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ヤフーは検索の領域でグーグルに対抗できる数少ない企業のうちの1つだ―少なくとも理論上は。伝えられたところによると、同社は別の領域でもグーグルへの挑戦を計画している。それはユーザ投稿型ビデオ、すなわち YouTube だ。

ヤフーは、このグーグルのビデオ・プラットフォームからコンテンツ制作者達を引き入れる試みとして、独自の YouTube クローンを数ヶ月以内に公開するようだ。ウォールストリートジャーナルによると、ヤフーは YouTube クローンの実現に向けて、動画配信サービスの News Distribution Network を3億ドルで買収することを検討しているという。

しかし一体ヤフーはどうやって YouTube のビデオ制作者達を誘致するつもりなのだろうか?それは簡単だ。YouTube の収入に依存している彼らに対し、より多くの報酬を支払うのである。

Recode によると、ヤフーは「YouTube のビデオ制作者とビデオ所有者双方からの、十分な利益が出せていないという執拗な苦情」を利用して、ユーザにアップロードされたビデオに関する広告収入の改善あるいは広告レートの保証を行うという。同社は、ビデオ制作者がヤフーを通じて広告を売ることさえ可能にするらしい。

「YahooTube」は成功できるのか?

グーグルが所有するビデオの王者 YouTube を新しい競争にさらすことは、ビデオの制作者と視聴者どちらにとっても悪いことではない。しかし「打倒 YouTube」を宣言することと、実際にそれを達成することには大きな違いがある。

ある程度まで、YouTube はパレートの法則(80:20 の法則)に従っている。同サイトには何十億ものビデオが存在し、毎分 100 時間を越える映像がアップロードされている。しかし YouTube の成功の 8 割を生み出しているのは、全体の 20% にあたるクライアントだ。この 20% のクライアントとは、口コミで広がるビデオや「スター」投稿者、大型ネットワークなどであり、これらが高い集客力のコンテンツを生み出しているのだ。

そこでヤフーは YouTube のこの 20% を形成する「スター」投稿者や大型ネットワークにリーチし、より収益性の高いビジネスモデルを提供ようと考えている。唯一の問題は、ヤフー自身に「破壊者」という評判が立ってしまっていることだ。

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ヤフーはこれまで新規事業や企業買収に大金をつぎこんできたが、その成果をほとんど出せていない状態だ。YouTube の「スター」達を個々に誘致したほうがよっぽど投資対効果は大きいかもしれない。

しかし、今のヤフーには勢いがある。検索トラフィックでは昨年の夏、グーグルのデスクトップ・ウェブトラフィックを瞬間的に凌いだこともあるくらいだ。コンテンツ制作者を説得して自社の YouTube クローンに参加させるため、ヤフーは検索における自社の評判と、検索を動画のプロモーションとしても利用できる点を強く押し出している。これはビデオ所有者にとって収益の面で非常に魅力的であり、まさに今の YouTube コンテンツ制作者達が望んでいるものだ。

コンテンツ制作者に儲けさせるというのは正しい考えだ。しかし今のところ不明なのは、ヤフーが生み出す動画サービスに人々が興味を示すかどうかだろう。

元グーグル社員で現在ヤフー CEO のマリッサ・メイヤーが会社を指揮するようになってほぼ 2 年が経ち、ヤフーにもグーグルらしさ(あらゆるプロジェクトに投資を積極的に行う)が見られるようになった。しかし、40% を所有していた Alibaba グループの株式売却以外、同社のビジネス再生はあまり達成されていない。ただ Recode が指摘するように、この株式売却だけで「グーグルに対抗するために十分すぎる資金を用意できる」のだという。

しかし、グーグルと違ってヤフーが実現できていないのは、自社サービスの統合だ。ヤフーは様々なサービスを持っており、モバイルの面からもそれらにますます力を入れている。しかし、人気があると言えるサービスはほんのひと握りである。ヤフーがさまざまな理由から YouTube に不満を持つ人々にアピールすることは正しい選択かもしれない。しかし、まずはそれが人々を惹きつける見込みがあるということを証明する必要がありそうだ。

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