中国政府がAndroid、iOSへの対抗策として独自OSを開発

china-cos中国政府はどうやらiOSやAndroidといった外国製のモバイルOSを快く思っていなかったようで、独自のOSを中国国内で開発した。LinuxベースのオープンソースOSで、「China Operating System」(通称COS)と呼ばれている。

中国共産党の機関紙「人民日報」によれば、COSは中国科学院ソフトウェア研究所(ISCAS)と上海聯彤網絡通訊技術有限公司(通信技術およびソフトウェア開発を行う企業)との共同プロジェクトによって開発されたという。COSのサイトによれば、COSはスマートフォン、パソコン、スマート家電、セットトップボックス用に開発されたもので、その目的は「インフラとなるソフトウェアの海外製品による独占状況を打破する」ためである。

先週水曜日に行われた発表会で、ISCASの代表は他国によるモバイルソフトウェアの「独占」状態を中傷し、中国独自のCOSの促進を訴えた。Engadget中国版によれば、ISCASの代表はiOSを「閉鎖的エコシステム」だと批判し、Androidの「悪名高い断片化問題」を取り上げ、AndroidもWindows Phoneも「セキュリティがお粗末」だと付け加えた。

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中国の消費者は、登場したばかりのCOSに対して早くも懐疑的な考えを持っているようだ。Quartzのジェニファー・シュによれば、COSの発表が行われた後、中国版SNS「微博」にはスマートフォン・ユーザーから多くの批判的な書き込みが寄せられているという。「COSって何の略?COPY ANOTHER SYSTEM?」とその名前をからかう内容や、「まずは共産党員や幹部、指導者達が自分たちのiPhoneを捨てて我らの優秀なOSを使うべきだ!」といった皮肉なコメントが目立っているようだ。

疑われて当然の過去

china-cos-2消費者たちが、自国の政府がモバイルOSを作ることに対して疑いの目を向けるのも無理はない。実は中国がOSを開発するのは今回が初めてではないのだ。中国にとってCOSは二度目の挑戦となるのである。

中国は過去に一度、Linuxベースのオープン・モバイル・エコシステムを開発している。しかしOPhone又はOMS(Open Mobile System)と名付けられたこのOSは、2009年のリリース以降動きがない。OPhoneは2010年に廃止されたと考えられているが、現在でも600程のアプリと共にひそかに存在し続けている。

中国政府は、昨年問題になったアメリカ国家安全保障局(NSA)によるスキャンダルを利用して自国のCOSを後押している。しかしよりにもよって中国政府が後押しするOSとなれば、逆に政府のスパイ活動に使われる疑いは強まる一方である。

そもそも中国は社会政治学的な自由を制限する傾向が強い国だ。インターネットへのアクセスのみならず、集会の自由、信教の自由、出産の自由までもが制限されている。政府は自国民に対するスパイ活動や検閲行為によってこれまでに何度も批判を受けているし、最近では官僚同士が互いへの不信感から寝室やシャワールームを盗聴し合っている状況だという。中国の前主席ですら、他の党幹部によって盗聴されていたほどなのである。

COSが一般に普及するためには、中国国内のキャリアや端末メーカーからの支持が欠かせない。しかし、Huawei TechnologiesをはじめZTE やLenovoといった主要企業もまた、中国軍部との繋がりが非難されたり、米国に対するスパイ活動の疑いが持たれたりしているのである。

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文中画像:China-COS

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