IoTの影響もあり、ウェアラブルテクノロジーは非常に重要なものとなった。CGS Insightsのアナリスト達によると、スマートウェアラブルの出荷は2013年の970万台から2018年は1億3500万台に伸びると予想されている。今やウェアラブルデバイスは帽子や靴、ゴーグル、高級時計、ヘルメットなどさまざまなものが出てきている。

これらデバイスには差動装置や生体センサー、ジャイロスコープなどが備わっており、心拍数やストレスレベルなどの測定を行なっている。遊びのあるノベリティとして生まれ、これらガジェットは業界を変える存在となった。スマートガジェットは職場の安全をますます担うようになり、国中の建設現場で作業を効率化している。

以下にいくつか挙げるのは建設会社で評判になっているウェアラブルガジェットだ。

 

DAQRI スマートヘルメット

登場してから数百年も経つというのにヘルメットは当初から大きく変わっていない。カリフォルニアに拠点を置くテクノロジー企業 DAQRIは自社製品のスマートヘルメットでこれに一石を投じようとしている。DAQRIスマートヘルメットには現場の視界上に何をしなければならないかという業務指示を表示できる仮想バイザーが備わっている。DAQRIが開発した4Dシステムによって訓練期間が短くなり、タスクの重要度がひと目でわかる。ヘルメットには360°カメラや3Dマッピング、英数字のキャプチャ機能も備わっている。DAQRIがもたらすデータマイニングやコンプライアンスの調整、工事記録の管理における可能性は限りない。

 

Redpoint 安全ベスト

安全ベストはどこの工事現場でもみかけるものだが、この現場になくてはならない装備にある企業が新しい技術を投入しようと考えている。Redpoint Positioningというリアルタイム位置情報提供業者は、安全ベストへのGPSバッヂの導入を始めた。Redpointの安全ベストにより、作業員が助けを求めている場所が正確に特定できる。加えて彼らが予め指定された現場の危険地帯に立ち入りそうになるとすぐに警告を鳴らすこともできる。またバッヂが重機の特定の半径以内に近づいた場合、これら機械の動きを減速する、あるいは止めてしまうことも可能である。RedpointのGPSバッヂは作業員の安全を守るためだけでなく、彼らの業務を監督が最適化するのにも用いられる。常に動きまわる作業員のロケーションデータを捉えることで、そこに潜んでいるボトルネックや問題を特定し、時間管理を最適化し生産コストの提言につなげることができるだろう。

 

XOEye スマートゴーグル

ここ数年、米国では熟練工が不足しており、国内のあるところでは求人数が10%の勢いで伸びている。現に米国労働省は熟練工を2020年までに3100万人不足すると予想している。XOEye Technorogies社はこのギャップをスマートゴーグルで埋めようと試みている。XOEyeのゴーグルにはインターネットにつながっているカメラが備わっており、経験を積んだ技術者の仕事を新人にリアルタイムでフィードバックできる。また現場の作業員たちが何をしているのかがきちんとわかり、互いにコミュニケーションを取り合うことで効率的にタスクを達成できる。監督も作業員が生産的に活動していることを確認できるほか、ゴーグルはバーコードなどのデータのスキャンにも対応している。

 

Myo リストバンドコントローラ

建築業界用に設計されたものではないのだが、Thalmic Labsによって作られたMyaoリストバンドは工事現場ではたらく人たちにとって色々と便利なものだ。Myaoが腕のジェスチャーを読み取ることで、あなたの手が多くのことなるデバイスを動かすためのコントローラとなる。Myaoはなんの設定もしなくてもNetflixやPowerPoint、ドローンそのほかの操作に使うことができる。腕に取り付けられればXOEyeなどを含んだスマートゴーグルと一緒に使うことで、仲間とコミュニケーションをとったり、写真をとったり、終わったタスクの消込みを行うことができる。常に動き続けており、コンピュータを触るためだけにグローブをとったり装備をおいたりする時間がない現場作業員たちにとって、こうしたジェスチャーによる操作はもってこいのものだろう。

 

Bionic 外骨格スーツ

世界初となるバイオニックスーツは建設作業を念頭に置いて作られたものだ。このスーツを使ってアイアンマンのように空を飛んだりレーザーを発射したりすることは(まだ)できないが、作業員が重い物を持ち上げたりすることによる怪我のリスクは低減できる。このEkso Bionicsが制作した7Kgの外骨格スーツは非常に操作性が高い。また完全にアナログなため、電池や電気を必要ともしない。労働統計局によると、背中を痛める作業員の数は年間100万人以上に上ると言われている。現場の1/5で問題となっている職業病でもあり、国内で一番の安全上の問題ともなっている。この外骨格スーツにより重たい道具を持つことや、重量物を持ち上げる技量不足からくる怪我は過去のものとなるだろう。

 

未来を見据える建設業

これまで建設業界への新しいテクノロジーの導入はなかなか進まないものだった。だがJB Knowledgeが2015年に出したレポートによれば、これはもはや当てはまらないのかもしれない。クラウドベースのソフトを活用する建設業者の数は2012年から比べて2倍に増えている。同様に多くの企業が、ウェアラブルガジェットの導入を始めている。更に多くの企業がツールにこうしたデバイスを組み込んでいく中、ウェアラブル技術が作業員の安全と生産性にどれほど影響するか興味深いところだ。

著者はカリフォルニア州ウォールナットクリークにある人身損害と労災補償を専門とする法律事務所、Appel Law Firm LLPで弁護士を務めている。法律関係の他、彼は新しいテクノロジーを学んだり野外に出たり、家族と過ごすことを好んでいる。