最後のビットコイン・ウォレット「Blockchain」がApp Storeから消滅

アップルが「Blockchain」アプリをApp Storeから削除し、ビットコイン信者たちの間に動揺が広がっている。Blockchainは、iPhoneユーザーがApp Storeからダウンロード可能な唯一のビットコイン・ウォレットであった。

BlockchainのCEOニコラス・ケーリーによれば、削除にあたってアップル側からはほとんど何の説明もなかったようだ。ケーリーがWiredに語った内容によると、App Storeから突然メールが届き、そこには「ある解決不可能な問題によって、Blockchainは the Appから削除されました」とだけ書かれていたという。

Blockchainアプリは世界各国12万人のiPhoneユーザーに利用されており、ユーザー達はこのアプリを使ってモバイル上でビットコインの売買を行っていた。Blockchainがここまで人気だったのは、おそらくこのアプリがApp Storeに残された最後のビットコイン・ウォレットだったからだ。2012年には「BitPak」が今回と同様にアップル側から何の説明もなく削除され、同年11月には「Coinbase」が同じ運命を辿った。

ビットコイン信者たちは今回のニュースを、アップルが自身の競合を排除しようとしている証拠だと捉えている。アップルCEOのティム・クックは最近、同社が新しいモバイル決済システムを開発していたことをほのめかしており、これが次のiPhone 6と共に登場する可能性があるのだ。このような理由から、アップルはビットコインを競合だと見なしているのかもしれない。

Blockchainはアップルに対し以下のように返答している。

アップルによるこのような対応は、App Storeのきまぐれで非競争的な性質を露見させるものです。App Storeの方針は明らかに、決済におけるアップルの独占を保護するためのものであり、ユーザーのニーズや要望は考慮されていません。

一方、ジョージメイソン大学のMercatus Center上級研究員であり、同大学のテクノロジー・ポリシー・プログラムのディレクターも務めているジェリー・ブリトは、これに対して異なる意見を唱えている。アップルの対応は独占のためではなく、App Store上のアプリに起因するリスクを嫌った結果であるというのだ。

アップルは、App Storeが行うアプリの選別を「付加価値」だと考えていると思います。アップルは何らかの危険を伴うアプリや、ユーザーエクスペリエンスが悪いと判断したアプリをリジェクトする傾向にあります。マーク・フィオーレの政治風刺漫画アプリをリジェクトした際にアップルが巻き込まれたトラブルを覚えているでしょう?私は今回の件も、アップルが今後公開すると噂されている決済テクノロジーの競合を排除しようとするものではないと考えています。ただ、アップル側は今回の決定に関して何も明らかにしていないので、そのように捉えられても仕方がありませんね。

ビットコイン信者たちは引き続きアップルからの説明を求めている。r/bitcoinのメンバーのなかには、自分たちのiPhoneを叩き壊す様子を動画に撮るものまで現れている。彼らはiPhoneよりもビットコイン・フレンドリーな端末であるNexus 5に買い替えるつもりのようだ。

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