先週水曜日、Mozillaとヤフーは、今後5年間、米国でのFirefoxのデフォルト検索エンジンをグーグルからヤフーに切り替える契約に署名したと発表した。この変更はデスクトップとモバイル両方のブラウザに適用される。

ヤフーの検索結果ページはヤフーによりデザインされているが、実際には検索結果そのものはマイクロソフトのBingによるものだ。マイクロソフトのInternet ExplorerはかつてFirefoxの最大のライバルだった。しかし今やFirefoxを蝕むのはIEではなく、グーグルのChromeである。

検索エンジンの変更は、Firefoxユーザーを待ち受けている変化の一つにすぎない。来月には「クリーンでモダンなインターフェース」の検索ブラウザと、新たに「トラッキング拒否」設定の提供が始まり、プライバシーに敏感なユーザーは、広告主による監視を心配しなくてもよくなる。

Firefoxは今月上旬に10周年を迎えたばかりだが、誕生から今まで、世界の大半でグーグルをデフォルト検索エンジンとしてきた。ヤフーへの変更それ自体が大きなターニングポイントとなる。――Mozillaがそれをありふれた問題だと表現しているとしても。

「グーグルとの契約は今年最終年を迎えました」。Mozilla CEOのクリス・ベアードは公式ブログに書いている。「これによって競争戦略を見直し、別の選択肢を探る好機が生まれたと捉えています」。

その新たな選択肢となった、ヤフーのCEO、マリッサ・メイヤーは、検索トラフィックを最優先事項として考えることとなった。

「ヤフーでは、検索機能を重要視しています」。The Vergeは彼女の言葉を引用している。「我々にとっては、投資、好機、成長の可能性のある分野なのです」。

数値から見ると

ヤフーにとって、この協定はデスクトップPCとラップトップから利益をもたらすものとなるだろう。Firefoxはデスクトップのブラウザ市場で12%のシェアを持っているからだ。一方モバイルではわずか0.32%のシェアにすぎない。この大きな違いはただ一つのシンプルな理由、入手方法の違いから来ている。Firefox OSはまた別の話だが、MozillaはAndroidでしか使うことができない。そしてAndroidは、グーグル製の内蔵ブラウザであるChromeや、携帯電話キャリアやメーカーによってインストールされている他のブラウザとの競争の場となっている。加えてMozillaは昨年、Windows Phoneへのサポートを終了し、iPhoneやiPad向けのフルブラウザは作っていない。

近年はFirefoxのデスクトップにおけるシェアさえも著しく侵食されつつある。例えば2013年6月、Firefoxは市場の19%のシェアとなった。これは1年強で最大の7%の減少である。

しかし、未だにFirefoxは検索トラフィックのにおける一大勢力である。Mozillaのベアードによると、Firefoxユーザーは毎年1,000億回以上のウェブ検索を行っている。2012年のグーグルでは1.2兆回の検索が行われたので、検索ブラウザの市場でグーグルの支配に食い込むのは難しいだろう。しかし検索トラフィックを過去10年の間に失ってきたヤフーは、大幅なトラフィック増を期待しているはずだ。

ヤフーは得られる範囲でのあらゆる助けを必要としている。comScoreによれば、グーグル(市場シェア67.3%)とマイクロソフトのBing(同19.4%)に続き、ヤフーは10%でシェア3位となっている。

変化を快く受け入れるユーザーは、新ブラウザのアップデートが公開される来月、新しいヤフーのデフォルト検索を試すことができる。ヤフーを好ましく思わない場合も、心配無用だ。Firefoxはオプションからグーグルを外してはいない。代替となる旧タイプの検索エンジン、Bing、DuckDuckGo、eBay、Amazon、Twitter、Wikipediaなども引き続き使用可能だ。

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