アップルの「HealthKit」はフィットネス・アプリをウェアラブル端末やiPhoneなどと連携させるためのソフトウェアプラットフォームだ。数ヶ月前に発表された際、このHealthKitはまるでエクササイズ後のように息を切らせて興奮するデベロッパーによって迎えられた。

私は当時このHealthKitの熱狂ぶりに水を差した。なぜなら当時のドキュメントから読み取れる仕様では、それはあくまで医療向けのタスクが中心で、体温の記録など直接フィットネスと関連しない機能ばかりが目立ったからだ。

しかしその後、アップルの役員はフィットネス向けアプリのデベロッパーと頻繁にミーティングを行い、最新のiOS 8(iPhoneソフトウェアの次期バージョン)のベータ版に含まれるHealthKitは、ワークアウトに十分有効なプラットフォームへと大きく進化している。

決定的なのは、アップルが今月リリースしたHealthKitに運動を記録するために必要なデータタイプに対応したことだ。これは当初リリースされたものには存在していなかったものだ。これによってHealthKitアプリは運動の種類、時間、消費カロリーなどを記録することが可能となる。

医療用途のアプリでさえ、より意味のあるデータを取得することが可能だ。フィットネス向けアプリ・デベロッパー、MD RevolutionのCEOで心臓専門医のサミール ・ダマーニによると、当初のHealthKitには体脂肪率などを取得する方法がなかったという。体脂肪率は近年の臨床研究でBMIや体重よりも人の健康状態を正確に把握するに有効とされている。

この点においてアップルは今グーグルに追いつこうとしている。グーグルの「Google Fit」ソフトウェア・ツールは、公開当時からより多くの運動向けの機能を搭載しており、Android上で新しいデータタイプを追加するための優れた構造を持っている。

最新の報道によれば、アップルはウェアラブル端末(いわゆる「iWatch」)を9月に発表する。これは当初予想されていたよりも早いタイミングだ。アップルのドキュメントの中にあるそのデバイスに関する唯一の手がかりは、手首に装着するデバイスから心拍数を記録出来るというHealthKitの機能ぐらいだ。

HealthKitはさらに睡眠状態の情報も記録でき、ユーザーがベットにいるかどうか、あるいは実際に眠っているかどうかなども識別する。これはこれはJawbonwe Up、FitBit、Runtastic Orbitなどの端末と同様だ。

しかし問題なのは、アップルがこのデータを何に使うかということだ。iWatchや他社製のHealthKit対応端末から集められた情報の使い道が注目される。

「アップルのDNAからすれば彼らはデータの分析は行いません」とMD Revolutionのダマーニは話す。それはHealthKit対応アプリに任されるだろう。

いずれにしても、アップルがHealthKitに本腰を入れていることは悪い話ではない。看護師がクリニックで取るような最低限の人体データを越えて、ユーザの健康状態をより物語る運動時の情報へと取り組んでいることは評価したい。

トップ画像提供:Shutterstock

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