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それが正当であるかどうかは別として、インターネットに自分のことを忘れてほしい人はかなりたくさんいるようだ。

欧州連合(EU)の司法裁判所は5月、EUあるいは潜在的に地域外の個人がそれを望む場合、グーグルは「不適当、無関係、あるいはもはや関係のない」検索結果を削除しなければならないとの裁決を下した。ヨーロッパの行政監督機関へのレターでグーグルは、7月18日時点でこの新たに作成された「忘れられる権利」に基づき、検索結果から328,000のURLの削除を求める91,000のリクエストを受け取ったと報告している。

この問題はあまりスムーズに進んでいない。7月、グーグルはGuardianのウェブサイトへのリンクを一旦削除し、その後何の説明もなくこれを復活させている。

その上、グーグルは裁判所の曖昧な規定によって、あらかじめ予測できたはずのいくつかの問題に直面している。それは間違いや不正確な情報を提供する人々、公の記録から自身に関する情報を削除したいだけの著名人などからのリクエストだ。

例えば、グーグルは「何人かのプロのジャーナリストが、もはや自分と関係のない出版物に対して過去に自分の書いた記事の削除を依頼してきた」と報告している。より深刻なのは:

たとえ削除依頼者が我々に正確な情報を提供しているとしても、彼らは単に自分にとって都合の悪い事実が知らされることを避けたいだけかもしれない。そのため我々には、探索結果へのアクセスを残すほうが適切だという側に立った情報を知らされない可能性がある。例えば、ある十代の頃に多くの犯罪に関して有罪判決を下されている人物に関する古い記事の削除のリクエストでは、その古い記事にその人物が成人になって同様の犯罪で再び有罪になっている最近の記事に関する更新が存在することが省略されている。あるいは、依頼者がかつて公人であった(報告された活動や政治姿勢などは当時の立場では適切なものである)のに、その事実が明示されていないケースなどもある。

フランスは58,000のURLに関する17,500もの「私を忘れて(forget me)」リクエストでヨーロッパをリードしており、ドイツが 57,000 URLに関する16,500のリクエスト、イギリスが44,000のURLに関する12,000のリクエストとそれに続いている。グーグルはこれまで、リクエストされたURLの総数のうち53%を削除したという。

プライバシーと「知る権利」のバランスの問題

グーグルが削除するのは、ユーザが求めるウェブページ自体ではなく、あくまでグーグルの検索結果に表示されるリンクであるという点に注意が必要だ。したがって、グーグルがリンクを削除したとしても、そのページ自体はウェブ上で閲覧可能であり、別の検索手段によって発見される可能性がある。

グーグルは「忘れられる権利」と「人々の知る権利」の間の妥協点を見出す目的で諮問委員会を組織した。一方でグーグルは引き続き、今回の裁決に起因して残りの削除リクエストに対応する必要がある。同社によると、それは可能な限り迅速に進められているという。

トップ画像提供:Moyan Brenn(Flickrより)

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