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クラウド・コンピューティングの規模は今や200億ドル近くに上っているが、誰もが等しくその恩恵を享受しているわけではない。Synergy Researchの新しい報告によると、アマゾン ウェブ サービス(以下AWS)はクラウド市場全体の28%を支配しており、Microsoft Azureは収益を生んではいるものの、依然として市場のわずか10%を占めているにすぎない。

AWSがリードしている比率は以前ほど大きくはないものの、クラウド市場がAWSやマイクロソフトなどの「持てる者」と、その他の「持たざる者」とに収束するのは明らかなようだ。

大規模市場のさらなる拡大

アマゾン、マイクロソフト、その他の企業がクラウドからの収益を逃すまいとしていることから、クラウド市場の規模がいかに大きいのかは、何年ものあいだ推測するしかなかった。クラウド市場は変化している。四半期ごとのクラウド・インフラ・サービスの収益(IaaSPaaS、プライベートおよびハイブリッド・クラウドを含む)は50億ドル近くに上り、それに伴って、年間収益は160億ドルを上回るとSynergyは推定している。

成長という点では、アマゾンが市場の大きなベースとなって昨年の収益を上回り続けており、2014年のクラウド収益全体は2013年を48%上回っている。

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これは、AWSが以前ほど大幅にはリードしていないということだ。Gartnerのアナリスト、リディア·レオンが詳述したように、かつてAWSは、自社の次に控える14の競合他社合計の5倍の利用容量を提供していた。

いくつかの推定によれば、AWSは史上最も急速に成長しているソフトウェア事業だ。コンピューティングという商品やストレージ・サービスを販売する企業としては悪くない。

Synergyのチーフアナリストでリサーチディレクター、ジョン・ディンスデールが述べているように、このような懐の大きさによって、AWSはさらに大きな収益を獲得することになる。

現在、クラウドを採用することに対する障害、あるいは障害だと思われていることはほとんど排除されており、クラウドの世界市場は力強く成長軌道に乗っています。AWSとマイクロソフトによって生み出された勢いが特に印象的です。両社はかつてないほど大規模なサービスのポートフォリオを備えており、また、市場の低迷から恩恵を受けています。この低迷が生じたのは価格競争が非常に積極的に行われたためで、2014年上半期の特徴的な出来事でした。

だが、クラウドの富が今まで均等に拡大してきたわけではないのと同じで、誰もが等しくクラウドの未来を共有できるわけではない。

利便性を売りに

Redmonkのアナリスト、スティーブン·オグレディが述べているように、「クラウド・コンピューティングの最も重要な特徴は、参入しやすいことです」。クラウド・コンピューティング·リソースの売りは利便性だ。AWSはどの企業よりもいち早くそれを把握し、着実に利便性を売りにしてきた。

AWSとMicrosoft Azure(とグーグル)がいずれも市場全体より急速に成長し続けているのはそのような理由からだ。プライベートおよびハイブリッド・クラウドを提供する企業は潜在的なユーザーの開拓に力を入れ、企業のITという制約の中で生き延びようとしている。それはクラウドを採用する企業の駆け込み寺のようなものだ。企業のデータセンターやその人員がクラウドという名のドレスで着飾ることは、真のクラウド・リソースをお粗末なもので代用しているにすぎない。

451 Researchのオーウェン·ロジャースによるこのツイートが、このような状況を最もよく表している。マイクロソフトのプライベート・クラウド・サービスで、シンプルなリソースの価格を調べようとして、ロジャースは壁にぶち当たった。

Owen Rogers (@owenrog):「一体なんでこんなに計算が必要なんだ?クラウドのFFSは予想できないスケーラビリティのためにあるんだろ!」

マイクロソフトはAzureでパブリック・クラウドという自由をユーザーに与えるが、それによってユーザーはプライベート・クラウドという地獄の底なし沼に沈む。

Owen Rogers (@owenrog):「@ MicrosoftUKのプライベート・クラウドの価格計算がややこしすぎてありえない。今は2015年だぞ…なんでこんなクソみたいにゴチャゴチャなんだ!」

しかし、マイクロソフトだけではない。これはパブリック・クラウドが不足している際に当然起こることだ。実際、451 Researchが示している通り、「サービスとしてのパブリック・クラウド・インフラ」はITアウトソーシングや企業のIT支出によって成長している。ユーザーに実際にパブリック・クラウドを提供せずしてその恩恵を手に入れようとする試みは、全て頓挫している。

これまでのところ、このような傾向によってアマゾンとマイクロソフトの懐が潤い、Digital Oceanのような小規模な企業も開発者の求める利便性に応えて健闘している。

クラウドの競争者を自認する企業に進むべき道は示された。すなわち、開発者を楽にして、チャンスを生み出すことだ。だが、CIOに従い続ければ身の破滅を招くだろう。

トップ画像提供:George Thomas

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