ある一面から見ると、グーグルはオンラインで広告収入を得ながら、モバイル端末やインターネットサービス関連事業を行っているが、そのほとんどは利益性が低い。別の見方をすれば同社は、期せずして広告から収入を得ることになったものの、本来の姿は野心に満ち、狂気さえ感じさせるようなテクノロジーの革新者だ。

もちろんグーグルは企業として後者の位置づけを選ぶだろう。先週月曜、グーグル製品部門の上級副社長、サンダー・ピチャイはバルセロナで開催されたMobile World Congressで壇上に立った。そこで彼がAndroidのプラットフォームの将来像に関する、グーグルの考えやヒントを示唆したのは驚くにはあたらない。

ピチャイはグーグルの様々なテクノロジー構想の概略から話を始めた。その内容には、リアルタイム言語翻訳や、モバイル開発、仮想現実、モバイル決済などを行うツール、Project Loonなどが含まれる。Project Loonは、気球や軽飛行機によってインターネットを開発途上地域に導入する試みだ。Androidは単にグーグルのマスタープランというパズルの一片にすぎない。もちろん、マスタープランが実際に存在すると仮定すればの話だが。

グーグルの方針を理解してもらうため、ピチャイは同社が実は3つの要素から成り立っているのだと述べた。その3つとは、情報プラットフォーム、コンピューティング・プラットフォーム、「接続のためのプラットフォーム」である。これらがグーグルが明かす多種多様な構想の基礎となるものだ。

もちろん、最終的には、自社サービスを継続して利用してもらい、そのユーザー基盤を様々なやり方で拡大することがグーグルの狙いである。そう、広告収入のためだ。

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Androidがコンピューティングに含まれるのは明らかだ。「私たちはオープンなプラットフォームを構築してきました。それによってあらゆることが可能になります」とピチャイは述べ、同社が様々な端末で実行されるソフトウェアを数多く生み出してきたことに言及した。現在、グーグルのソフトウェアはスマートフォン、タブレット、スマートウォッチやフィットネスバンド、テレビで動作しているが、これらはまだ始まりに過ぎない。

Bloomberg BusinessWeek記者でインタビュアーのブラッド・ストーンはピチャイにこのような質問をした。会議ではグーグルの幹部がウェアラブルから仮想現実端末まで、ありとあらゆるものを引き合いに出すが、来年は何が話題になるか?

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「VRのような新たなジャンルは胸躍るものですが、見る対象の力というのはデバイスのみに留まるとは、私は考えていません」。さらにピチャイはこう続けている。「このようなコンピューティング・デバイスはクラウドと繋がっています。コンピューティングという観点から考えると、機械学習つまり『AI』のようなものを活用することにより、新たなジャンルから得られる体験はより強力なものとなります」。

彼はグーグルが今後数年、これまでの優れた体験を、より「途切れることのない」「ユーザーにとってインテリジェントな」体験へと高めることに力を注ぐと考えている。ピチャイは詳細を語らなかったが、ユーザーが望むことを学習する、必要とするものを予想する、Android端末間でユーザーのために決定を行うという面で、Androidはよりスマートになるだろうと遠回しながら示唆された。

「(私たちの)コンピューティングは、ユーザーが端末でできることを自動化するための開発を行っています」とピチャイは付言した。同社は既に着手しているようだが、ピチャイはグーグルの取り組みは始まったばかりだと述べた。既にGoogle Fiberネットワークや気球によるProject Loonのような実験的な試みを行っているが、テクノロジー界の巨人は接続状況の改善に向けて無線キャリアらと協業する予定だ。ピチャイはグーグルの野望をかなり明らかにしたが、数か月後にさらなる詳細を発表できるだろうとピチャイは述べた。「私たちは多くの可能性が広がる、刺激的な状況にいるのです」。

画像提供:Adriana Lee

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