テクノロジーがものの作られ方を変えようとしている。家屋をスマートホーム化する製品は、かつて一極化していた。

2017年には1つの家に住む必要はなくなり、スマートホーム製品の利点を活用できるようになった。

スマートアパートといったコンセプトはJetsonsなどのアニメでだけに見られるものだったが、IoTの進歩やスマートシティ、ZWaveやZigBeeといった存在、モバイルテクノロジーやそれらに関するスタートアップ企業の存在により、スマートアパートの実現への道は開かれた。

アパートへの技術の導入により、管理側や住民の時間とお金は節約できる。

Andrew Livingstoneはアメリカ最大の不動産管理業者、GreyStarの常務取締役である。
同社は全米425,000のアパートの管理を手がけているほか、英国やオランダ、メキシコにもその手を広げており、まもなくアジアにも進出する予定である。

「我々はアパートというニッチなところを突いて、その専門家を持っている会社です。Greystarでは3つのことを行っています。まずはアパートの管理です。ほとんどは管理委託ですが自社で持っているアパートの管理も行っています。また弊社はアパートの開発・建築も行っています。今の時点で60億ドル規模の建築が進んでおり、アパート開発においては国内最大の業者となっています。またそれを管理する企業にも投資を行っています。私達はこれを自社の三本柱と呼んでおります」

 

スマートホームも複数世帯へ

Livingstone社によると、アパートに投入されるテクノロジーの多くは単世帯家族向け市場から生まれているという。

「機能の多くは非常に早くアパートに取り入れられています」と彼は語る。

「NestのサーモスタットやGoogleによって開発されたエコシステムなど、スマートフォンから操作できるテクノロジーが見られるようになって来ています。それが鍵であれカメラであれ、我々は興味を持っています」

National Multifamily Housing Councilによれば米国の人口の35%に相当する1億1200万人が家を買うのではなく借家に住んでいるという。これらの層は都市部に住むことが多く、年齢も若いことが多い。住み心地を改善するテクノロジーを求めがちでもあると、StratIS社の CEO Felicite Moormanは全米の複数世帯住宅や大学コミュニティで展開している同社のSaaSプラットフォームについて語った際に述べている。

「あらゆる待ちで複数世帯住宅がより主要な役割を担うようになって来ています。スマートシティの進歩に関して複数世帯住宅が果たす役目は大きなものです。」とLivingstone氏は語る。

アパートがかつては家を買えるようになるまでの仮住まいだと考えられていた時代もあったと彼は説明する。

「だがこのことは今の若い世代の人生プランに共通する考えかどうかは分かりません。複数世帯住宅は資産の選択肢の1つであり得ますし、事実、仮住まいと言うよりは生涯における重要な資産だと考える向きもあります。彼らが求めるのは自前で家を持つことで生じるリスクと責任を取らずに実現する、柔軟性と快適性です。この流れはあと数十年変わらないと思います」

 

大きな投資の動き

Steve DugganはニューヨークのCitihabitatsで不動産の営業を行なっている。彼はスマートテクノロジーへの投資の動きが高まって来ていると感じている。

「リノベーション業者や付加価値の高いプロジェクトに携わる人たちのほか、より効率を求める大家達から、増収のためにテクノロジーに投資しようと言う動きが見られます。Energy Star認証をとったNestのサーモスタットやスマートロック、取り外し可能な断熱材がコスト削減のために導入されるようになっています。」

Duggan氏はNational Gridなどの公共事業者が効率的な断熱材を導入する大家に対してインセンティブを与えるケースもあると言う。

「30歳以下のテナントなどは従来の鍵と比べてスマートロックにとても肯定的に反応します。より高いセキュリティと利便性は確実にありがたがられているものです」

Greystarのチームでは住民が構成するネットワークから積極的にデータを集めている。同社のメールによるアンケートの返信率は28%だ。これは毎月7万件の返信に相当する。

「人々が何に価値を見出し、何を欲しがっているかのデータを我々は多く持っています。3年前まではこうしたことは行ってませんでしたが、このデータなしに住民が求めていることをどうやって知ることができるでしょうか」

Livingstone氏はテクノロジーが利便性第一である必要こそないものの、間違いなく大事なポイントだと考えている。

「我々がまず着目するのは人々の生活に影響を及ぼす需要のあるテクノロジーについてです。そのテクノロジーに需要があると判断すれば、次はそれをうまく動くようにすることです。多くのテクノロジーは機能することを謳ってはいますが、複数世帯住宅でも必ずうまくいくとは限りません。」

Livingstone氏は複数世帯住宅でテクノロジーを商業的に成り立たせるためには多くの課題があるという。

「300世帯もあれば利益を上げるためのチャンスも多くあると考えるかもしれませんが、ことをスムーズに運ぶのは実際のところ非常に難しいことがわかっています。例えば建物に1GB/sの回線を建物に引き込むことは難しいことではありませんが、各部屋でその通信速度を実現するのはずっと難しいことです。現実にはこういった課題があります。」