この10年間、ウェアラブルデバイスは着用者に様々な利点がある製品として、健康やヘルスケア関連のニッチ市場で広まってきた。しかしその効果のほどはどうなのだろうか?ただの物珍しいものにすぎないのか、それとも本当に役に立っているのだろうか?

ウェアラブルデバイスの起源

ディスプレイとインターネットへの接続を備えたウェアラブルデバイスが市場に登場してから間もないが、ヘルスケア関連のウェアラブルはここ数十年、なんなら数世紀も前から市場に登場している。その歴史を15世紀まで遡ると、人々は誕生石を頼りにしていたという諸説がある。長らく誕生石は幸運や健康、繁栄などを着用者にもたらすと信じられ、それぞれの月に石が関連づけられている。

また、銅製のブレスレットは愛用者達より関節の炎症や鎮痛に効果があると考られ、古代エジプトで発祥してから、その人気は20世紀後半まで続いた。さらに最近の2007年〜2011年には、POWER BALANCEなどの企業がアスリートのバランス感覚の向上を謳った、シリコンブレスレットを販売している。

ウェアラブル技術の現実的な健康上の利点

古代のウェアラブルの効能については疑問がつきものだが、今日のウェアラブルデバイスの利点については信じるに足る根拠がある。少なくとも近い将来にはその効能は確かなものになることだろう。ウェアラブルデバイスの業者が主張する効能については未だ答えが出ていないものも多いが、以下は注目しておく価値のある開発やトレンドだ。

1. 臨床試験のデータ収集
この手の話で最も興味深い観点の一つに、臨床試験のデータを集める上でのウェアラブルの有効性がある。データの収集、分析をリアルタイムで行えるだけでなく、試験に応じてくれる患者を探すのが楽になると言う利点もある。AppleがリリースしたResearchKitは、iPhoneやApple Watchと組み合わせて使うことでユーザーから貴重なデータを収集できるアプリだ。

これまでは最大でも1700名のグループを募るのがやっとだったが、アプリのリリースから1日でスタンフォード大学の心血管臨床試験に1万1千名のボランティアが集まり、パーキンソン病の研究のために6時間で7406名がこのアプリを通じて名乗りを上げたことを、臨床試験受託会社のジョージ・クリニカルが述べた。希望が持てるのは、このテクノロジーは今後も改良が続くであろうことだ。研究者たちはより多くのボランティアへの参加者とデータセットにありつくことができるようになるだろう。

2. 慢性病の管理
糖尿病などの慢性病のモニタリングと対策についてウェアラブルは多くの期待を集めている。既にいくつものテクノロジーが現場で使用され、そのうちのいくつかは良い実績も残している。例を挙げると、かつてGoogle Life Scienceの名で知られていたVerifyはグルコースのモニタリング会社であるDexcomと手を組み、糖尿病患者が血糖値レベルを24時間モニターするためのトラッカーを開発した。これは皮下にわずかに刺さる使い捨て針と、血糖値を計測してBluetoothで送信するデバイスが入っているパッチで構成されている。いざという時に命を救う可能性がある情報に、常にアクセスできるテクノロジーによって、糖尿病患者がより普通に近い生活を送れる日も来るかもしれない。

3. 健康に対する意識づけ
最後に、健康に対する意識を常に持つことに大きな意味がある。FitbitやApple Watchを身につけるなど簡単な事で、個人が心拍や日々の運動、カロリー消費などを把握できる。これらの数字が念頭にある事で、生活習慣がよりスマートで健康的なものになる。

ブレイクスルーは目前か

ウェアラブルと健康との間には良い相関を指し示すものが確かに見られる。さらなる利点が近い将来明らかになってくるだろう。このニッチな市場が成長するにつれ、どんな便利なものが出てくるか目を離さないことだ。