:Jakob Montrasio

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