デジタルマーケティングは現時点である一つのピークに到達していることは疑いようがない事実だが、問題は多くのプラットフォームが伸び悩んでいるということだ。ブランディングにイノベーションを求める傍ら、一旦過去に新しいものが生まれた時、何が起こったのかを見てみる時期なのかもしれない。

消費者もブランドや企業について賢くなり、その信頼性には常に目を光らせている。マーケティング・エージェンシーのRAPP 社でCEOを務めるマルコ・スコニャミリオ氏は「ウェブから簡単に製品情報や価格を調べることができるようになり、製品の品質だけで売り込もうとするブランドが勝ち組になるのは難しくなっています。むしろ消費者を最も突き動かすのは、感情や親近感といった面です。ブランドやマーケッターにとって、新しいテクノロジーを使ってより良い体験を造り上げ、消費者の感情を取り込み固定客になってもらうことこそが肝心です」と述べている。

近年の調査もスコニャミリオ氏のコメントを裏付けている。2017年にコンテンツプラットフォームベンダーのStacklaが発表した「消費者コンテンツレポート: デジタル時代で影響を与えるもの」では、2000年代生まれの90%がブランドの支持を支える一番の要素は信憑性だと考え、30%は信憑性の損失によりブランドから離れたことが述べられている。

ありがたいことに、幾つかのマルチプラットフォームアプローチによるブランドへの愛着を生み出す方法を模索している企業がある。被験者の72%は良い印象を持っているようである。以下に挙げる4つのテクノロジーは2018年の重要なマーケティングプラットフォームとして注目を集めているものだ。

1. ブランドのモバイルアプリ

CIOやCTOは事業のためのモバイルアプリの開発を始めるよう会社を急き立てているかもしれないが、利益が得られる可能性は目に見えている範囲よりも遥か先にある。モバイルアプリのダウンロード数は2017年には2000億近くまで上り、今後の予想も右肩上がりだ。一般的な消費者がスマートフォンを使う時間は1日5時間であり、平均9つのアプリが使われている。これらから携帯電話は顧客を捕まえる理想的なプラットフォームとなっている。

スキルの高い開発会社と手を組むことは周りと差をつける上で役立つだろう。「モバイルアプリ開発がもたらす見返りの大きさは、多くのスタートアップ企業が成功したような物語をマーケットにもたらすことだろう。だが収益面で大成功するのはその中のごく僅かだ。専門のモバイルアプリ開発企業と手を組み、一日も早く市場性のあるアプリの企画を打ち出せるかどうかが成功と失敗を分けるものだ」とDogtown MediaのCEOであるマーク・フィッシャーは説明する。

2. 車内広告

漫画に出てきたような話だと思われるかもしれないが、ゆとりのある顧客にありつく一つの方法だ。自動運転車のWaymoやTeslaの躍進、またUberがVolvoと2.4万台の自動運転SUVの調達契約を結んだことなどから考えると、今後路上の事に気を取られない乗客が多く出てくる事だろう。

メディアエージェンシーPHDのトーマス・ブロック氏によれば、この事に対して既に対応が始められているという。「近い将来、自動運転車はとてつもない量のデータを扱うようになります。目的地の履歴、運行速度、乗客の世代や生体情報、天候、交通状況、最寄りの建物など、これら全ての情報はマーケッターにとって、これまでにないレベルの正確さでの消費者へのメッセージングを可能にします」。

3. チャットボット

人からマシンへの切り替えが進むにつれ、チャットボットは顧客をつかむ為のツールとして力強いものになっている。Siriがビジネスに合わせたものになったとしたらどうだろう?テクノロジーが進化することを考えれば、このマーケティング手法は成功を約束されているようなものだ。

ASOSやナショナル・ジオグラフィックとが期間限定で試したところ、好感触を得られた。ボットのユーモアセンスによるところが大きい。Whole FoodsやStarbucksなどはより長期的でじっくりと構えたアプローチをとっている。ホール・フーズとスターバックスのボットが現在出来ることはコーヒーのオーダーを手助けすることだ。配達は出来ない。だがオーダーはいくら複雑なものでも対応できる。

4. バーチャルリアリティ

近年VRが凄まじい勢いでその知名度を向上させていることから、前向きなマーケッターにとってVRプラットフォームは広告を打つ選択肢の一つとして捉えられている。ニューヨークの高級不動産会社であるStribling & Associatesのアシュリー・マーフィー氏は「VRが企業の大小を問わずマーケティングの主要な土壌になってきています。課題は、ターゲットとなる顧客層にVRを使って意図を伝えられているかどうかです。VRはまだ出てきたばかりであり、周りに抜きん出る方法を模索するにはいい時期と言えるでしょう」と説く。

まずブランド戦略を刷新する前に、それが価値を提供できることを確保しなければならない。消費者たちはブランドの信頼性に敏感だ。どのようなマーケティングツールを使うにせよ、確かな信頼感を作り出せるかどうかが、最終的な成果を左右することとなる。