2008年の段階で既に、人の数よりも多くのものがインターネットに繋がるようになっていた。2020年までにはなんと200億のデバイスが繋がると予測されている。世界は驚異的なペースでデジタル化しており、それに関わるコネクテッドデバイスやサービス市場は爆発的に大きくなった。

AppleのiWatchやAlphabetのNestといったコンシューマ製品が人々の注目を集めたが、これは物語の一部に過ぎない。今ではIoTイノベーションの多くは工場やオフィスビル、病院などの見えないところで起きているのだ。

McKinseyの予測では、2025年には世界のIoT市場の価値は6.2兆ドルに登るとされており、その多くはヘルスケアや製造業から生み出されるものだ。市場がビジネスの成長とイノベーションための大きなチャンスになっている。

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だがそのポテンシャルを最大限に生かされるために、急成長を続けるIoTには何かが足りていない。新しいアクティビティを安定的に支えるネットワークの存在だ。開発者がIoTアプリケーションを世に出す以前に、適切なインフラを構築することができる企業が必要となる。

遠隔通信、クラウド、ユニファイドコミュニケーションやストレージ企業などの業者は全て、ネットワークのキャパシティを決める上で一役買っている。また彼らはIoTネットワークを次のレベルに持っていくために、互いに競い合っている。

 

なぜIoTネットワークが必要なのか?

米国内のコネクテッドデバイスのほとんどは、従来型のデータネットワークの上で独立して動いている。これらのネットワークは個別に分裂しており、範囲も限定的であることなどに問題がある。空港でラップトップを使ったことがある人なら、ネットワークが入り乱れている状況下でのサービスがどれだけ不安定なのは知っているだろう。既存のネットワークに何十億ものデバイスを押し込めるのはいつまでも続けられることではない。IoT専用のネットワークを作り出すか、何かほかの手立てを講じるしかないのだ。

多くの人はIoTで求められるデータの規模を理解していないが、IPv6の開発が進められる理由の一角を成している。この新しいIP標準ではアドレス空間が128bitまで拡張され、より多くのアドレスを扱うことができるようになる。これらのユニークなIP識別子は各デバイスが独立し、マシン同士が相互に通信することを可能にする。そのことからIPv6の普及はコネクテッドデバイスがインターネット上でやり取りする上で必要となってくるものだ。

携帯やフィットネストラッカー、タブレットの接続が切れるのは苛だたしいものだ。もし同じようなことが我々の将来頼りとするもの、例えばヘルスケアデバイスや自動運転車でも起こったとしたらどうだろうか。今日のネットワークでは今後我々が必要とするものを確実に満たすためには、相当な取り組みを必要とするだろう。

 

IoTネットワークはどのように機能するのか?

同じ失敗を犯さないためには、IoTネットワークの障害を防ぐ複数のレイヤーを統一できるものでなければならない。通信が切れないよう隅々まで電波が届かなければならず、通信の欠損を生じさせないためのサービスレイヤーを持つことが必要となる。またIoTネットワークは世界中で展開されている携帯網のような、互いに独立したカバー範囲が不安定なものとは違ったものになるかもしれない。あるネットワークから別のネットワークにメッセージが移るような感じではなく、デバイス間をシームレスに経由するようなものになるだろう。

こういったIoTネットワークを世界的に整備することによって、ようやく予想されているような勢いでデバイスをネットワークに投入できるようになり、統一され安定した基礎をインターネットに備えることができることになる。

 

IoTネットワークはイノベーションと共に成長できるか?

およそIoTデバイスの開発において大きな進歩があったのは疑うところがないが、すでに壁に行き当たり始めている。多くのデバイスが接続性やほかのデバイスとの通信、反応性などで依然として問題を抱えている。

これらの問題を回避するために、IoT専用のネットワークを使う企業が出てきた。ヨーロッパと米国で100万人以上のユーザーを抱えるレンタカー業社のCar2Goは世界中に専用ネットワークを持ち、携帯に頼ることなく遠隔から車を解錠しエンジンをかけることができる。同社は車がどこにあるかを常に把握し、即座に決定を下し、信頼性に優れたサービスを提供できる。

Ovum Senior AnalystのJamie Mossは先日次のように述べている。「社会のコネクティビティを支えるファブリックの実現ははっきりと見える変化となって現れる」 言い換えるとIoTネットワークが実現するものは想像もしなかったほどシームレスで効率的なものになるということだ。まぁまともに動けばと仮定してだが。

ハードウェア企業であろうが通信事業者であろうが、クラウド通信ソフト企業であっても、世界的なIoTネットワークはIoT開発における重要な次のステップだ。この基礎があってようやく、我々の周りに本当のIoTが実現する。