テクノロジー業界が男性主体であるのは既知の事実だ。メディアはテック分野で性差別が蔓延っていると詳しく報じ、男性と同等の教育や経験を持つ女性でも、男性と比べると給与や昇進は見劣り、賃金格差やセクハラといった結果を招いている。

業界の不十分な女性の役職に対する教育環境を指摘する声もある一方、ブルームズバーグのサラ・マクブライド氏は情報工学の教養のある女性の少なさではなく、業界の「パイプライン問題」が大きく起因しているという。

「実際のところ、ほとんどのテクノロジー企業は女性に寛容ではなく、とりわけセクハラも頻繁に報告されています。これらは女性がテクニカルな役割やリーダー的役割を志願する妨げにもなっています。単純により多くの女性がソフトウェアについて学ぶようになるだけでは、テクノロジーにおけるキャリアを積むための保証にはなりません。また、仕事にありつけたとしても、それを続けていけるとは限りません」とマクブライド氏は述べる。

テクノロジー分野での女性の境遇は明るいものではないが、悪しき慣習が公に非難されることで状況に光を差す。境遇は決して変えられないわけではない。

職場での地位向上とその入り口

シリコンバレーなどにおけるこういった風潮の最大の予防策は、困難にめげずに成功を模索する女性に対する企業側の受け入れ態勢だ。こういった事例が広く知られれば、女性も自らをメインストリームであると感じ、従来の雰囲気も薄れていくだろう。オンラインソフトウェア・アフィリエイトソリューションのJVZooのデベロッパーとしてインターンで参加したクリスティーナ・クライン氏は、JVZooのビジネスロジックの知見を獲得し、ウェブサイトの管理や日々のタスクの効率化に関する機能を創作できるようになったそうだ。開発チームは男性ばかりだったが、それでも彼女はそこでポジションを得たいと思うようになった。

依頼「既存のウェブサイトの細かな調整に夢中になりました。みんなと一緒に働くに連れて、コードの書き方に興味を持つようになったのです」とクライン氏は言う。やがて元々在籍していた男性主体の情報工学コースからの異動を考えるようになる。彼女のチームへの影響も協力し、現在JVZooは開発チームの3分の1を女性が占め、有望なキャリアパスとなっている。

とても不利な状況でビデオゲーム業界に飛び込んだサンデ・チェン氏の例を挙げてみよう。アートとゲーム業界に関するメディア「ゲーマストラ」のレポートによると、業界の95%は男性で、2013年の給与の総額は、女性と比べると平均で約166万円も多かったそうだ。チェン氏は映画学校で培ったシナリオ制作の知識をゲーム業界で活かそうとした。あまりチャンスには恵まれなかったが、演説や執筆を通じた教育活動、女性が業界に入るための非営利活動を始めるようになり、善意的な支援者が彼女に協力した。99年には「Independent Games Festival」の優勝の立役者となり、2007年にはPC RPGゲームのクリエイター年間賞を獲得する。ゲームのシナリオ制作で「Writers Guild of America賞」にもノミネートされた。

「女性が表舞台に立つ、何か大きな兆しを感じます。何度もゴールを見据えて、辛抱強く、どん底から這い上がるような気持ちでした。私が多くの時間を費やしたゲームを大事に思っている人がたくさんいることを知ることができたのが、私にとっての成功です」と彼女は業界について語った。

テクノロジー企業が出来ること

今回挙げたのは苦境を乗り越え、企業や業界に影響を与えた女性の一例だ。では、女性を受け入れる上で、企業側のリーダーは何ができるのだろうか。

1. 達成可能な成功像を提示する
女性に注目が集まるようにすると、同時にメインストリームではなく何か特異な立ち位置へ追いやることにも繋がる。女性が成功を収められた企業の共通点は、機会の提供と会社側の理解を共に示せるところだ。その人にとって何ができるのかを中心に話を進められることが優れた採用であり、可能なキャリアパス、入社後の見通し、トレーニングや能力開発を提示することで、採用だけでなく、自身も成長できると言う気持ちを促進できる。

2. メンタープログラムを採用する
男女双方にとって、独り立ちするために女性の助けを借りるべきだ。メンターは女性がトリッキーな状況を乗り越え、機会を模索し、スキルを身に付けるために役立ち、会社にとってもより大きな力を育める。

3. 機会に気付かせる
企業で一番腕利きのエンジニアでも、才能の有無を見抜けられるとは限らない。あまりに多くのプログラムや職場の機会が男性向きに開かれていることから、女性がプログラミングや分析能力を持っていたとしても、自らの役割やチームへ貢献するには何をしたら良いのか知る機会を逃しているかもしれない。勉強会を兼ねたランチや、会社を挙げた部署ごとのプロフィール紹介、あるいは単に対面でのミーティングを通じてチャンスに気付いてもらい、学習を促進できるだろう。

テクノロジー業界全体が女性を受け入れているわけではないが、その潮流は変わろうとしている。企業と女性が手を携えていくことは、企業の業績だけでなく、業界自体にも影響を与えるだろう。