プレリリース・ソフトウェアにはバグや非互換性、その他の不具合がつきものであり、まず間違いなく見つかるものだ。アップルが現在、App StoreでiOS 9ベータ版体験者のレビューをブロックしているのは、それが理由である。

アップルはどうやら、体験者から早計な不平不満が書き込まれるのを未然に阻止しようとしているようだ。それは非常に理にかなっているし、妥当な判断だ。しかし、この問題が発生するのを前もって予見しておくべきだった。開発者は未完成のソフトウェアを扱うのに慣れているだろうが、日常的にiPhoneを使用しているユーザーは、ベータ版にはよくありがちな予期せぬ問題に対して心構えができていないことだろう。

開発者によると、もっとよろしくないのは、問題がアプリ内のプログラミング・エラーによるものでなく、iOS 9自体から発生したことである。ある意味では、だまされたようなものだ。アップルはiOSの開発改善に集中してきた。しかし、アプリ開発のコミュニティを本気でサポートするつもりであれば、常識があれば分かる問題を見落とすべきではない。

アップルはこれを予見すべきだった

モバイル・アプリにおいては、評価がすべてといっても過言ではない。App Storeのレビューや人気ランキングの影響力を見れば明らかだ。

したがって、ベータ版の体験者がアプリ・レビューで一つ星を見つけると開発者が不安になるのは至極当然のことである。その問題がiOS 9のコードに由来する場合は、特にそうだ。

「iOS 9ベータ版問題のおかげで、一つ星のレビューをもらったよ」
「iOS 9ベータ版…クラッシュばっかり!」
「このアプリが手に入るのを超楽しみにしてました!iOS 8ではうまく動作したよ。でもiOS 9のベータ版だと全っ然動きません!開こうとすると毎回クラッシュします」

アップルの幹部は最近のソーシャルメディアをもっとよくモニタリングしているはずだ。Apple Musicに楽曲使用料の支払いを申し立てたテイラー・スウィフトに応えたのだから、次はこのようなツイートをした開発者の災難に対応しなければなるまい。アップルは公式にはポリシーを変更したという発表はしていないが、現実にレビューからベータ版体験者がブロックされているという噂は広まっている。

現在、iOS 9ベータ版のユーザーがApp Storeにレビューを書こうとすると、このようなメッセージが表示されるようだ。

「この機能は利用できません。iOSのプレリリース版を利用している間は、アプリのレビューを書くことはできません」
「ついに、ベータ版iOSからはApp Storeのレビューを書けなくなったみたいだ」

iOS 9のベータ版が公開されてから、ほんの数週間後にレビューを禁止したことから、表面上、同社は素早い対応をしたように見える。だが、詳細に調べれば、この問題は数か月前に端を発していたことがわかるのだから、そうとも言えない。

iOS 9は、パブリックベータ版の配布が始まって以来、初の大きなアップデートとなるが、今回が初めてというわけではない。同社は3月にiOS 8.3のベータ版を配布している。

早期アクセスプログラムを配布するのはいいことだろう。ユーザーの期待を高めるための戦略という面だけではなく、幅広いユーザーに配布すれば(Mac OS Xも配布されることとなった)、無料のベータ版体験者をテスターとして利用できる。ベータ版ソフトウェアには不具合がつきものだということを必ずしも理解していない数百万人のユーザーに対して、アップルとアプリ開発者の問題点まで暴露してしまったのは残念ではあるが。

遅くとも、やらないよりはマシ?

アップルが、自社を支えるiPhoneとアプリからできるだけ不具合をなくしたいと考えているのは間違いない。同社はごく最近、テスト用端末の最大台数を、合計100台から、端末の種類ごと(iPhones, iPads, Apple TVなど)で100台に増やした。

この最近の変更点に関して言えば、新しいポリシーによってベータ版の体験者の事前レビューに影響があるかどうかは、すぐにはわからない。だが少なくとも今後、開発者は叩かれる心配をすることなく、アプリにiOS 9と互換性を持たせるのに必要な時間の余裕を少しは得られることだろう。

また、ベータ版は完成されたフルバージョンと同じではないということをユーザーに認識させる、タイムリーな通達にもなるといいのだが。

iOS 9の最終版は、iPhoneが今年9月にリリースされる際、公式に日の目を見るはずだ。新機能の中でも特筆すべきなのは、より賢くなったSiri、iPadのマルチタスキング機能、選りすぐりの配信元から届く記事一覧を見ることのできるNewsアプリなどである。

画像提供:Apple