誰もアマゾンを打ちのめすことは出来ない。倉庫で働いている雇用者たちとの関係にまつわる悪いうわさでさえもだ。むしろこのeコマースの巨人はベイマツ色のメガネをかけ、少し早めに臨戦態勢に入っている。

アマゾンの事業収益は気が滅入るものかも知れない。が、それでもeコマース事業はこの会社のコアで在り続けている。そしてそのことは祝日の買い物シーズンでどこまで売上を伸ばせるかという大きなプレッシャーを産んでいる。値引きだけに留まらず、アマゾンは無料の音楽の他、Fireタブレットユーザー向けのデジタルコンテンツでユーザーにアプローチしようとしている。

アマゾンの総攻撃だ。

アマゾンが第一に考える事は最速であること

ホリデイシーズンとはいつ頃からのことを言うのだろうか? 感謝祭の日の後にやってくるブラックフライデーが、伝統的に皮切りとなっている。私達がハロウィンの仮装を片付ける頃、小売業者達は手をうち始めるのだ。

Web上では買い物シーズンは始まったばかりだ。しかしアマゾンはブラックフライデー、もしくはそれに連なるサイバーマンデーを待つことはない。すぐにでも目を引くようなオファーを打ち出してくる。アマゾンのサイトでは新たなオファーが8日間通して、ほとんど10分に1回出てくる。また感謝祭の夜中からブラックフライデーまでの間に3回、期間限定で特別オファーが打ち出される。

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あなたがアマゾンで買い物をするやり方も変わりうる。Snapchat(SquareとSnapCashの件で協業している)とのパートナーシップにより、ギフトを送る新しいアイデアが生まれた。見たらすぐに消えてしまうおすすめ商品の紹介とSnapchatの特別オファーだ。

購買意欲を更に掻き立てるため、アマゾンはあなた自身ですらそれが好きであったとは分からなかったであろうサウンドトラックを、休日に無料で提供し始めた。これでアマゾンで商品を探しながら、小売業者がBGMで流したがる音楽を盗み聞きすることが出来るというわけだ。

しかしこれには裏がある。このサウンドトラックはPrime Musicに加入してないと手に入らないので、アマゾンのプライムメンバーになる必要がある。プライムメンバーなら専用ページのリンクから、”O Holy Night”、”I’ll be home for Christmas”、”I want a hippopotamus for Chistmas”の他、40曲の音楽をiPhoneもしくはAndroidデバイスから無料で楽しむことが出来る。

凍える季節にホットなサービスを

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アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾスがワシントン・ポストを2.5億ドルで買収したとき、皆は彼が何をしようとしているのかと考えたものだ。今なら分かる。彼はFireタブレットのユーザーにニュースを届けようというのだ。

The Post、700名近くのスタッフを抱えるニュース室と、ピュリッツァー賞を60回受賞したその蓄積が、Fireタブレットの新しいアプリにもたらされるのだ。ワシントン・ポストのFireタブレットアプリはアマゾンのAppStoreで入手可能だ。最初の6ヶ月は無料で使える。このアプリでは新聞の購読も可能だ。ユーザーはまるで雑誌のページをめくるようにコンテンツをみることが出来る”ピンチ・ビュー”が提供される。編集部も情報をケチることはない。朝晩それぞれ5時にこのアプリでニュースはリリースされる。

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今の所このアプリはFire HD/HDX、Kindle Fire HDに限定されているが、来年は対応するデバイスも増える予定だ。

もしあなたが買い物や読書に熱心でないのなら、Amazon Game Studioがアピールするかも知れない。今日、”Tales from Deep Space“という家族向けのゲームがリリースされている。

アマゾンはこのゲームを「銀河でもっともエキセントリックな交通ステーションである月で繰り広げられるコメディ」だと説明している。プレイヤーはセールスマンとその荷物運びであるCASIを月から脱出させるために、パズルを解いていくのだ。ゲームは一人用もしくは対戦モードがある。

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アマゾンのロボットサンタ?

アマゾンは買い物シーズンに対して何気ないようなことを装っているかも知れないが、実際は買い物客に備えるために目の色を変えて頑張っている。

従業員にサンタは居ないが、アマゾンは出荷されるギフトを捌くためにどうにかしなければならない。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じる所によれば、その物量を捌くために、アマゾンは倉庫にロボットを導入しようとしているという。小さくオレンジ色で、1万程度の車輪がついたマシンによって、仕事の大部分がこなされる。

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新聞で報じられている「ある事情通」からの情報によれば、このロボットは、これによって倉庫内の膨大な量の商品を探すためのスタッフの必要性を回避するためのものだという。またサンフランシスコから約60マイル東のトレーシー、カリフにあるアマゾンの120万平方フィートもある倉庫では、4フロア分の固定棚がロボットに入れ替えられたという。これらロボットにより商品が持ちだされ、傍に立っているピッキングスタッフに渡されるという。

ロボットによって荷物の搬出は捗り、消費者を喜ばせることになるだろう。しかし、これが軌道に乗れば、40ある倉庫ネットワークで働く生身のスタッフは、消費者のようには喜べないだろう。

最近の彼等を取り巻く環境はジェットコースターに乗っているかのような変貌を遂げた。全国労働関係委員会との同意により、アマゾンは自社のルールの幾つかを変更し、米国の倉庫スタッフが労働環境や給与について交渉する事を許した。かつてこのような事については、態度をはっきりさせていなかった。

また締結された合意では、雇用者に労働組合を組織する権利があることを投書により知らせることを、アマゾンに認めさせた。これはオンライン小売業者では初めてのことだ。

この2件はリンクしている。ロボットは労働組合を作って会社に苦情を言ったりはしない。この事はアマゾンがドローンによる配達を模索したり、ロボティックメーカーのKivaを2012に買収した理由の一部かも知れない。「機械が仕事を奪う」という懸念は倉庫/工場その他のスタッフが長年恐れている事だ。

アマゾンの顧客は特別オファーや無料サービスの恩恵を被り、これまで以上に効率的かつ安価に配達がなされる中、それに従事する社員たちは同じようには喜んでいないかも知れない。

画像提供:
商品画像:Amazon
Jeff Bezos写真:Steve Jurvetson
ロボット写真:Kivan Systems

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