高校時代のクラスメイトと通学していた時の曖昧な記憶、奇妙な形で未来を示唆するような出来事、あるいは全く筋書きの読み取れない化け物や登場人物が登場する夢を見たことがあるだろうか。

夢は神秘主義者や科学者を当惑させた、人間の特徴的な体験の一つだ。表面上、夢は意味深且つ混乱的であり、その根底の科学的根拠は未だ心理学者や生物学者も解明しきれていない

では、いつかAIが人間の夢を予知し、適切に処理することが可能な機械学習のアルゴリズムは登場するのだろうか。

夢に対するユニークな挑戦

AIの研究者にとって、夢は多種多様のユニークなチャレンジを提供している。

科学的見解:生物学者や心理学者、その他の専門家達が長きに渡って取り組み、進歩があるのにも関わらず、未だ夢について分からない点が多い。ある人は脳内で適当に起こっている電気信号と唱え、またある人は、日々の生活や長期的記憶を留めるための準備作業であるという見解もある。だが、ベースとなる見解がない限り、答えを切り開くことは難しいだろう。

個々の相違点:誰もが同じように夢を見るわけではない。特定の人物が見る夢を予知できるアルゴリズムがあったとしても、個人的な経歴や睡眠習慣エトセトラが依存するため、別の人物を対象にすることは出来ないかもしれない。

未知なる魅力:どういった経緯でどのような夢を見るのか、そして人間がどのように夢を見るのかを解き明かすこと自体がモチベーションなくして興味を持てることではない。有益なチャンスを求めるAIの研究家にとっては、営利的でも人生を変える医学的な知見や製品開発のような動機もない。それでも夢のことを予知し、理解し、コントロールため、テクノロジーの進化は続いている。

夢の記録

カリフォルニア大学ガラント研究所の研究者は既にイメージを認知する際の脳の働きについて研究を進めている。研究によると、被験者が映画のトレイラーを観ている時の脳の活動イメージを基に、漠然としたイメージのトレイラーを再現できたそうだ。同じ技術が夢にも適用できるのであれば、人の夢を側から見ることも可能になるのではないだろうか。

主な問題点はその解像度だ。研究者は一定の造形や色彩を解析することは出来たが、高精度で再現するには至っていない。AIがこのアルゴリズムを次のレベルへ導く役に立つかもしれないが、そもそも高精細な夢を見ているかどうか自体がまず問題だ。

睡眠パターンの分析

睡眠パターン理解するAIベースのソリューションを提供する企業も存在し、Sleep.aiがこれに当てはまる。これらが提供するアプリはいびきや歯ぎしり、寝返りなどをウェアラブルやスマートフォン経由で取得し、診断ツールを使ってより良い睡眠を提案するものだ。同じようなレベルの分析が夢にも適用できるのであれば、夢の特定や予見にも使えるのではないだろうか。

夢の予測とその影響

ネクストレベルの可能性として考えられるのは、AIありきで人がどのような夢を見ているかを認識し、次いでこれまでのデータから今後見る夢について予測することだろう。明晰夢におけるテクニックには、夢の意味を理解させようとするものがある。問題は消費者の意図とデータの解析結果のギャップだ。

最大の問題の一つがデータの調達だ。見る夢に関する変数はごまんとあり、それらの多くは科学的に殆ど分かっていない。また、データを収集するツールがあったとしても、被験者が実際に見るイメージへの影響が分かる保証はない。

別の問題として、信頼に値する予想を実施するためのデータ量をどのように調達するかだ。十分に発達したAIであれば解決できるかもしれないが、開発には時間が掛かるだろう。

実現可能?

つまり、機械学習を使って夢を理解できるようになるのだろうか?十中八九、私たちは夢とその作用を完全に理解できる手前まで迫っている。そのうち人が見ている夢をプロジェクターで映し出すことも出来るようになるだろう。しかしながら技術的イノベーション、科学的理解、そしてこの分野の発展を願う周囲の意向が必要であり、使いものになるデバイスやアルゴリズムが登場するまでには、数年単位の時間は掛かるだろう。