Facebookの広告はマーケティングと構造技術の融合であり、ある人は好み、ある人は嫌い、そしてまたある人はそれを全く理解できない。生産性に富んだプラットフォームはデータやメトリクスなどの科学に裏打ちされており、Faceobookの広告は何よりもまず技術力に注目が集まっている。

2017年にはFacebook広告が270億ドル近い売上を記録した。2015年と比較して57%の伸びだ。同社は売上の87%はモバイル広告によるものだということを明らかにしている。どちらの数字もFacebook広告のトラフィックと売上が今後も伸び続け、同社のマーケティング活動の根幹を担って行くことを示すものだ。

だがプラットフォームの停滞が許されない中、広告を出す企業も今後の準備が迫られる。技術のクオリティ-がこれからのFacebook広告に、そして企業にどういった影響を与えていくのだろうか? Facebook広告に特化した、ソーシャルメディア戦略企業 Eight Loop Socialの設立者兼CEO Cat Howellは幾つかの見通しを語った。

 

Botは引き続き大きな役割を果たす

FacebookによってマーケッターがMessengerプラットフォームを使って、広告からユーザに直接コミュニケーションを取ることが可能となった。Botはそれに取って代わるものであり、広告主がセールスや見込み客の絞り込みを自動化することを可能にする。Botは基本的な質問への応答からプロモーションコードの送信まで行うことができ、マーケッターに必要なのはワークフローやスクリプトを通じてBotを訓練することだけだ。

Howell氏はBotの影響が低下することは当面無いだろうと見ている。「AIは現段階でもすでにクリエイティブではありますが、それでもマネジメントを必要とする部分があります。やることを理解させるためには、人が目的とパラメーターを設定してやらなければなりません。AIの取り組みが上げる結果、あるいは対費用効果を人がどう受け取るかが重要な点です」と彼女は語る。

このことはAIがFacebookのマーケッターに取って代わることを意味するのだろうか? これについて、マーケッターはまだ必要とされるもののその役割はシフトしていくとHowell氏は語る。彼らに求められるのはBotから得られるデータを活用するためのスキルセットの拡充だという。「データ分析とBotが正しく機能しているかどうかを理解するという役割が求められるようになります。マーケッターたちは管理者や顧客に対し、上がった結果や収益の報告を求められるようになるでしょう。例えばこれまで3人でアカウントを管理していたのを1人で管理するようになるかもしれないが、その1人が人による分析が必要になる担当をすることとなります」

 

綿密化するレポート

Facebook広告の対費用効果についての評価は結局のところ変わらないだろう。これら広告は、それがどれほどのビジネスを持ってくるのか、ビジネスや認知度の向上につながっているのか、1クリックあたりいくらかかっているのかという点から評価される。Howell氏は広告の評価は変わらないにしても、レポートについてはよりしっかりしたものになるだろうと予測している。

「自動化が導入されることで、見込み客を取り込んでいく過程で起こる問題を人が作業している時よりずっと早く見つけられるようになるでしょう。というのも人ではデータを持て余していましている傾向があった。現時点でのAIによる広告運営の素晴らしいところは、人が取り扱えない量の広告の作成と管理が行える点です。」と彼女は語る。

AIはABテストの実施でも優れており、より早く綿密な比較結果を出すことができる。「人ができないような大規模なテストをこなせることから、Botによるテストは更に良い成績を収めるようになってきています。人がBotを取り入れる場合、トラフィックがどこに行くかなどの最終ゴールを特定して指導する必要があります。ただBotはマーケットでの入札がどのように行われ、どのようにオークションが勝ち取られるのかをテストの結果をもってにより正確に理解しています」とHowell氏はいう。

 

Facebookの侵略的性質がユーザに及ぼす利益とは

Facebookの侵略的性質に人は嫌悪感を表しているが、彼らはやり方を変えないだろう。それはあまりに多くの利益があるからだ。Howell氏は次のように述べる。「Facebook Paymentは現在β版が出ており、Messengerから直接支払いを行うものです。これについて多くの人はFacebookにあまり個人情報を渡したくないということから二の足を踏んでいます。ただそうでない人たちからすれば、Facebookは既に自分たちについて多くのことを知っているのだから、クレジットカードの番号くらい今更何だ?と考えています。」

特に利便性が増すと、人は変化に適応し、FacebookとMessengerアプリにそれはよく現れていると彼女は言う。これは企業であっても同じである。「消費者優先主義が衰退することはありません。この点についてさまざまなツールを使ってでもFacebook広告を出したいという理由がここにあります」と彼女は言う。

Facebookの巨大なユーザーベースから益々多くの情報が集められ、ユーザーごとによりカスタマイズされたエクスペリエンスが創りだされていくことになるのを彼女は予見している。「予算は間違いなくこのことにつぎ込まれ、ビジネスオートメーションに対してはいくらでもお金を注ぎこみたいはずです。マーケッターは今や結果に対する説明義務があり、起こした行動とそれが生み出した利益のヒモづけを、結果をさかのぼって行わなければなりません。データに基づいたカスタマイズされたエクスペリエンスは、この行動と結果のヒモ付を行うものです」

では次に何が出てくるのだろうか? コンシェルジュサービスだとHowell氏は述べる。「Facebookは我々個人のデータを大量に所有しています。知らない都市に行った時何をするべきか、今日誰とデートしたらいいかをFacebookが提案しだす時がやってくるかもしれません。FacebookのAIがSiriのようなAIとやりとりするという、そんな日も来るでしょう」

Facebookが我々のことをどれくらい知っているかを広告が示すことになるだろう。同社の抱える膨大な情報がAIの予想と組み合わさることで、Facebookは我々にとってニュースフィードの先を行く生活の一部になるだろう。「同じようなことを行い得る競合といえばAmazonが考えられるでしょうか。もしFacebookにInstagramやメールのようなものが使えれば、我々と特定のものをマッチングすることで生活にさらなる影響を及ぼすことになるでしょう」とHowell氏は語る。

いずれFacebook広告は広告を打つブランドととして、企業をその市場の一部として扱うようになるのかもしれない。プラットフォームはデータやメトリクスについての取り組みにますます力を入れるようになり、より多くのBotやよりよいレポート、コンシェルジュサービスなどはFacebook広告が提示する将来の一部になるかもしれない。我々の生活へのFacebookの影響はより深くなるだろうが、我々はそれを受け入れることになるだろうか。