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「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」は疑う余地のない巨大な勢力となった。しかしその成長がいかに凄まじく、前例の無いものだったかについてはあまり多く知られていない。Businessweekのアシュリー・ヴァンスによると、AWSはソフトウェア・ビジネスとしては歴史上最も成長が早く、最短で10億ドル規模へと到達しているのだ。

当初アマゾンは顧客からAWSのセキュリティーやパフォーマンスなどの懸念を持たれていただけに、それを克服して成長したことにはなおさら驚くしかない。いまやそういった懸念は、AWSがデベロッパーに提供する利便性に比べれば大した問題ではなくなってしまっている。

AWSの規模はどれぐらい大きいのか?

AWSの成長に関する噂はここ何年も続いている。Pacific Crest Securitiesによると、2014年のAWSの収入は50億ドルを突破し、2015年にはさらに67億ドルにまで成長するという。

売上金額もさることながら、AWSの成長性には感心させられる。Pacific Crestの試算では、今年だけでAWSの収入は58%も増え50億に達する。2013年の収入が31億ドルで、その前年の2012年の収入は19億ドルだった。つまりAWSの収入は2年ごとに倍に増えていることになる。

圧倒的なスケールだ。

それにAWSの成長はこれまでのソフトウェア・ビジネスに比べてもそのスピードがはるかに速い。(下記のグーグルを示す線を、私はこの見解に含めていない。同社の収入は広告から成り立っており、ソフトウェアの販売ではないからだ)。

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「10億ドル以上のレベニュー上昇傾斜(ソース: Company reports, Pacific Crest Securities)」

Gartnerが指摘するように、AWSは競合15社を合わせた5倍の処理能力を保持している。もっともこの数値は2013年にGartnerのアナリスト、リディア・リオンが計算しているため多少変化があるかもしれない。近年ではマイクロソフトのAzureの成長やグーグルの技術面と価格面でのチャレンジなどもあるからだ。

しかしいまだ規模や成長の面ではAWSがクラウドの王者だ。

AWSが選ばれる理由とは?

以前も取り上げたことがあるように、マイクロソフトなどの競合はAWSを複雑で扱いにくいものと位置づけようとしているが、実際にはAWSはデベロッパーが「材料調達をすませる」ために最も好ましい選択肢となっている。これによって企業は自らコントロールできる範囲が狭まるのではと心配している。

それは正しい。しかし、それこそがAWSの特徴なのだ。

Forresterが指摘するように、AWSが選ばれる理由はスピードと実行力で企業のコントロールではない。それがデベロッパーと企業がクラウドに第一に求めていることなのだ。

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もともとデベロッパー達はAWSを開発やテスト環境として利用していたようだが、Pacific Crestのアナリスト、ブレント・ブレスリンは「2014年は企業によるクラウド導入の過渡期となりそうです。新規アプリケーションのテストや開発環境からより重要な用途にも利用されはじめています」と注目している。

これを中小企業に限った動きだと考える人には決してそうでないといいたい。1つ例をあげると、私はつい最近Fortune50に登録されている大企業(銀行)のIT担当役員から、既存ITインフラがその銀行の通常業務には向いているが革新的な活動には逆に妨げとなっていると聞いたばかりだ。彼はクラウドを利用して開発とオペレーションの間の距離を短縮し、アプリケーション開発の速度を向上させたいと考えている。

今後我々はこういった話を繰り返し聞かされることになりそうだ。Boxも痛感しているように、アプリケーションを巨大なスケールで運用することは特に難しいのだ。

AWSはまぐれ当たりで拡大しているわけではない。50億ドルの収入に見合うだけの優れた利便性をデベロッパーと彼らの企業に提供しているからこそ、今日の姿があるのだ。

トップ画像提供:Hammerin Man(Flickrより), CC 2.0

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