再生可能エネルギーの分野における究極のゴールは、その「自立化」にあった。企業や家庭で使われるエネルギーがCO2を産まない完全に再生可能なものだけになるよう、市場全体が動いている。数年前までは単なる理想に過ぎなかったが、近年、太陽光発電が完全に再生可能な信頼できるエネルギーに近づきつつある。そのタネはバッテリーだ。電気自動車のテスラから大手電池メーカーのデュラセルに至るまで、様々な企業が市場に参戦し、太陽光発電業界に変革が訪れようとしている。

急速に高まる太陽光発電の需要

今日のエネルギー市場において、太陽光発電の需要が高まっている。環境関連の法律に関するグループ ClientEarchのアンケートでは、英国の一般人71%はコミュニティのエネルギー戦略に興味を持っているが、政府によるサポートとガイダンスが現状よりも必要だと考えているそうだ。また、バッテリーに興味を示しているのはおよそ60%で、英国にはサポートさえあれば環境に優しいエネルギーに乗り換えることを厭わない大勢の人々が存在する事実を表している。Bloombergによる最新のNEF(新エネルギー金融)レポートにも、2050年までに太陽光及び風力発電が電力全体の半分を賄うようになるだろうと報告されている。

その成長を支える上で重要なのがバッテリー容量だ。Bloombergでヨーロッパ及び中東エリアの責任者を務めるセブ・ヘンベスト氏は「2050年までにバッテリー容量に対して5480億ドルが投資されるでしょう。その3分の2は送電網のレベルで、3分の1は企業や家庭の電力計に関することです。安い蓄電池の登場により、風力や太陽光による電力供給が益々可能になり、無風状態や太陽が出ていない時でも電力需要を支えることが出来るようになります。結果、石炭やガス、核などによる既存の電力市場は、再生可能エネルギーにリプレイスされるでしょう」と述べる。

欧州の太陽光発電と蓄電池

太陽光蓄電池は高価格帯だった当時と比べると、現在はよりお手頃で現実的な選択肢となった。ドイツによって開拓された固定価格買取制度(FIT)は、太陽光発電への切り替えを促すものだ。これは家庭で生産された電気に対して、定額の報酬が支払われる制度である。英国ではこのプロセスが終了し、2019年3月以降は新規の受付を終了する。現状その代替となるスキームも計画されていない。

しかし英国政府側も固定価格買取制度の成功を認め、8年間という比較的短い期間で80万世帯へ太陽光発電が導入された。同政府は行政による大々的なサポートはこれ以上不要と判断し、「蓄電技術などのテクノロジーが益々重要な役割を果たすようになり、政府は直接的な支援によってこれらを展開する方法を模索しています」と表明している。

アフリカにおける太陽光発電と蓄電池

アフリカや中央、東南アジアなどの途上国でも太陽光発電が注目を集めている。人のいない砂漠での太陽光発電の利用は非常に大きなポテンシャルを秘めているが、蓄電池が効果で実用に至らないと考えられていた。最近までそのような状態だったが、世界銀行が発展途上国のエネルギー貯蔵能力を高めるため、10億ドルの投資を発表した。国土のほとんどが空き地であることから、このブームの影響を最も受けるのがアフリカだと言われている。

米国における太陽光発電と蓄電池

米国ではリチウムイオン電池が車の電源や太陽光発電の電池として使われてきたが、欠点として貴重な鉱物が必要で、発火や爆発するといった危険性もあり、なにより驚くほど高価だ。カリフォルニアの大金持ちであるパトリック・スンション氏が経営するエネルギー企業が最新のイノベーションを発表した。

彼らの出した答えは亜鉛と空気を使った充電可能な太陽光電池だ。この新しいバッテリーは今のリチウムイオン電池よりも安価で電力を貯蓄可能だ。既にアフリカやアジアでテスト済みで、米国内の携帯電波塔を6年間動かし続けているという。スンション氏によると、既存の電力供給網からの電気は使っていないそうだ。

より多くの世界の人々が信頼性のある太陽光電力の方法を求めているのは明らかだ。太陽光蓄電池によりこれが現実に近づくことだろう。蓄電池が安くなることで、更に多くの家庭や企業が流れに乗ってくることが期待できる。再生可能エネルギー分野が勢いづくかもしれない。