BlackBerryはグーグルのモバイルOS、Androidを搭載したスライド式キーボードのスマートフォンを発表する考えだと、11日にロイターが報じた。「この件に詳しい4人の情報筋」のうち2人は、この端末には「BlackBerry 10 OSで特徴的だったいくつかの機能が搭載されるだろう」と語っている。

もしも事実なら、このニュースが意味するのは、BlackBerryが敗北を認めたということだ。かつては有力なスマートフォン・メーカーだった同社は、往時の栄光を取り戻そうと様々な端末をリリースした。悲惨な結果に終わったものの、タッチパネル端末のBlackBerry Stormや、最近の例では、再生への賭けとした、キーボード愛好者向けのBlackBerry Classicなどだ。だが、これらの取り組みは公式に失敗の烙印を押されることになる。

これでBlackBerryの愛好者はAndroidの仲間入りということになるかもしれないのだが、これによる大きな影響はどちら側にも見えづらい。AndroidにはBlackBerryを助けることはできないし、BlackBerryのユーザーを必要としているわけでもない。だが、影響がないというわけではない。BlackBerryの開発者は、近いうちに開発手法を変更せざるを得ないと気づくはずだからだ。

Blackberryというよりはむしろ「LackBerry」だ

MTMwODQ3MTExNzU0Mjk1OTM5

詳細を見ていこう。ロイターの情報が正しければ、BlackBerry端末がなくなることはない。BlackBerry端末はAndroidに乗って船出するといったところだろう。最近の噂から判断すると、このマッシュアップによって誕生する初の新しいハードウェアは、タッチパネルとQWERTYキーボードの両方を搭載したスライド式のスマートフォンとなるようだ。

BlackBerryは最新のソフトウェアであるBlackBerry 10を必ずしも廃止するわけではなく、少なくとも一部は残すと断言している。声明の中で、同社はロイターに「安全性と生産性は釣り合いが取れないものですが、BlackBerry 10 OSはそれらの両方にとってプラスとなります。弊社はこのOSに対し、最善を尽くし続けます」と語っている。

BlackBerryは既にデュアル・プラットフォームという道を進んでおり、四角い形が特徴のBlackBerry Passportでも、レトロなBlackBerry Classicでも、(Amazon Appstoreによって)Androidアプリを動かすことができる。したがって、同社がその他の機能を打ち捨てて、BlackBerry 10から真に有益なものだけを利用するというのは妥当な想定だ。

MTMwODQ3MTExNzU0MzIzMjE4
BlackBerry 10 OSはAmazon Appstore を通してAndroid 4.3をサポートしている

マルチタスクやBlackBerry Balanceのセキュリティ機能(1台の端末でプライベートデータと仕事用データを分けられる)、AndroidやiOS端末でも既に利用できるBlackBerry Messenger (BBM)サービスなどの機能は廃止される可能性がある。しかし、この噂はまだ出回りはじめたばかりで、ロイターの記事は実際の仕様を特定するには至っていない。

もしも同社がOSを解体するようなことになれば、オンタリオ州ウォータールーに本社を構えるBlackBerryに忠実な開発者らは、取り残されることになるだろう。BlackBerryのOSに特化して作られたアプリは長く存続できないかもしれないし、そのアプリのAndroidバージョンをまだ手に入れていないユーザーは、振り出しに戻ることを余儀なくされるだろう。

それに何の意味があるだろう?いずれにせよ、結局のところ、AndroidにとってもBlackBerryにとっても、この変化に大きな意味はないのかもしれない。

Nokia Xの二の舞

IDCによると、Androidはスマートフォン市場の78%を占めている。このプラットフォームはBlackBerryのユーザーが必要としているものをはるかに超えている。同社のシェアはわずか0.3%にすぎない。

苦境に立つBlackBerryにとって利益になるのかすら怪しい。グーグルのモバイル・プラットフォームは他にも多くの端末を抱えており、BlackBerry製のAndroid端末に際立った点はほとんどない(スライド式キーボード搭載であるという噂が本当だとすれば、その奇異な点は人目を引くかもしれないが)。だが、結局はBlackBerryブランドに利益以上の害をもたらすことになりかねない。

中途半端なAndroidスマートフォンに成功の道はないということを示す有名な例が一つある。Nokia Xだ。手を加えた独自のAndroidを売りにしており、2014年にマイクロソフトに買収され、Microsoft Mobileとなる前に、ノキアが最後にひとあがきした端末だった。中国では1,000万台のプレオーダーを達成したと報告されているが、結局は可もなく不可もないという批評を受けたり、ユーザーの関心が薄れたりして、失敗に終わった。

MTMwODQ3MjAxNDExNzg4Nzcw
Nokia XはAndroidのWindowsスタイル・バージョンを運用したが、評論家に大きな印象を与えることはできなかった

ノキアが初めにAndroid端末に攻め込んだとき、Windows Phone OSに対する不満を同時に示しているように見えた。マイクロソフトはノキアのモバイル事業を買収した直後、その計画を速やかに中止したのであった。

現在、マイクロソフトは自社のソフトウェアを改革している最中だが、同社にはWindows 10 Mobileという強力な利点がある。このOSを利用すれば、他のWindows 10コンピュータやアプリケーションを相互運用することができる。BlackBerryにそのような利点はない。

もしもBlackBerryがAndroidスマートフォンをリリースするならば、この2つが実行に移されるだけのことだろう。一つには、BlackBerry 10にはプラットフォームとしての能力が欠けていると、同社がようやく認識すること。そして、もう一つは、忠実な開発者らを苦境に立たせることだ。

画像提供:BlackBerry
Nokia X画像提供:Microsoft

Pocket