2005年、当時の人々の何割が今日のソーシャルメディア上のコミュニケーション技術の発達を予想していただろう。また、2010年を迎えるまで、カーシェアリングがたったの数年でタクシー業界をひっくり返すとは夢にも思っていなかったはずだ。2015年、オンラインプラットフォームが業界を変える様子を散々見てきた人からすると、ビットコインのような仮想通貨が世界中の企業で受け入れられるかもしれないことに疑問を抱くかもしれない。

現在ではこれら全てが現実となり、オンラインプラットフォームは常に我々の世界の動きに変化を与え続けている。一方で、一部の人々がそれらの動力が混乱をきたすのではと疑っているのも事実だ。ここで問われるべきことは、オンラインプラットフォームが業界を変えるか否かではなく、「何時その変化が訪れるのか?」ということだろう。

消費者は食料品を買ったり、仕事をこなしたり、映画や音楽を視聴したり、あるいは家を売却するのでさえオンラインプラットフォームに依存している。IoTとセンサーの進歩により、これらプラットフォームはよりスムーズなものになっていくだろう。卵が切れたらスマートホームのセンサーがアラームを鳴らし、キッチンスピーカーが奥さんに補充しておくよう伝言を頼むようになるかもしれない。

これらは魔法なんかではなく、単にオンラインプラットフォームが持っている力であり、人生においてこれらと無関係なものは近いうちに無くなるだろう。

なぜオンラインプラットフォームのほうが上手く行くのか

人々がプラットフォームに依存するのには2つ理由がある。機能性とデータだ。オンラインプラットフォームは時間や場所に制約されることのないコラボレーションを可能にする。例えば、オフィスワーカーはGoogle Driveを使ってスプレッドシートを編集し、ドキュメントを一緒に作成できる。さらには企業の出荷オペレーションを効率化し、コストの削減にもつなげることができる。

消費者にパーソナライゼーションを浸透させたのはAmazonのショッピングプラットフォームだ。今や工具から歯科器具の販売に至るまで、顧客の好みの把握に伴う購買履歴の記録は常識と化した。また、おすすめ商品の予測も周知され、企業は需要の予測からより効率的に稼げるようになった。

オンラインプラットフォームを通じて、これまで以上にカスタマイズされたサービスが提供できる。食料品販売など、これまでオンラインの影響を受けにくいと考えられてきた業界でも、新しいプラットフォームへの統合が進行している。ホールフーズを傘下に収めたAmazonは食料品を顧客の玄関扉まで直接届けるようになった。

オンラインプラットフォームの次の標的は?

あらゆる業界でオンラインプラットフォームの影響の到来に備えるべきだが、次に挙げる3つは間もなくその影響を受けるものと予測される。

1. 金融ガイダンス

かつて投資の鍵を握っていたのは金融アドバイザーだった。一般人はマーケットを朧気にしか分かっておらず、正しい判断を期待してアドバイザーを信じていた。

しかし今日ではRobinhoodE*TRADEといったオンライン投資プラットフォームが、投資アドバイザーの代役を担っている。ブログ投稿には素人に向けたおすすめの投資戦略が寄せられ、掲示板にはインデックス投資を進める書き込みが溢れている。仮想通貨ウォレットは一般人が仮想通貨革命を支える力を与えるものであり、かつて金融アドバイザーが夢物語だと断じたオンラインプラットフォームを使い、ユーザーは好きなコインを選んで、大当りを期待するようになっている。

2. 高等教育

図書館に籠って期末試験の勉強をするのは昔の話だ。オンライン教育は営利目的の信用されていない大学が客寄せのためにCMを流すだけのものではない。アイビー・リーグを含む有名大学も、現代の学生のニーズに応じて完全なオンライン、あるいはオンラインとオフラインの混ざった学位コースを提供するようになっている。

オンライン学校というコンセプトは新しいものではないが、若い世代が大学生になり、またより多くの成人が勉学し続けることを求めるようになるにつれて、優れたオンライン教育プラットフォームを持つ学校にお金が集まるようになることだろう。遠くない将来、超名門大学すら完全なオンライン学位コースを提供するか、それともより優れたオンライン教育に取り組む大学に取って変わられることになるかもしれない。

3. 保険業

全てのオンラインプラットフォームが厳密な意味でオンラインという訳ではない。イギリスの住宅保険会社のNeosは契約者に家に仕掛けるセンサーを配布している。これらセンサーは水漏れやボヤなどを検知し、プラットフォームを通じてカスタマーサービスに情報を伝え、家主に問題を報告する。こうしたプロセスでNeosが処理するクレームの数を減らし、低価格を実現出来ている。

オンラインベースの保険会社 Lemonadeの場合、ほとんどの事をアプリとAIアシスタントのMayaでこなしている。このボットは手続きの流れの中で商品選びや追加でカバーが必要になりそうなものの特定を手助けしてくれる。保険業のエージェントは米国から無くならないだろうが、こういった便利なプラットフォームの登場は、その数を減少させることになるかもしれない。

ニッチな業界の多くは、オンラインプラットフォームによる変化は無縁だと考えている。だが、食料品店は客がAmazonで卵を買うようになると思っていなかった。これまでの変化がただの兆しであるのなら、オンラインプラットフォームによる常識改革はまだ始まったばかりということだ。