人類は急成長するAIの時代にいる。オンライン検索やスケジュール管理にデジタルアシスタントを使い、カスタマーサービスにチャットボットが用いられている。近い将来、心療などのより個人的な事柄でもAIの世話になるかもしれない。

では、AIを用いたロボットやアルゴリズムは不動産業者に取って代わることができるのだろうか。

AIを使った不動産業の将来

AIの活用という点では不動産は向いていると言えるポイントがいくつかある。既に不動産業者はより良い取引条件や適切な価格設定のネゴシエーション、購入者により良い物件を紹介するのにAIを使っている。

AIには次に挙げるような利点がある。

データ処理: 機械学習は人よりよほど上手く大量のデータを処理する事ができる。不動産業者は物件の売買を普通にとり扱えるようになるまで、10年まではいかないにしても数年に渡る経験を必要とする。だがアルゴリズムであれば売価や物件の価値その他について過去の取引から学習し、ほんの数日でその経験を物にする事ができる。加えてAIボットによるユーザの好みから個人レベルでカスタマイズされた物件の内覧を行うこともできる。

コスト効率: オートメーションが人から仕事を奪うと考えられる理由として、安上りであることが挙げられる。数千ものデータポイントを取り扱える機械学習アルゴリズムは楽に用意できるものではないが、それでも安価に管理でき無限にスケールする事が出来ることから、人間のエージェントを使うよりはるかにコスト効果の高い選択肢となる可能性がある。こう言った選択肢が可能なのであれば、より多くの家をより早く販売する為に手数料が抑えられるようになるだろう。

客観性: AIアルゴリズムは客観的な意思決定を実行できる利点がある。人の場合は、直感や早く売ってしまいたいという思いに左右されることもあるが、対して機会はデータを基に良い物件を回答してくれる。

課題

しかしながらAIが完全に人の代わりになれるとは限らない。そこにはいくつかの超えなければならない壁がある。

物件の手配: 近いうちに不動産を購入しようとする人なら物件の内覧を希望するだろう。つまり誰かがそこにいて顧客の第一印象を良くする必要があるという事だ。ロボットは何かを勧めることはできるかもしれないが、それを行動に移したりするには人手が必要だ。潜在顧客の心を引きつけるには経験を積んだ人間の存在が必要となる。

人間とのやりとり: 前のセクションでAIは客観的で勘よりもデータを当てにすると書いた。
これは強みだが、同時にネゴシエーションにおける直感が持つ力を生かさないという事でもある。
今のところは人の不動産業者の方が、他人の感情や機微を察する事において
優れており、それらの情報からより効率的に良い提案をし、取引をまとめることができる。

私的な体験: 多くの人にとって、家を買うというのは個人的で思い入れのあるプロセスだろう。物件を見て回りネゴシエーションをするのは、その思いを共有し会話できる相手が望ましい。人間は機械学習アルゴリズムよりも優れたエクスペリエンスを提供できる。

従って、AIは不動産業界で人に取って代わることになるのだろうか? ある意味では既に可能となっているが、業界から人間が一掃されるまでにはまだまだ道程は長い。むしろ今後は、AIの力を借りて複雑な不動産で仕事をする業者を多く見かけるようになることだろう。