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※本記事は、エンジニアのシゴト人生を考えるWebマガジン「エンジニアtype」の記事をReadWrite Japanにご提供頂いたものです。

エアロスミスとの共演も記憶に新しいヒューマンビートボクサーのHIKAKIN氏をはじめ、自主制作したYouTubeの広告から収入を得る「YouTuber」と呼ばれる動画クリエイターの存在が、広く一般にまで知られてきている。

最近では、こうしたYouTuber人気に目を付けた企業が彼らとコラボした宣伝タイアップを依頼するケースも増えてきており、売れっ子YouTuberの中にはネット動画の枠を超えてテレビCMに進出する例も出てきた。

それに伴い、動画制作のサポートサービスを手掛ける企業も出現。「YouTuber初のプロダクション」を名乗るuuumもその一つで、プロモーションの分野でYahoo!JAPANとの業務提携を発表するなど、活発な動きを見せている。

uuumを介して制作され、昨年10月に公開されたHIKAKIN氏とアンファー・スカルプDのコラボ動画は、2014年9月末時点で再生回数約56万回。ほかにもジェットダイスケ氏、sasakiasahi氏ら人気YouTuberを多数抱えており、クライアント企業との間に立って、動画コンテンツ制作からグッズ販売、イベント運営、メディア取材対応など、総合的なマネジメントを行っている。

YouTuberは今、なぜ人気を博しているのか。企業はどのような場合に、YouTuberを起用するメリットがあるのか。uuum代表取締役の鎌田和樹氏に話を聞いたところ、YouTuberとのコラボプロモーションがうまくいくためには、5つのポイントを押さえる必要があることが分かってきた。

【1】KPIは何か。認知度アップが目的なら好相性

uuumが企業側から依頼を受ける際に、まずヒアリングするのが、商品の説明、ターゲット、そして何をしたいのか。つまり、KPIをどこに設定するかだという。

「商品の認知度アップを目指すのであれば、YouTubeをはじめとする動画共有プラットフォームには、再生回数という明確な数字があります。実際、弊社に寄せられる依頼も、商品の認知度を高めたいというご要望が最も多いです。そうしたクライアントは普段からYouTubeをよく視聴している人であることが多いので、数万回、数十万回再生されることの難しさ、価値をご存知のようです」

【2】商品とクリエーター、視聴者の属性が合っているか

uuumには現在、20人のYouTuberが所属しているが、それぞれが異なるファン層を抱えているため、告知宣伝も得意なジャンルが異なる。ゆえに、企業が売り出したい商品とクリエーター、視聴者の属性が合っているかどうかは、非常に重要なポイントになる。

取扱説明書を起こしただけの説明動画であれば、そもそもYouTuberを必要としないケースもある。uuumでは、プラットフォームの種類やYouTuberの出演のある・なしも含めてクライアントに提案し、広く動画制作全般を請け負っている。

【3】クリエイターの自発的な動機・自由な発想で動画は生まれる

「経験上、偶然の産物のようにして生まれたコンテンツの方が(再生回数が)伸びているように思います。台本どおりには作れないのがYouTubeの動画なんです。そのため、台本を事前に求めるクライアントには、ディレクションの考え方について丁寧に説明して理解を求めます」

このあたりは、YouTuberが作る作品の自発性、中立性といった良さを殺さないための配慮といえる。もともと自主制作から始まったYouTuberの興りとも関係がありそうだ。

典型的なのが、「超自由系YouTuber」はじめしゃちょー氏が手掛けた、レオパレス21とのタイアップ。もともとレオパレスに住んでいることを公言していたことが、企業側からのタイアップ提案に結び付いた。クリエーター側の自発的な動機、自由な発想で制作に取り組めたため、再生回数の伸びる質の高い動画ができ上がったという。

HIKAKIN氏とアンファー・スカルプDのテレビCMも、もともとはHIKAKIN氏が自主的に制作した動画の中で商品を紹介していたことが発端。目をつけた企業側から新商品についてのタイアップの話が持ちかけられ、最終的にテレビCM出演までつながった。

【4】相性がいいのはスマホアプリ、ゲーム、ファッション

商品別では、スマホアプリとの相性がいいという。

「まだまだPCの方が見やすいといっても、スマホのユーザーの比率もかなり高くなってきているので、視聴してすぐにダウンロードという行動に結びつくケースが多いようです」

ほかに、コンソールも含めたゲームやおもちゃ、女性のYouTube視聴が多いファッションやメークなども、YouTuberとの相性がいい分野と見られている。今年8月、スマホゲームでは地上波初となる「YouTuber完全プロデュースのテレビCM」を流した『チャリ走3rd RACE』などがその好例だ。

「ただ、これはあくまで現時点での成功事例です。世の中には、文字で伝わらない商品がどんどん増えてきているので、各企業に足りないノウハウを提供していければと考えています」

【5】根底にあるのはクリエーター第一主義

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「動画の一番いいところは、見た人に必ず、何かしらの分かりやすい影響を与えられるということ」と話す鎌田氏

uuumのサービスポリシーの根底にあるのは、クリエーター第一主義とでもいうべき信念だ。

uuumの創業は昨年6月。鎌田氏と既知の間柄だったHIKAKIN氏に、企業からの仕事が入り始めていた折だった。

「法人は個人相手に仕事を依頼しにくい。個人も企業と仕事をしたことがない。間に発生する煩わしい手続きに追われて、制作活動に専念できない状況でした。周りを見渡せばクリエーターはみな、同じような悩みを抱えていた。クリエーターが制作に没頭できる環境を作れないかと考えて立ち上げたのが、uuumです」

今後はYouTuberの存在をより広く知ってもらうべく、活躍の場を動画の「外」にも積極的に広げていきたい考えという。

「クリエーターはそれぞれ日々面白いことをやっている。僕らはそれをサポートすることで、結果として面白い体験をさせてもらっていると思っています。動画の一番いいところは、見た人に必ず、何かしらの分かりやすい影響を与えられるということ。クリエーターと視聴者をつなぎ、いい動画をより多くの人に届ける手助けができたらいいなと思っています」

記事出典:エンジニアtype

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