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世界各国の言語に対応するタイプフェイスを想像してほしい。出版社がアラビア語、チェロキー語、エジプトの象形文字など全ての文字をフォントの切り替えなしに出版できることを。

そのことこそ、現在96言語をサポートする無料のフォント・ファミリー、Google Notoが目指すものであり、グーグルは全言語をサポートしたいと考えている。Notoは「ノー・トーフ」を意味する。トーフとは、タイプフェイスでサポートされていない文字を表示すると現れる白い四角形(□)のことである。

2012年にスタートしたNotoフォント・ファミリーは、現在100,000文字に対応している。先月、グーグルはアドビをパートナーに迎え、新たに簡体字・繁体字中国語、日本語および韓国語のフォント・コレクションをリリースした。これは別々に使うことも、1つのファイルにまとめて使うことも可能で、ライターはフォントの切り替えなしに言語を切り替えできる。

技術機関が世界中のフォントを統一しようとしたのはこれが初めてではない。1987年、Unicodeコンソーシアムは、コンピュータのフォントを世界各国の言語に準拠させる方法を開発し始めた。その結果がUnicodeスタンダード、地球上の全ての文字を最終的に表すよう設計された文字コードのシステム、である。

Unicodeスタンダードは、2008年まではウェブブラウザに採用されなかった。未だに全言語の文化的に繊細な違いを完璧には表現できてはいない。Unicodeスタンダードは、特定の言語ではなく、文字の汎用性を念頭に置いて設計された。それ故、新たなグローバル・タイプフェイスの活躍の場は残されていると見るべきだろう。しかしながら、グーグルがその場にふさわしいかどうかは議論の余地がある。

アリ・エテラズ(パキスタン系アメリカ人のライター)は、グーグルのような巨大ソフトウェア企業がこのプロジェクトのリーダーとしてふさわしいかどうか疑念が残る、とNPRに語った。「私は2つの考えに揺れています。グーグルの行為は親切心から来るもので、世界にとって有益となりえるものでしょうか?それとも技術を広めて世界を支配しようとしているのでしょうか?」

言い換えれば、グーグルのみが決定権を持つ場合、このプロジェクトから外された言語を使う人々への不利益を批評家は懸念しているのだ。例えば、Notoのウルドゥー語の取扱いについては既に問題が発覚している。ウルドゥー語にアラビア文字を誤って採用していたのだ。

グーグルはすでに莫大な労力を注いでいる。しかし、世界中の言語が持つ文化的に繊細な違いまで表現するためには、Unicodeですら見過ごしてきた言語のサポートも必要になるだろう。NPRは有名なウルドゥー語の詩で使用された筆記体の一種、ナスタアリーク体を例に挙げた。現在、オンラインで共有するには画像ファイルを用いるしかないのである。

Google Notoは一般的な現代の言語をサポートするだけでなく、少数言語と古語のサポートへ向けてすでに大きな一歩を踏み出した。このような言語のサポートには大規模な調査と開発が必要になるが、これがNotoの最終目標「言語間の視覚的調和」を本当に達成する唯一の方法である。

トップ画像提供:NASA

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