ビットコインのバブルから紐解く、この謎に満ちた通貨の正体とは

私はReadwriteの記事を書くため、10月に20ドル分のビットコインを購入した。そしてその後、私の0.119BTC(ビットコイン)の価値が高騰する様を目の当たりにしてきた。

今週、私の秘蔵のビットコインが71ドルという高値を付けたので、ここで売ってしまう決心をした。BitPay経由でビットコインの支払いを受け付けているGyft.comで、ビットコインをギフトカードに換えようと思ったのだ。しかしあいにく誰もが同じことを考えていたようで、24時間以上も待たされた挙句に私のビットコインはそのまま払い戻されてしまった。そしてその頃には既に相場が暴落してしまっていたのだ。

別にBitPayに対して文句を言っているわけではない。どうやら今週はどのビットコイン業者も過剰な取引に悩まされていたようだ。ビットコインの価値はたった数日のうちに600ドルに跳ね上がり、さらに900ドルまで高等し、その後500ドルに落ち込んだ。焦った人々によって売り注文と買い注文が殺到し、市場が過負荷に陥っていたのである。

一体何が起きているのか?

ここ1週間でビットコインの価格は3倍に膨れ上がった。特にこれといった理由は見当たらないが、中国での需要増加と米国議会が行ったビットコインに関する公聴会が市場を後押ししたものと考えられる。

この状況について、ワシントンDCビットコイン•ユーザー会の主催者であるリチャード•ウェストン氏(私にビットコインを売ってくれた人だ)に話を聞いてみた。ウェストン氏によると、議会の公聴会の影響でマーケットが大きく揺れ動いているのだという。彼のビットコイン換金ビジネスもおかげで好調だそうだ。

「これは間違いなくバブルだ。公聴会が引き起こした混乱のために過剰買いが続いている。」

ウェストン氏は私が焦ってビットコイン売ろうとしたことをたしなめた。新参者に対する彼のアドバイスは、「ビットコインはいざというときのためにとっておくべき」というものだった。彼自身もこれを実践しているという。

月曜に900ドルだったビットコインの価格が水曜には500ドル半ばまで落ちたにもかかわらず、ウェストン氏はまったく心配していない様子だ。

「(今週の出来事は)健全な下落だ。」とウェストン氏は言う。「これは調整作用と呼ばれる現象だ。ビットコインが過剰に買われたので、マーケットが自動的に修正したにすぎない。」

どうやらビットコインが上昇傾向にあることに変わりはないようだ。ビットコインが高値を維持できるのは、この価格でもまだ買いたいという人がいるからである。ビットコインで大儲けする人たち(ビットコイン富豪と呼ばれる)が続々と現れているため、需要は拡大する一方だ。

使ってはいけない通貨

ビットコインが本当に儲かるかどうか知りたいなら、Redditのビットコイン•コミュニティー(r/bitcoin)を見てみるといいだろう。ビットコインをただ持っていただけで数千ドルも稼いだというような自慢話がいくらでも転がっている。

ビットコインに投資する方法として一番賢いのは、買った後にその事実を忘れてしまうことらしい。ノルウェイのある男性は2010年に27ドル分のビットコインを買ったことをすっかり忘れており、最近思い出してみたらその価値は100万ドルにもなっていたという。

ビットコインのバブルは膨らんでは弾けることを繰り返している。そして弾けるたびに、その底値は上がり続けているのだ。2009年の設立当初には、ビットコインはわずか数セントの価値しかなかった。今ではビットコインと米ドルの価値は完全に逆転してしまっている。

これらの物事は全て、ビットコインの創設者であるサトシ・ナカモト(ハンドル名しか知られていない謎の人物もしくは団体)の計画通りに進んでいる。ビットコインには上限が定められており、この世に2100万枚しか存在できない仕組みになっている。コンピューターを使った「マイニング(採掘)」と呼ばれる演算処理によって新しいビットコインが発掘されるのだが、時間と共にそのアルゴリズムは複雑になり、より多くのマシンパワーが必要となってくる。つまりマイニングを続けるほどに発掘が難しくなる仕組みになっているわけだ。

ビットコインの総量の移り変わりを表したグラフ。マイニングが困難になるにつれてビットコインの採掘量は減っていく。
ビットコインの総量の移り変わりを表したグラフ。マイニングが困難になるにつれてビットコインの採掘量は減っていく。

現在世の中に存在するビットコインのうち、既に半分は使われることなく保管されているという。これはバークレイにある国際コンピューター・サイエンス研究所で、新興技術の研究を行っているニコラス•ウィーバー氏による試算の結果である。

ビットコインに巨額の投資を行っているウィンクルヴォス兄弟や、謎に包まれた創設者ナカモトが保有しているビットコイン資産を見る限り、大物の投資家達は1サトシ(「サトシ」とはビットコインの最小単位で、0.000 000 01 BTCを指す)たりとも使ってはいないようだ。

「これこそ、ビットコインが抱えている根本的な問題だ。」とウィーバー氏は言う。「ビットコインを信じる者にとっては、それを使わずにとっておくことが最も理性的な行動だ。だが使ってはいけない通貨というのは矛盾してはいないだろうか?」

ウェストン氏の考えでは、ビットコインは貨幣というよりは金のようなものだという。つまり通貨ではなく資産というわけだ。

「ビットコインにありがちな誤解の一つは、使うためのものだと思われていることだ。」とウェストン氏は述べている。「中国人はこの点を良く理解しているようで、金や不動産、あるいは証券や株のように買いだめをしている。彼らはビットコインを新たな資産の一つとして認識しているのだ。」

ビットコインの信者と一般大衆との違いはここにある。金がその鉱物的な利用価値を超えた金融資産として認識されるのと同じように、ビットコイン信者たちは今それで何が買えるかではなく、将来の可能性に価値を見いだしているのだ。

ウェストン氏は最後にこう語ってくれた。「ビットコインは世界中どこへでも低い手数料で送金することができる。検閲される事もなければ詐欺にあう可能性もほとんどない。ビットコインを盗む方法はあるだろうが、間違っても偽造することはできない。ビットコインは存在そのものに価値があるのだ。それを否定する人は、ビットコインを全く理解できていないのだろう。

画像提供
トップ画像:fdecomite(Flickrより)
グラフ:BTC by the Numbers

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