IoT(モノのインターネット)はAI(人工知能)によって新しい到達点を迎えようとしている。高度な機械学習アルゴリズムと、人と機械を繋ぐインターフェイスがよりスムーズになるおかげで、我々のデバイスはよりスマートに成長した。

テクノロジーの中には我々の生活のある一面だけを捉え、より便利且つ低費用で、手軽にするものが存在する一方、我々の生活を根本から変える力を秘めている。

では、AIの力を得たIoTデバイスが、一般的な生活で最も重要な一角を担うキッチンをどう作り変えるのだろうか?

費用

まずは新しい家電の導入や、キッチンのリモデリングに伴うコストについて考えてみよう。一般家庭の規模でも、基本的なオプションのみなら数十万円単位、全ての家電を最新のIoTデバイスに入れ替えるとなると多額の費用が掛かる。

サムスンのスマート冷蔵庫「ファミリーハブ」など、スマートデバイスはここ数年で手頃な価格に落ち着いてきているが、それでもほとんどの家庭にとっては簡単に出せる額ではない。また、ほとんどの人がキッチンに導入するスマートデバイスの数は1-2台程度で、キャビネットやカウンターテーブルなどより長持ちするものを優先して入れ替えられることだろう。

廃棄物・排出物

スマートデバイスによってキッチンから出る食品廃棄物やエネルギー消費は抑えることができる。スマートデバイスが使われ方の統計を取り、それに応じてエネルギー消費を抑える他、エネルギー効率自体も良くなる。また食品が期限切れになる前に消費されるのにも役に立つ。米国では食品の50%ほどが無駄になっていることを考えると大きいことではないだろうか。

保存庫

スマート冷蔵庫は食品をカテゴリー別に保存するのにも役立つ。保存する食品をスキャンし整理することで、無駄についてユーザーの注意も自然と向くようになる。だが、どのみち食品が物理的スペースを必要とするため、整理がしやすくなる以上の変化を、保存庫はもたらさないだろう。

レイアウト

今日のスマートデバイスも小型化されない限りは従来と同様の物理的スペースを占有する。だがスマート計量器のSITUなどを入れ替えではなく追加で導入する場合、スペースはさらに取られることになる。

キッチンが持つ役割

モバイルデバイスから多くのキッチンデバイスを操作できるようになることから、米国のキッチン事情において最大の変化は、その空間が持つ機能のトランスフォーメーションなのかもしれない。他の空間と異なり、キッチンは食を提供する性質上、家族の交流の中心となる空間である。キッチンの機能が遠隔から操作可能になるとしても、その空間が持つ意味はやはり大きい。オートメーションが進むとは言え、この点が変わることはずっと先のことだろう。

家主がすべきこと

これまでに述べた変化はやがて訪れるとして、家主として何をするべきだろうか?新しい変化に備えてキッチンを作り替えるなり、最新のスマートデバイスにお金をつぎ込むのもいいが、まずは待つことだ。

今の状況をIoTの流行が一段落したと見るか、またはより効率的なスマートホームテクノロジーの登場が考えてみるのもいいだろう。先進技術がキッチンに徐々に入り込んでいるものの、全面的な刷新はさしあたって必要なものではないのかもしれない。