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(写真:HPのクラウドサービス・チーフ、マーチン・ミコス)

クラウドは比較的新しい市場だが、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が市場を独占し続けようとしていることをあらゆる兆候が示している。AWSは市場シェアを支配するだけでなく、Redmonkのアナリスト、スティーブン・オグレディが称するように、「容赦ない、規模の経済(スケールメリット)」から利益を得続ける側にある。

ターゲットとする市場で、より大きなプレイヤーが影響をもたらすことができるという規模の経済は、率直に言って脅威と言えます。変動費は大量に購入することで減少する。固定費は大量の顧客基盤によって償却される。相対的な効率は、オートメーションや改善プロセスが導入されるに従って増加する可能性がある。優れた人材を得て、彼らを保持する力は、課せられた技術的な課題の難しさに比例して増加する。等々の要因からです

AWS、グーグル、マイクロソフトはこの規模の経済から恩恵を受ける主要な企業だが、HPも多少は恩恵を受けていると考える見方もある。「アマゾン、グーグル、マイクロソフトなどと競合する者、もっと言えばHPやIBMとも競合する者は、それら競合他社に比べてますますコストの問題に直面するということがわかるでしょう」。

HPやIBMにとっては、巨大なクラウド業者と一緒くたにされて、多少は嬉しく思っているかもしれない。しかし現実には、両企業とも規模では競争することができていないのである。では、彼らはどのように競うのだろうか?

戦うか逃げるか

オグレディは、これらの小さなクラウドが「より規模が大きく、コスト競争力のある競合他社ができないか、やろうとしないことを提供し、迅速かつ明確に差別化しなければならない」と述べている。そしてそこに、競争におけるヒントがあるとしている。Digital Oceanのようないくつかの企業は、開発者の利便性に重点を置き、大企業に挑んでいるのだ。

HPは別の道を選択。

HPのクラウド・チーフ、マーチン・ミコス―Eucalyptus(HPにより買収)およびMySQL(Sunにより買収)の元最高経営責任者(CEO)―は、AWSのような巨大企業への対抗手段には少なくとも3つあると見ている。戦うか、逃げるか、最大限に活用するかである。

ミコスが伝えているように、「マイクロソフト、グーグル、アリババやIBMは戦うことを選択しました。彼らは自社のサービスが優れていると主張し、AWSに対して直接対決を挑んでいるのです」。

マイクロソフトは特に、この戦略において成功を見ているようである。一方グーグルは苦戦している。新たなPiper Jaffray CIOの調査が示すように、グーグルはクラウド業者として7%のみの支持を得た(昨年の12%からの落下である)。一方、AWSは(33%から)35%に上昇し、マイクロソフトは(20%から)21%となり、Rackspaceは(15%から)から16%に達した。

言い換えれば、規模は必要ではあるが、「戦う」という選択にはそれだけでは不十分なのである。

「逃げる」という選択をする企業にとって、彼らがデータセンターでニッチな分野を開拓するため、クラウドでの競争とは無関係になっていく。

曇りの状況でも機会を最大限に生かす

しかし、ミコスは「AWSを最大限に活用することを決めた」企業にとって、商機を得るために以下のことが重要だと見ている。「非常に注意深くAWSを観察し、単に技術的な観点からだけでなく、ユーザー・エクスペリエンスの観点や経済的観点から、どのように機能しているか理解しなければなりません」。

HPに関して、彼は具体的に指摘している。

一例として、HPはあらゆる用途にクラウドを提供しています。すなわち、プライベートクラウド、マネージドクラウド、およびパブリッククラウドです。 HPはまた、AWSとの互換性も備えています。これはHPだけなのです。鍵となるのは、AWSに怯えないことだと思います。怯えるのであれば、逃げるか、戦うしかないのです。あなたが冷静に観察し、現状を受け入れることができる場合は、AWSや他社が追求しない(そして、しばしば追求することができない)素晴らしいビジネスチャンスを見つけることでしょう

要するに、今のところは明らかにアマゾンが勝者だと言えるが、長期的に見た場合、勝利はまだ誰のものでもないと言うことだ。マイクロソフトは、CIOたちがパブリッククラウドを簡単に利用できるようにして、これを実証した。 HPはAWSの成功を利用し、互換性をも提供している。

パブリックおよびプライベートクラウドのいいとこ取りをしたいが、マイクロソフトでは不満な企業にとって、HPは良い選択しとなりそうだ。 CIOたちがそれに満足するかどうかまだ分からないが、クラウド市場の勝者がすでに決まったわけではないとは言えるだろう。

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